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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

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25センチほどの自作失敗作の皿が
私専用のサラダボウル
毎朝この分量のサラダが定量・・別に
たまご・ほんの少々の肉・それに果物とヨーグルト
パンは一枚・・ほぼこれで定番である

多少の変化はあったが
5年前の春から・・ずっと続けている

トマトが甘くなってきた・・キャベツが柔らかい
桜よりも野菜の口あたりで
春の訪れを感じる毎年である


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2013年3月25日
全ての始りは・・この日だった
「空腹時血糖125mg.・・ヘモグロビンA1c6.7%
境界型ではあるけど立派な糖尿病数値です
放っておいたら・・真正糖尿病間違いなしかな」

前立腺外来の初診で
前立腺そっちのけで・・青天の霹靂
それまで一度も警告されていなかっただけに
慌てたが・・・どうすれば?と尋ねたら
「食事と運動です」

その日の夜から・・食事も大変革
そして・・直ちに歩いた
3月25日・・4.0㌔/1時間 体重は84.4㌔と記入した

当面間食は一切タブー・・食事の分量も制限し
やむを得ない日以外は・・外食も止めた
そして・・4㌔を毎晩歩いた

車で計測した距離に従って
決まったコースをわき目もふらずに歩いた
慣れるまでは・・少し苦しかったが
何が何でも・・糖尿病はご免だ!
そう思う決心は強かった


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爾来・・データを記録した手帳は6冊目
毎日
体重・体脂肪率・起床時・就寝時血圧 脈拍数
週3~4回の空腹時血糖値測定(食後2h血糖も含め)
4㌔歩行の累積・・それらが記録されている

今どうなってる?
成果が見えてる?
日課に飽きてない?

データをとることで・・投げ出さずに済んでいる
多少は我慢しても几帳面に書くことの
大事さは・・どんな場合も同じである

3年目に入るころには・・主治医から
「三途の川から戻って来たね・・治っちゃったよ
もうあまり気にしないで普通の生活でも大丈夫」
そう言われたが・・今も戻してはいない
やはり油断大敵と思うからである

体重84㌔で始めた5年前だが
今も75~6㌔をキープ・・4㌔を45分で歩いている
真冬でも汗をかく速さ
歩行距離の累積は・・昨日で5,206㌔
飛行機で飛べば7時間の
マレーシア・クアラルンプールまでの距離
毎日は4㌔でも5年経てば・・びっくりする距離になる

日課が続くかぎり・・どこまで歩けるだろう
データにはそんな楽しみもあるのである


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油断するつもりはないが
今朝のパンには
大好きなブルーベリージャムを
たっぷり塗ってしまった
こんなことが・・嬉しいのである

ちなみに
先月の血液検査によれば
24項目中・・標準値を外れたのは
赤血球数の一項目だけで
標準下限の438が432だっただけ
肝腎かなめは・・みなセーフなのだ

主治医に
「これじゃ死ねないね!」って脅された
何が怖いって
体はもってるけど・・頭がねぇ~っ?
不安に怯えているのである





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by touseigama696 | 2018-03-31 09:59 | 〇わたしの流儀 | Comments(4)
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昨日は
何も写真を撮らずに終りました


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今日は・・こんなこと書こうかなって
思えば・・それらしい写真を撮ったり
でも
何もないまま通り過ぎる日もあるのです

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困ったときの・・花頼み
綺麗な花は
それだけで絵になりますね
言葉は要らないかもしれません


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撮りためてあった花たち
結び目を解いたら
ほとばしるように・・咲き誇っています

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友人の家の庭の生垣に咲いた・・おとめ椿
非の打ちどころのない姿をしていながら
花ことばは・・控えめな優しさ

この花の美しさは・・きっとそこですね





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by touseigama696 | 2018-03-29 08:36 | ●お気に入り | Comments(2)
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国会の証人席で・・自ら信じる真実を述べると
訴追を受ける恐れのある疑義なので・・証言を拒否する
この行為自体は・・許されてはいることだから
いかんともしがたいのだろうが

しかし・・いずれ仮に訴追を受けたら
そこでも真実を述べることを要求されることになる
今訴追の怖れを回避する証言が
訴追の心配がなければ話せるけど・・だとしたら
証言できないのは・・限りなく訴追の対象になる
平たく言えば・・限りなく有罪発言と想像されるからで
そうだとすると
今話せない真実は・・裁判に持っていっても
やはり有罪を担保してしまう確率が高い

証人喚問も裁判も
宣誓によって・・偽証は罪になる
どっちで何を話しても
真実以外で決着はつかないのだから
証言を拒否しても・・訴追されなくて済む
というわけにはゆかない筈だ

もっと原則的なことに触れれば
国家公務員・・それもキャリアと呼ばれる官僚は
国益に代表される公益を守るために働いている
正当に仕事してる限り訴追されることはない
にもかかわらず・・訴追を予期するのは
正当ではない疑義に直面しているからで
公益を外れて私益に組したのでは・・と疑われているのだ

とすれば・・証言の拒否は
業務の本旨を捨て・・責任の回避を図ることになり
いわゆる道義性に従えば・・昔から言われているように
「ノブレス・オブリージ」
地位ある者に伴う崇高なる特別な責任
これを捨てたことになる

国益の主体は?・・正確な定義を知らないが
私見なら・・「国民」だと思う
良かれと思う信念に従ったにせよ
国民の不信を買うことには忸怩たるものがある筈で
そこはもう
ノブレス・オブリージの世界だと思うのだ

真実に準ずる・・いつの時代にも
権力者たちに悩ましく立ちはだかる魔物かもしれない





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by touseigama696 | 2018-03-28 06:20 | ●エッセイ | Comments(2)
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『毎日・・同じ場所に座って似たようなことをしてる
そう思っているが・・実際そうだろうか?

多分・・日々目の前に
数えきれないほどの偶然が・・千変万化で起きているのに
それに気づいていないだけだ・・だけど
やがて・・追い求めているものがはっきりしてくると
ふと小さな火花に気づいて・・ハッとする

その火花が私にとっての偶然・・新しい発見になる
仕事の質を変えてゆくのは・・いつでもこの火花
偶然は起きるものではない・・起きてるものの中で
発見できたものだけが・・偶然なのだ

滅多に発見できないから・・日々は単調に見えるが
単調なのは・・日々ではなく私の感性で
発見できなかった偶然は
物原のごとく周囲に積もっているにちがいない

たった一つでいい・・たったひとつの偶然にも
個性を表すには充分なだけのちからがある
数が力となる世界ではあるが・・ここだけは違う
技は数が培い・・個性は偶然が導く

思いがけない方向へ引っ張られるのを感じるとき
それが偶然の所産なのを・・深く実感することになるのだ』

数年前・・こんなことを書いた
思いは今も変わってはいない
同じ場所に座って・・似たようなことをしながら
同じことを考えている

しかし
偶然の火花が散る瞬間は・・日々に遠のく

万座の星の数ほどを繰り返す・・忍耐と
満天に星のひとつを見つける・・集中を
願っても叶わぬ「時」が忍び寄ってくる
決して争そうつもりのない老いが
ついそこまできていることを
いやでも思い知らされるのだ






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by touseigama696 | 2018-03-26 18:29 | ●エッセイ | Comments(2)
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一生の間には
習って上達したことよりも
慣れて上手くなったことのほうが多い
そんなもんじゃなかろうか
「習うより慣れろ!」・・諺にもそうある

少し理屈っぽいが・・実際には
習ってから慣れた方が良いものと
慣れてから習っても遅くないものはある

例えば自動車の運転は・・前者だ
いきなり
勝手に運転して事故を起こしたら
そりゃはた迷惑である
免許取ってから慣れるのが順序

でも
幼い子どもが・・旺盛な好奇心で
テニスのラケットを振り回しているのを見て
やがて・・正しいフォームを教えれば
飛躍的に上達することがあるが
それは・・後者
興味を示さない子どもに
「これ覚えなさい!」では効果はない

「習うより慣れろ」の諺には
「慣れたら習え」を対にしておきたいものだ


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陶芸の作業の中にも‥両方がある
釉薬の扱いや窯の焚き方は
習ってから慣れるべきものだが
今してるような加飾の作業は
慣れたら更に深く学べばいい手仕事である


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慣れるだけでも・・結構色々できるが
手を進めながら
染織が多用する紋様のつけ方に
学んで得るものも多いと気づいたり
慣れてからが・・進歩とも言えるのだ


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一日に3個だの6個だの
捗らない作業ではあるが
考える時間は・・たっぷりある

随分昔のことだが
「実践」と「実行」の違いを・・こう習った
理屈が伴うものを実践と言い
伴わないものが実行なのだそうだ
多くの場合
進歩を促すのは・・実践にあるようだ

習うと慣れる・・を使い分けるとき
案外示唆に富んでいると思うのだ





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by touseigama696 | 2018-03-25 07:44 | ●工房便り | Comments(0)
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コートに現れた大坂なおみ選手を見た時
ハッとして昨日までと違うことに・・驚いた

先週・・インディアンウェルズで優勝し
天然であどけないスピーチで
観衆を和ませた・・あの大坂なおみは
どこかに消えた

ジュニア風の可愛らしいウェアも脱ぎ
みるからに精悍なプレイヤーに変身だ
そして・・そのままマイアミでの一回戦で
あの偉大なレジェンド・・セレナ・ウィリアムスに
どちらがレジェンド?・・と云わせるほどに
圧倒的に勝ってみせた
こんなに美しく勝つ選手を見たのは・・久しぶりだ

解説を聞いていたら
この1年で・・7.5㌔体を絞ったとあった
練習でシェイプアップされた
180㌢の恵まれた体躯が
瞬発の反応でボールを捕まえる
以前なら返しきれなかったボールが
更に加速して鋭く返球されたら・・
セレナはきっとびっくりしたに違いない
マッチポイントを・・自分のミスで失ったセレナの
あの苦笑いは・・その驚きのように見えた

先週の優勝の直後
インディアンウェルスの主催者は
1億数千万円の賞金のほかに
勝者大坂なおみ選手にチャーター機を用意して
次の大会のために
マイアミに送り届けたのだそうだ

勝者に限りない敬意を払って
それに相応しい待遇で報いる
だから選手もまた・・コートで育ち
戦うごとに洗練されてゆくのだ

華麗なるメタモルフォーゼ
見事に変身を遂げた大坂選手が
このまま大成してくれるのを
楽しみにしたいと・・思う





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by touseigama696 | 2018-03-24 08:44 | ●エッセイ | Comments(2)
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焼きあがれば・・このタイプの茶碗
茄子紺の糸抜き麦藁手です

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糸を貼ってるときは・・こんな感じですが
今日時計を見ていたら・・1個の茶碗の
彩色面以外のための養生と・・紋様の糸貼りで
約1時間半かかっていました

ってことは
3個で4時間半・・6個で9時間
おおよそ1日で・・6個できます
というより6個しかできません
ともかく手間のかかる作業です

これに茄子紺の顔料を吹いて
糸を外してバリを掃除
薄く釉薬を掛けて・・15時間の焼成
未だもうひと手間・・かかります

ボチボチと根気よく・・
呪文のように唱えて
同じことを繰り返してゆきます




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by touseigama696 | 2018-03-23 05:32 | ●工房便り | Comments(2)

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「昼飯・・どこかで食うか?」
昨日の朝のこと
「どうしたの?・・急に!」
「今日・・3月19日だろ?」
「そっかぁ~!忘れてた」

いつもの年とは・・セリフが逆転
「忘れてたでしょ!」
最後の一言はこれで・・大抵は妻が言ったもんだ

昨日は‥我々夫婦にとっては
52回目のアニバーサリーだった
一昨年の金婚の祝いは
家族と極く親しい数人友人で
会食して祝ってもらったし
その前年には・・体が元気なうちにと
ふたりで・・知床を歩いた

どうやらけじめがついて・・妻も
50年から先を数えるのが面倒になったのかも

50年も経てば・・夫婦というより同士とでも
数年前に新築した隠居所に
それぞれ階を異にして自室を構え
夕飯が済めば・・「おやすみぃ~!」の挨拶で
先取りした介護用エレベーターで別れるのだ

52年前の始りの日々を思い出すことも多い
もう一度あの頃が蘇るなら
今更ではあるが・・もう少し
家庭的な夫や父になろうと・・努力もすべきだが
言い訳がましいが・・時代環境が違い過ぎてたようだ

新婚の夫婦の周りには
私にとっての祖母が二人いて
両親がいて・・在寮の従業員さんがいて
全てを面倒見るお手伝いさんもいた
家事も育児も・・手が余っていた

一方でメディアの現場は・・殆ど不規則
今なら過重労働のそしりを免れまいが
仕事に拘束され・・休暇もままならず
それがさして不思議ではなかった

今遠く離れて暮らす息子を見ていると
三人の息子を抱え
嫁を手伝って家事にも育児にも・・よく手を貸す
日々手伝わねば・・嫁が大変だからだ
偉いと思うが・・それも時代なのだろう
無事に乗り切って
やがて安穏な日々が訪れることを願うばかりだ


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ネットで探して・・隣町に出かけ
イタ飯ランチで・・52回目を祝った
ややハズレの店だったから
53回目は・・もう少しましな店を探そう

それにしても
23歳の同じ歳で結婚したあの春に
この世に誕生した子供たちは・・今年52歳
何人か知ってる52歳を思い出すと
みんなオッサンじゃないか
あぁ~!とんでもない時間が過ぎていったんだな

52歳のオッサン!(オバサンは外しとこ)
私が25歳のとき・・キミは2歳だったはず
今イッチョ前の口きくが・・あのころだったら
「おむつ替えてやるから・・あっちで遊んでろ!」

もう一度言ってやりたい気分も
ちったぁあるが・・恐いからやめとこ
何とか大臣もいりゃ・・何とか社長もいて
何とか教授も・・何とか博士もいるもんな
みんな・・今もってる若さを大事にしろよ!
あっという間に75歳になるぜ・・!




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by touseigama696 | 2018-03-20 09:47 | ●エッセイ | Comments(8)
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以下一連の作品は
磁器土の器胎を分厚くロクロで挽き
そこから先は
ひたすらに彫って削ったものである

「水平と垂直ほど難しいものはない」
先日書いたこの私感の難易度は
ここに極まっていると・・いつも思う


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肉厚な器胎に
ロクロとは別の真円が使われ
そこに水平の線紋が正確に彫られ
更に
天辺のつまみは接着ではなく
一体の中で削り彫られている

折れずに無事に終わる方が不思議だと
作品を前にすれば・・誰しも思うにちがいない


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どの直線をとっても
それが彫紋だと理解するまでに
少し時間がかかる
板を重ねて貼れば・・と
つい邪念が邪魔するのである

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ここでは人間味だの味だの
曖昧な概念を・・形から外しているが
しかし・・造形の芯は
あふれるほどの人間らしさに満ちている

光と影が・・大事なテーマで
だから彫るし・・だから釉も外したと
ギャラリートークでも話してくれた

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余分なものをどこまで捨てきれるか
人間を考えるとき
避けられない命題のような気がする
シンプルは・・ナッシングではない

人間の緻密さは・・機械のそれとは別もの
人間にあって機械が持たぬストイシズムの中にこそ
温もりのあるシンプルが実を結ぶ
単純とか正確だけでは片づくまい

私が所属する陶葉会のメンバーのおひとり
和田的さんは
いずれ日本の陶芸に名を残す逸材である
親子ほどの歳の差があるが
その可能性を・・同時代に生きて
脇でつぶさに見られることを
実に幸運なことだと・・痛感している

日曜日の午後
この個展を拝見しながら
彼の持論を聴くことができた

(なお掲載した写真は
作家ご自身の了解を得たものです)





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by touseigama696 | 2018-03-18 20:20 | ●畏友交遊 | Comments(0)
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左が無念の敗北を喫した三枚堂達也六段
右が勝利した藤井聡太六段
会釈して負けを認めた一瞬・・一昨日のことである
将棋は門外漢の私だけど
ある興味を持って・・この勝負注目していた

先日も書いたが
日本将棋連盟に所属する棋士160数名
一般論で言えば・・全員が将棋の天才
その天才集団の中に
またとんでもない天才が一人現れて
160人の天才に・・文字通り
将棋倒しが起こっちゃいそうだ

ここら辺でガツンと一撃しておかないと
将棋倒しが止まらないと
立場上世代間防壁の使命を負ったひとりが
三枚堂六段である
年初の公式戦で既に一回勝っているので
連勝して藤井六段をへこませたいところである
そのためにかなり研究もしてるはずだし
相当な気合も入っていたに違いない
それが無念にも返り討ちに沈んだのだった
その勝ち方を見ていて
こりゃまた何という強さ・・驚嘆なのだった

将棋のことは分からないが
藤井六段の凄さを感じさせる幾つかのエピソード
書いてみたくなった

you tubeの棋譜をスクロールしながら見てると
何人かの棋士との対戦で
似たような一瞬に出会った

大抵は
相手方の王様からかけ離れた辺りに
藤井六段が歩とか香車・・桂馬といった
軽量の駒を配することから始まる
その一手・・決定的な一手には見えないが
相手方は・・??予期せざる手と身を乗り出す
暫らくじっと凝視してるが・・やがて
何かに気づいて俄かに慌てた様子を見せる

藤井六段の泰然とした風情と対照を為す仕草に見え
そこから先・・何手か進行しても
それまでとは流れが変わり
相手側の精彩は・・次第に鈍くなる
明らかに遠い先の負けに気づいた一瞬だと判る
「この歩一手で形勢が逆転しましたね」
解説者のコメントにも・・それが現れるのだ

おどろおどろの重火器でなく
たった一人のスナイパーの一発の小銃弾が
それとは予期せぬうちに相手を制する
まるでゴルゴ13のようである

将棋に・・「詰めろ」という言葉がある
今差した手を放っておくと
次の一手で・・何手か先に詰んでしまう局面のこと
言ってみれば・・将棋は
一手でも早く・・敵王に詰めろを仕掛けるゲームなのだ
それを見つけるために・・予想手を考えることを
「読む」というが・・160数人のプロ棋士たちは
時間さえあれば・・百手でも二百手でも読める
なのに・・藤井六段の一手が
その読みを外すほどの意外手であれば
その道の天才たちは・・驚天動地で慌てふためくわけだ

じっと静かに盤面を見つめる藤井六段
しきりと頭や体をゆすって活路を探す相手方
そこに見える勝負の綾は・・実にドラマチックだ
暫らくして・・三枚堂六段は
意を決し軽く会釈して負けを告げた


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もう一つのエピソード
将棋には・・それぞれに持ち時間が与えられる
棋戦によって異なるが
例えば・・持ち時間6時間とすると
この時間内は・・自由に時間を使える
一手に5時間かけても構わないのだ
そして・・この時間を使い切ると
幾つかの方法に分かれるが
その一つは・・次からは1分以内で差せに変る
秒読みは・・その1分をカウントする声である

この持ち時間・・自分のための時間ではあるが
同時に相手側の時間にもなる
自分の時間を1時間かけて考えてると
相手は・・その1時間自分の時計を使わずに
考えることができるわけだ

互いに1分将棋になって
1分で手を決めねばならぬ時
相手の1分を使えるか使えないか
それは大きな駆け引きでもあり
だから相手が差したら・・即座に自分が差す
それも作戦になるのだ

差し迫った局面での1分と2分
その差は大きい
藤井六段の将棋では・・こうした終盤を
ノータイムで差すことがしばしばある

自分にもリスクはあるが
相手に時間を与えないことで
ミスを誘う緊張が生まれるからだ

年配の棋士ならともかく
15歳の新人にそこまでの余裕があることを
俄かには信じられない思いで見る
それができるのも・・読みが深くて
詰めろがみえているからともいえよう
ともかく規格外れの天才が現れた
日に日にその思いが強まるが

天才棋士たちの将棋倒しを見てみたい
160人にどやされても
それが楽しみになってきた

勝って深々と一礼する藤井六段
天才だが変人でははない
健全な常識を持った大天才
もしかしたら・・これも珍しいことだ
そう思えてならないのである





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by touseigama696 | 2018-03-17 05:52 | ●エッセイ | Comments(2)