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桃青窯696

touseigama.exblog.jp

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

カテゴリ:●俳句( 19 )

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私の窯は「桃青窯」と言う
この名を揮毫してくれたのは今は亡き親父
最晩年に私の頼みに応えて筆をとり
半日掛かりで数枚を書きあげ自分でこれを選んだ

桃青(とうせい)は
芭蕉が若い頃に使った俳号である


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親父同様すでに異郷のひとになったが
私の母親は俳句が好きで
句会に入ったりして楽しんでいた
芭蕉句を好み座右に置いてあったのがこの本

そんな縁からのことだろうが
私の祖母に本業とは別に茶舗を任せる際に
その店の屋号を「桃青園」としたのは
所縁を形にしたかったに違いない
私が未だ子供だった頃のことである

その桃青園も祖母が逝って閉じた
長いこと敷地内に空き店になっていたから
私が陶芸に転じて工房を作ろうとした時
ここを使うことにして「桃青窯」と名づけた

芭蕉さんには厚かましいが
言葉の字面も響きも好きで
俳聖には感謝しながら使っている

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この本は独特な構成で書かれている
目次もなくいきなり・・筆者の中山義秀氏は
深川の草庵に移って三年目の芭蕉に寄添い
そこから淡々と芭蕉の人なりと俳句を語り
芭蕉句にとどまらず一門の作句も引き合いで
長い旅の道中を書き綴っている
まだ通読していないが
今度は私が座右に置き是非にもと思う


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亡母が残した俳句 幾つかご披露しよう

 *まほろばの大和の晝の月と虫
  *咲き切って既に牡丹の空ろなる
        *時計草針あるごとく咲いてをり      
    *夏深し輕くなりたる洗ひ髪    
 *春雨や細身の傘をえらびけり


陶芸は俳句に学ぶことが沢山ある
「省略の極致」 
その最たるものがこれ
どんな小皿でも
その作りや加飾に無用は不要
言えても出来ぬ日々に悩まされるのだ


このブログでは「俳句」のカテゴリーで
拙句を幾つか記載しているが
ここにもちょっぴりご紹介を


*足指の先より秋の深まれり
 *野分待つ葉に力あり雨の打つ
 *落葉を串ざしにして光り落つ
*深々と息をしてみる寒の雨
  *秋風や振り向く少女の大人びて





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by touseigama696 | 2018-11-14 09:13 | ●俳句 | Comments(4)
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去ぬつばめ喪中はがきの名ぞ哀し 哲郎
いぬつばめもちゅうはがきのなぞかなし

数年前の転居の折り
毎年巣を作っていた燕とも別れた
春に夫婦で飛来し・・秋に子連れで帰る
夏の間・・餌をねだる泣き声が賑やかで
だから
空になった巣は・・無性に寂しかった

年々 今の季節このはがきが増える
友人の近親が多いが・・本人の知らせもある

帰ってゆく燕たちが
ひとりひとりを翼に乗せてゆくのだろうか
長年の住所録から名を削る晩秋
感慨深いものがある



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by touseigama696 | 2017-11-30 09:53 | ●俳句 | Comments(0)
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野良猫の背を押しやりて秋日落つ 哲郎
のらねこのせをおしやりてあきひおつ

夕食前にいつもの4㌔歩行に出た
歩き始めたとき・・まだ僅かに明るかった
途中で猫が・・私の前を横切って走り去った
背中が・・微かに黄金色に光った
同じ道を折り返した頃・・最早つるべは落ちていた

残照に背を押された猫は・・何処へ帰ったろう
餌にありついて・・ねぐらに戻ったろうか

夏らしい夏ではなかったが
秋らしい秋は来るのかな


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by touseigama696 | 2017-09-24 10:21 | ●俳句 | Comments(0)
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  独りして一碗の茶や夏白し  哲郎
ひとりしていちわんのちゃやなつしろし


久しぶりに夏らしい夏日だった昨日
仕事前に独りで茶を点てた
曇りない白い朝・・自作の白の夏茶碗
気持ちの良い朝だった


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糸抜き麦藁手白茶碗  哲郎作


過日の個展で
黑茶碗の引き立て役を務めた白茶碗
抜けるように晴れ上がった真っ白な夏に
その光りを集めて輝いていた


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糸抜き線紋黑茶碗  哲郎作
                     柿傳展DMより




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by touseigama696 | 2017-09-04 08:25 | ●俳句 | Comments(2)
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 柿の実をひとつつまんで墓詣で 哲郎
かきのみをひとつつまんではかもうで


我が家の墓所は・・車で10分足らず
旧宅時代より更に近くなった

かつて亡父母が存命の頃
彼岸になれば・・二人で参っていた墓だが
今は・・私と妻の番

車の運転のできなかった母親と違い
自分で気軽に出歩く妻は
必ずしも私の同伴が要るわけじゃない
近頃は・・普段の朝一などで
独り墓掃除に出かけたりしてる

それでも気が引けるから・・彼岸の折には
「一緒に行く?」・・でついて行く
大抵は・・
帰路にファストフードで定番の朝飯を食う

柿の実をひとつつまんで墓詣で
普段着のままで
実に日常のひとこまになってしまった

参る我々と・・中で参られる親族たちの
歳の差が・・ここではどんどん詰まってゆく




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by touseigama696 | 2017-08-31 10:33 | ●俳句 | Comments(0)
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梅雨寒や老猫褥をさがしおり 哲郎
つゆざむやろうびょうしとねをさがしおり


かつて我が家で生き我が家で死んだ愛猫・・バナナ
しっぽがバナナみたいだったから・・バナナ
柴の桃次郎は・・バナナの後だった

古い句帳に書き込んであった・・この俳句
いつ作ったんだろ?
陽だまりを探してぬっくりしていたバナナの晩年?
もしかしたら・・その辺まで遡る

化粧筆のように柔らかだったバナナの毛並み
まるでデッキブラシみたいに手強かった桃次郎
どちらも・・まだ手に残って懐かしい

最近プレバトでの俳句バトルが面白い
ただ面白いだけでなく
きっと視聴者に俳句の良さが伝わって
大きな啓蒙にもなっているに違いない
お笑いの軽妙に・・俳句の洒脱
見事な企画・・テレビの真骨頂
俳句ファンが増えるのは・・良いことだ

古い句帳を引っぱり出してきたのも
久しぶりにアップしたのも
ちょっぴり刺激されたからに違いない
勉強してみたい思いもあるが
二足の草鞋は・・ヤッパリ無理だろうな

それにしても
お笑いの芸人さんたち・・たいしたもんだ
アホではお笑いはできない・・そう証明してる



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by touseigama696 | 2017-08-27 23:51 | ●俳句 | Comments(2)
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轆轤挽く指滑らかに春隣り 哲郎
ろくろひくゆびすべらかにはるとなり


春の訪れは・・
ひとそれぞれの兆しがあるもんだ
何に春を思うか
俳句は・・
そうした感性を気づかせてくれる

私の場合
陶芸に転じて以来・・20年
それはいつでも手指だった

木枯らしの晩秋の頃に
ある朝指が割れ・・痛い冬になる
あかぎれ
土に触れれば避けようのない宿敵
ボタンをかけるのさえ痛い日々が続くのだ

筋肉の痛みなら・・続ければ治る
だが
あかぎれは・・ひどくなるばかりだ

そして・・ある朝
それこそ魔法の手にかかったように
傷口が閉じ・・痛みが消える
大抵は・・3月の声を聞く頃である

今年は・・いつもより少し早かった
むきになって仕事しなかったせいもあるが
暖冬のせいが多かろう

轆轤を挽けば・・指は滑らかだ
痛くない指は
痛みを避ける必要もなく
軽やかに自在に動く
大したことじゃないが
それが嬉しくて・・春隣りを感じるのだ



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by touseigama696 | 2016-03-01 05:21 | ●俳句 | Comments(2)
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行きずりに曲がりし角の秋桜 哲郎
ゆきずりにまがりしかどのあきざくら

いつの間にか・・コスモスの季節
矢切の家の時代・・ちょっと歩けば江戸川の河川敷で
コスモスは・・乱舞する蝶のようだった

風のながれのままに泳ぐコスモスを
大きなカメラで追いかけたのを・・思い出す
可憐だがたおやかで強い花だ
カメラの注文に・・滅多に応えてはくれなかった

まだ幼犬で隙あらば飛び跳ねていた・・
我が家の愛犬桃次郎のリードに手を通し
それでいて望遠レンズでコスモスを・・至難だった
すっかり老犬になった今の桃次郎なら・・
じっと座って待ってるかもしれない

窓を開けると・・嘘のように涼風の吹き抜ける昨日の工房
きっともうコスモスが・・と思いながら
茶碗に色づけした・・おとなしいコスモスのようだ



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by touseigama696 | 2014-09-02 04:49 | ●俳句 | Comments(2)
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別れしな足呼びとめし蕗のとう  哲郎
わかれしなあしよびとめしふきのとう

朝 妻が・・みんなで食べて!
蕗のとうを天ぷらにしてくれてた

この工房での最後の稽古を終えた・・昼どき
普段になく丁寧にしばしの別れを挨拶する〇木さんに
「そだ忘れるとこだった・・蕗のとうの天ぷら食べてお帰りよ!」

すっと踵を返して・・テーブルに戻った彼女を
呼びもどしたのは春の使い・・蕗のとう
しばらくして・・にこやかな彼女と
改めて・・別れを告げた

春らんまんのころ・・新しい工房で再会が待ってる




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by touseigama696 | 2014-03-13 23:27 | ●俳句 | Comments(2)
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春愁や墓石の奥津城らしき色  哲郎
しゅんしゅうやぼせきのおくつきらしきいろ

くぐもった弱い陽ざしの中で・・ものみな淡い陰に包まれ
墓石は・・幽界の憂いを含むかのように・・
それらしい沈んだ色合いで佇む
奥津城・・古い言葉だ

春はそこまで・・でも未だ姿は見えない
今日で三年・・東北の春もまだ遠い


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by touseigama696 | 2014-03-11 22:08 | ●俳句 | Comments(0)