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カテゴリ:●愛しきものよ・・( 60 )

道具あってこそ

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針供養のことは知っているが 鋏供養は聞いたことがない

(念のためネットで調べたら8月3日がハサミの日で
供養したりもするらしいと判りました)p.s.

でも私の場合 ハサミがかけがえのない相棒である
ついでに相方がピンセット
使い慣れたものを大事にしてきた



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陶芸で
ハサミとピンセットを使う加飾法はどれほどあるんだろ?
寡聞にして正確には承知していないが
多くはないにちがいない

糸抜きという技法に出会って
私には離れがたい相棒になったハサミ
だから長いこと代替わりで使ったものを
捨てたりはしなかった



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色々なタイプのハサミを使って試したから
初期の頃はこんなものだった
多分爪とか化粧で使うもののようだ


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途中でこのハサミを見つけて以来
こればかりを使って定番の道具になった
ハサミの大きさ 指穴の加減 刃先の反り
これが一番気に入っている 


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ピンセットも色々試した
0.5㍉の糸を刃先で挟むには角度の問題もあって
苦労はしたが今はこれにも定番ができた


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結局最終的に落ち着いたのはこのセット
目下愛用してる相棒がこの組み合わせである
八代目くらいになるようだ
ご贔屓のホームセンターで買うが
この先も継続して販売しててもらわないと
多少そんな不安も感じて
次回は少しまとめて買っておこうかと思い始めている
同じ道具を長く売る
工芸の世界では大事なコンセプトだが
必ずしもそう伝承されてるわけでもないから
自分で備えるしかないこともあるのだ


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貼ってはつまみ つまんでは切る
日がな繰り返して糸貼りに明け暮れする歳月
相棒としか言いようのない愛着を感じつつ
今日もまたこれからお前の傍に行くことにしよう



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これもハサミとピンセットでしたこと
面倒ではあるが達成感もあるよ



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by touseigama696 | 2019-09-20 09:14 | ●愛しきものよ・・ | Comments(0)

三組のお食い初め



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兄弟3人の孫たちは
飛来すれば 最初のひとりのときから
同じようなことをして遊んでやったのですが
一人増えるごとにそれぞれが自分の立場を作ってゆきます
教えたことばかりではなさそうで
たった10年足らずの歳月でも幼子は
増えた兄弟とどんな秩序を作ればいいのか
結構学習してるらしいことを見つけて
感心もするが何より嬉しくもなります


朝食後暑くならないうちに公園にでかけました
長男は勝手知ったる遊具で
さっそくブランコを選び
自分で座ってみたりして安全を確かめてくれるみたいです
大丈夫そうとなると
次男が介添えをしながら遊ばせます

たったこれだけでも
三人の安全を考える長男と
末っ子の面倒をみようとする次男の役割が見えてきます
しかし兄ふたりに守られて好き放題な三男ですが
することも喋ることも兄二人のオウム返し
大好きな兄たちにならって
仕種も言葉も覚えてゆくのでしょう

長男一人のときになかった子どもなりの秩序
いつどこで長男は覚えたのだろうかと感心します
同時に 上と下の狭間に立って
間を取り持つかのごとく調整する次男
ひょうきんでいながら実に賢い優しさ
みていてほっとします
上にも下にも思いやる仕種が彼の優しさになっています



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「三人とも爺じの工房においで!」
夕食前の時間を使って粘土遊びをさせました

三男のしてることは兄たちの真似です
粘土を豆粒のように千切って
ただひたすら重ねたり広げたり本人は本気です
1時間ほどの間飽きずに繰り返していましたが
兄たちを真似ることが成長と知ってるかのようです


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次男は見本にもってきた怪獣を作るのかと思ったら
兄が亀から怪獣に変更したのを見て
亀を何個も作ることに決めたようです



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5歳と2歳の弟の中での8歳は
やはり大人びていて
頼りになることの多い存在

妻に言わせると
「この子は自分の家の中のことは何でも知っていて
困ったら聞くことにしてるの
あれはあそこにしまってあるよ
そんなことしょっちゅうだもの」


「でもね やれば出来るのが分かってるのに
ぐずぐずして中々始めないのは悪い癖
宿題・・やったぁ?」
叔母である娘のセリフがこれ

そう云えば
この子たちの父親つまり息子のことだが
遥か遠い昔 同じような子どもだったころ
宿題済んだかぁ?といえば
「べんきょうならねぇちゃにまかせてるから・・」
これもDNAなんだろうか


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長男と次男の作品
三男の本気は作品にはならなかったが
来年はきっと強い自己主張が
自由に話せるようになる言葉とともに
やってくるのでしょう

三人で三人らしい絆を作り
終生仲良く過ごしてほしいものです

大事なことは今持っている
お互いをかばう絆を更にしっかり作り
そして
作るだけでなく終生それを守ることです
兄弟のいない爺じのたっての願いでもあります

........................................................

それぞれの誕生の折りに
三人のために作った爺のプレゼント
それがお食い初め一式でした

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長男のため
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次男のため
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三男のため

懐かしい思い出です



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by touseigama696 | 2019-08-12 09:46 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)

「孫たち」飛来す

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今年も恒例の夏休みがやってきた
しかし
いつもとは少し様子が違う

我が家の長男夫婦は10数年前に結婚したが
互いに連れ子がいた
息子の連れ子が右のチャ
左のタロが嫁の連れ子である

最初こそ互いに警戒していたが
やがて無二の親友 兄弟になっていった

タロと嫁のなれ初めは聞きそびれたが
チャと息子の出会いはこうだった

野良だったチャは当てのない日々の夕方
息子の車の傍で出会ったらしい
ひとなつっこく近づいてきたのが縁だった
翌日から毎日夕方になると車の傍で待っていたとか

実家暮らしの頃にも猫のいる生活だったから
息子も独り暮らしの慰めに手を差し伸べ
同居することにしたという
爾来実家に帰省するときも有料でカーゴに入れ
飛行機で連れて帰って来ていた

タロと同居するようになって
カーゴ輸送することもなくなった
自動餌箱を抱え ふたりでおとなしく
留守番するようになったからだ


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今年もそうする筈だったが事件が起きた
タロが老衰でかなり弱って目を離せなくなったというのだ
20歳も過ぎた長命 無理もない老猫である

「私が残って面倒見ます」嫁から連絡があって
例年の仕事の都合で迎えに来ながらの数日滞在を
期間を短くして
息子が送り迎え全泊滞在に振り替えて昨日
4人で飛来してきたのだった


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この日のために
親子お揃いで買ったというシャツで
男三人 元気な孫たちがやってきた
8歳5歳2歳
あどけなさを残しながらも
しっかりと育ってきた三人である

ここから10年
18歳15歳12歳にでもなれば
もう夏休みも自分のためのものになるんだろう
もし10年無事に生きながらえば87歳
見られるか見られないか微妙な年齢のような気がする

急いで帰省してきた娘と妻で
合宿みたいな食堂に様変わりした
食器の数にびっくりしながらの朝だった




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by touseigama696 | 2019-08-10 08:36 | ●愛しきものよ・・ | Comments(2)
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2016年の秋の夜更けに
我が家の「桃次郎」は静かに旅だった
後になって判ったのだが
その一か月ほど前に「そら」も逝ってしまっていた
「きっとふたりは一緒だからせめてそれが慰め」
そらクンのお母さんはそう言った
我々夫婦も同じ思いだ

左がコーギーのそらクンで右が柴の桃次郎
ふたりは無二の親友だった
男の子同士だったが会えば舐めるようにハグして離れなかった
そんなわけで
両家の家族たちも自然に親しくなっていった

おつきあいが始まったころ
朝の散歩に出てそらクンの家の前を通ると
ふたりのラブコールと一緒に玄関から出てきたのが
そら家のお嬢さんで遥さんという少女だった


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ロクロを挽いているのがその遥さんである
当時小学校の4年生10歳だったはずだ
躊躇うこともなくパジャマのまま飛び出してきて
そら&桃次郎の取っ組み合いを一緒に眺めたものだった
実にあどけなく可愛い少女で
「寂しいからおヨメさんにいっちゃダメだよ!」って
からかっていたのだが
いつの間にかお嫁にいってしまっていた
隣りで眺めているのが新婚のムコ殿
手前が遥さんのお母さんである

そもそもこのお母さんが
私の娘と一歳ちがいくらいでしかないので
遥さんは孫みたいなものである

実際の孫たちはまだ幼いのでそんな気がしないのだが
年齢でいえば遥さんほどの孫がいてもおかしくないわけで
やはり歳をとってしまったことを実感するのである

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高校時代のクラスメイトだった彼は
しょっちゅう遥さんの家にきていた
それを嬉しそうに話すお母さんの様子は
若いふたりを心から信じる優しさで
この家の温かさが判っていた
だからゆっくりとふたりで愛を育て
保育士の免許を取り そして晴れて結婚したのだった

今日はかねてからの約束で
結婚のお祝いに陶芸体験をプレゼントすることにしてあった
本当は遥さんのお父さんも来るはずだったが
仕事が入ってしまって3人だったが
結構楽しんで遊べたみたいだった

聞いたら隣駅の駅前に住んでおいでのようだ
「なんだそれならいつでも遊びにおいで!」
「ただしひとつだけお願いがあるんだ!」
「それはね・・」
書くと長くなるから また次に!!」

10歳の可愛らしい少女は
23歳の美しい新妻に変貌していたところまでで
今夜はシツレイ!



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糸抜き線紋酒器 自作



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by touseigama696 | 2019-04-29 21:27 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)

桃次郎の忘れがたみ


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「疑いのない平和」「豊かな希望」
「心からの幸福」「穏やかな時間」

肌よせあって眠ってるだけなのに
伝わってくるものが沢山ある


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Shuちゃんちのマロンとの間に
我が家の亡き桃次郎が 父として
この世に残した4匹のこどもたち
今でもこれを見ると無性に癒されるのです

人間にも こんな時間が作れればいいのに・・




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by touseigama696 | 2019-04-07 05:53 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)

存在感

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抹茶碗  旧作

桜の開花 春爛漫をイメージした茶碗
N子もこんな雰囲気だったかな
一年中満開だったから


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病院事務長時代に一緒に仕事した職員から
「昔の仲間が集って食事したいので
事務長も来てくれませんか?」と誘われた
たまにはいいかと出かけた時の話である

いつ頃の話かと言われれば覚えているけど
ここではボカシておこう その夜N子も出席してたから
「これワタシのことじゃん! ヤ~ダ事務長ったら
ホントのこと書いちゃって」 そう威張られないためだ
ついでに名前もN子としたのは
なんてことないのろ子のNのつもり

病院が創業して間もないころだったから
事務方に優秀な職員が欲しいのは言うまでもなく
採用人事も所管の事務長としては
増員の度にその資質を見逃さないよう気をつけていた

そんな最中に私の面接をかいくぐって入社したのがN子だった
正確に言えばかいくぐったではなく
期待されてという方が当たっている
但し期待の意味が少し違っていた

賢明 迅速 機転
期待するものは幾つかあるが
彼女の場合ここが違っていた
学校から提出された成績表は殆ど無視しても
この三つの資質にはちょっとだけ距離があった

それでも採用だったのは
さる方の紹介で応募してきたN子だけに
縁故の贔屓目と言われそうだったが
そこは断固として違っていて
私が「採用!」に決めた根拠は
正に彼女がもつ天賦の才「のろ子」だった

これは採用人事専門用語(?)資質編でいえば
「天真爛漫」に該当する
それも突出した天真が爛漫を謳歌してた
平たく言えば「ノーテンキ」のこと
どんなときにも決して慌てたりしないが
 だからといって冷静だというわけではない
微妙な座りの良さ そこが天賦の才だった

私の持論は
優秀な資質を見逃さずに採用するのは
そんなに難しいことではないが
10人の賢明・迅速・機転のなかに1人の天真爛漫
それも突出したのろ子を探すのは
決して容易ではない

賢迅機よりも天爛のほうが遥かに少ないからで
とりわけ私が必要とする純正の天真爛漫は
どんな悪天候も好天気に変えるノーテンキのことだから
滅多にいないものだと思ってきた

さて
N 子が入社してどうなったか?
創業期の混乱はやはり防ぎようもなく押しかけ
日々に様々な問題を突きつけられた
それを技術的に解決したのは賢迅機たちだったが
彼女らに難儀に立ち向かう勇気を呼び起こしたのは
大抵の場合天爛のN子だった

賢迅機が頭を抱えていると天爛ののどやかな声が響く
「やろうよ! ドジなわたしには無理でも
キミらならできるからさ!」
賢迅機が理屈を主張してる傍でN子は心情を説いた
同じことを事務長の私が言っても気力にはなるまい
N子のひょうきんがどれほどに冷え冷えとした不穏な空気を温め
緊迫を爆笑で吹き飛ばす効果を見せつけたか
それがN子に期待したN子の存在感だった

そのN子
採用した私が退職してからでも20年
今も現役で仕事してる 在籍は30年に近いはず
それでもN子は昔のままのN子に違いない
みんなの為に必要なかけがえのない資質は
きっと今なお健在なのだと信じている

「存在感」
これは優劣で決まるものではない




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by touseigama696 | 2019-02-25 07:47 | ●愛しきものよ・・ | Comments(2)

在りし日の・・あいつ

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在りし日の・・「あいつ」です
我が家にやって来た時に持参した血統書には
確か柴桜号とあったような・・そして
我が家で命名された名前は・・桃次郎
長男の息子に敬意を払って・・次郎にしたのです

でもね
フルネームにすると・・柴桜桃次郎
まるで親分さんみたいです


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2016年10月29日
この日の朝・・最後に撮った写真がこれで
私に体を預け・・妻が撮ったもの
力はなかったけれど・・体の温みは今も覚えています

そしてこの日の夜中・・妻のベッドの脇の毛布の上で
おしっこの始末をしていた僅かな時間に
そっと独りで逝きました

17年を我が家で過ごした彼のために
今でも・・リビングのテーブルの脇に
居場所があって・・そこでいつも家族と一緒
私が作った骨壺・・ここが彼の終の棲家になりました


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我が家に現れたときの彼が・・この写真
柴犬というより・・まめ狸でした

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先日・・教室で最後の稽古日に
生徒さんの〇谷さんが
「このお人形・・桃次郎みたいだから記念に」
とプレゼントしてくれました

色白な桃次郎・・ほんとこんな雰囲気でしたから
17年が蘇ってくる思いで・・彼の席を作りました

あの朝から丁度2年・・朝食の折りに
手が滑って食べ物を床に落としたりすると
思わず・・「ほら桃次郎!ウィンナやるぞ!」
あの頃を思い出しています

我が家のペット歴は・・桃次郎で最後です
今度は・・見送るのがどっちだか?
面倒を見ることはできても
面倒見てもらえるか・・判らんもんなぁ!





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by touseigama696 | 2018-11-01 07:38 | ●愛しきものよ・・ | Comments(2)
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昭和20年前後の10年ほど
私の父方の祖父母は・・叔父と同居して
戦争からの疎開とそれに続く混乱の時期を
茨城県のさる気象観測所の官舎で過ごしていた
叔父は・・その観測所の所員だった

物心ついた3歳くらいから10年
毎年春休みだの夏休みには
私は・・祖父母を訪ねて
広々とした観測所の敷地の中で
同じ所員の子どもたちと
泥まみれで遊んだものだった

観測所の正面入り口には
左右二基の石でできた地球儀が立っていて
観測所のシンボルになっている
近年訪れる機会が減ったが
この地球儀今もあって・・昔のままの筈である

訪ねれば・・まだヨチヨチ歩きだった幼い私は
決まって向かって左の地球儀の傍らに
佇む祖母の胸に飛び込むのが常だった

私はこの祖母にひたすらに愛された
仕事で多忙だった母親よりも・・居れば
もっと長い時間を祖母と過ごしたような気がする
今思えば・・最も祖母らしい祖母
下町育ちの母方の祖母の厳しさはなく
ひたすらに優しく穏やかな祖母だった

昨日・・古い写真を整理していて
懐かしい写真がでてきた
その祖父母のものである


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観測所の敷地内で撮ったもの
裏に叔父の添え書きがあって
父77歳 母70歳とある
いかにも長年連れ添った老夫婦の
自然な佇まいが穏やかな写真である

じっと眺めていて感慨深いものがある
このころの祖父母の感触は
声も温もりも・・耳や手に残っているが

祖父77歳は・・ほぼ私の今の歳
祖母70歳は・・私よりも若いことになる
私の妻は同い歳だから・・同じく祖母よりも上だ

今思い出しても
とうに現役からはリタイアして
文字通りの隠居生活
長男だった私の父が中心で
兄弟姉妹5人が奪い合いで面倒を見ていた
従兄たちもみんな・・この祖父母が好きだったのだ

やはり時代は変わったのだとしみじみ思う
このころの祖父母よりも
多分我々夫婦のほうが自分で出来ることは多い
体も動くし・・行動範囲も広い
そしてその分・・年寄りらしい穏やかさに
もしかしたら欠けるかもしれない


私が高校生のときに先立った祖父
我われ夫婦があと三日で結婚という間際に
待ちきれなくて亡くなった祖母
どちらも半世紀以上昔のことである

あの地球儀の脇に立って待つ祖母を
ひたすらに懐かしく思い出す
とうとう追いついてしまった歳
これも典型的な老人の懐古だろうか
だがそれでもいい・・と思っている





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by touseigama696 | 2018-05-08 09:18 | ●愛しきものよ・・ | Comments(3)
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三個のジャガイモだったり
三匹の豆狸だったり
その都度・・言いようは違っても
日に日に育ってゆく
我が家の宝物に変わりはない

「暮れ」が「新年」を背負って
賑やかに飛んできた・・27日のことだ

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去年はこの二人で・・三人目はお腹の中だった


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今年は
三男もママのお腹を飛び出して・・飛んできた

男子三人・・育ちざかりになったら
さぞかし地響きでもするに違いない


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長男陸翔(りくと)6歳
来春は・・黒いランドセル背負って
小学校入学・・ついこの間
お食い初め一式作ったような気がするが
今では・・しっかり弟二人の面倒もみる
頼もしくなったものである

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次男登太(とうた)3歳
いずれ兄と弟に挟まれて
微妙な調整が要りそうな立場だが
とてもひょうきんで
中々賢そうな発信力を秘めている

三男にママをとられても
じっと耐えてるらしき風情も
実に健気なのである


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三男哲平(てっぺい)0歳
我が家に初お目見えで
ここも自分ん家って分かるまでに・・二日かかったが
どうやら昨晩あたりから・・自信をもったらしく
兄二人より強権で・・我が意のままをねらっている

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6-3-0だから・・こんなに可愛らし気だが
18-15-12になった・・どうなる?
ちと心配してみたが
分かったことは・・多分
簡単には三人で寄ってくることはあるまい・・だ

そこまで生きてられるかどうか
でも・・かけがえのない宝物
仮に・・少々お勉強に不足があっても
元気に逞しく育ってほしい
そう願うばかりなのである

今夜・・彼らの叔母が帰省し
明日には・・彼らの父親も飛来する
賑やかな元旦は・・すぐそばだ

僅か数年の差で
ひ孫を見ることなく異郷に去った・・亡父亡母
もし存命だったら
「おい!・・誰か医者にならねぇか?」
お年玉チラつかせながら
かき口説いているかもしれないな・・




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by touseigama696 | 2017-12-30 11:01 | ●愛しきものよ・・ | Comments(10)

在りし日の「桃次郎」

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壁に掛けたこの遺影を撮ったのは
去年の今日の・・午前中だった
陽ざしの暖かい朝だったように思う

そして・・同じ日
これを書いている今から数時間後
妻の部屋で寝ていた桃次郎は
妻が僅かに目を離した隙に
黙って独りで旅立った
それが・・柴犬の矜持だったろうか

今はこうして
私の作った骨壺の中で
妻の背中越しに座っている
家族の様子が一番よく見える場所なのだ

「モモジロウ!・・ハム食べるかぁ?」
ときどき・・こちらも声をかけるが
答えてはくれない
でも・・生前と一緒できっと通じてる


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娘に抱かれ・・娘の贈りものとして
我が家にやってきた桃次郎
まるで豆狸だった


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やがて成犬ともなれば
正統な血統が物をいうのか
凛々しい柴になった

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朝晩の散歩が一番の日課
私と妻の交代で連れ歩いたが
散歩させているのは・・我々なのか桃次郎なのか
いつもこちらが引っ張られていた

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彼は・・17年の生涯を
室内と二階のベランダで過した
庭はあったが建物の陰で暗かったから
日当たりの良いベランダが・・彼の庭だった
朝になると・・このガラス戸からベランダに出た

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豆狸のころからの愛用のかごが
彼のお気に入り・・狭いだろうに
大きなお世話とばかりだ

このベランダに扉はなく
外階段から逃げることもできたが
まるでエアードアーがあるみたいに
決して階段を下りることはなかった
どうしてそう決めたのか・・今でも判らないが
逃げる必要もない・・安穏な生活
もしそうだったのなら・・そりゃ嬉しいというもんだ


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無駄吠えもせず・・あちこち疵だらけにするでなく
性格の優しい柴だったから
近所の子どもたちにもされるがままに
撫でられていて・・人気者だった


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我々と一緒に転居して3年
ここは彼にも隠居所だった
階段も床も敷物が敷かれ
滑っても転んでも安全を図り
居間から玄関は・・エレベーター
お犬様の晩年・・枕つきで寝ていた

17年という歳月は
我が子でも青年に育つ時間
桃次郎も・・大事な我が家の家族だった
一年たっても・・喪失感に変わりはない

在りし日の彼を思い出しながら
夜は更けてゆく



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by touseigama696 | 2017-10-29 00:11 | ●愛しきものよ・・ | Comments(4)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696