ブログトップ

桃青窯696

touseigama.exblog.jp

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

カテゴリ:●工房便り( 829 )

d0085887_06473547.jpg


転居して4年・・旧居時代もそうでしたが
ここでも
前に川なく・・背に山もなし
幸いにもこの夏の台風災害を免れて
唯々暑い日々をしのぐだけで済んでいます
何処に住むか・・運命的なものでもあって
運不運が分かれますが
この地球を壊してきたのは・・やはり人間
身に振り掛からねば無関心で済む問題ではありません

昨日のニュースで
アメリカ大統領が・・米国での二酸化炭素の排出に
極めて時代に逆行する決断をしたとあり
アメリカ地に落つ・・深い失望を感じました

天気に不安のある日には
「用事がなけりゃ・・でかけるな!」
最近の自戒です・・そしてもっと老いたら
「用事があっても・・でかけるな!」
にするつもりです

昨日も
一日中台風の行方で右往左往するテレビを聞きながら
糸貼りに明け暮れて・・終りました
エアコンの利いた工房で
同じ糸を同じように繰り返して貼る
静かで穏やかな時間でした

この水指一個に
伸ばせば30㌢ほどの一本一本の糸を
都合300回ほど繰り返して・・こうなります
それを二つか三つやれば・・一日は終わります
汗はかきませんでしたが・・肩は凝りました

こうした作業を10数年続けてきたのですが
それでも・・糸を貼る段取りに
今でもまだ新しい発見があって
「こうすりゃ・・もっときれいに貼れるじゃん!」に
ちょっとした感動があるもんです

慣れた作業ですから・・貼りだせば
手が勝手に進めてくれますが
それでもまだ・・もっと好い方法はないだろか
考え続けていれば・・新しい発見が
新鮮な気分を蘇らせてくれるようです

ここで使ってる青い糸テープ
黑素地に黑糸だと模様が紛れて見難いかと
工夫のつもりで変えてみたのですが
これは大失敗

黒糸の強さがなくて・・弱々しく見えてしまいます
在庫がなくなったら・・黑に戻すことにしました
ささやかなことに一喜一憂しながら
穏やかな秋が来てほしいと願うばかりです




応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-08-23 08:17 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_19564664.jpg

9月には日本橋三越での
陶葉会展に出品する予定があって
ひとり五点ほどの作品が必要です
そのための制作もそろそろ終盤
これも・・そのひとつ水指です

必要なマスキングを済ませ
あたり線を入れたところ

d0085887_19565540.jpg

そこに糸を貼れば・・こうなります
いつもの作業です

d0085887_19570692.jpg

更に・・茄子紺の顔料を筆で塗って
仕上げに軽くスプレーして終わります

d0085887_19571435.jpg

この写真は
今までに撮ったことのない一枚です
というのは・・
糸を剥がす細かい作業を・・左手でやっているからです
右肩腱板断裂の痛みを避けるための苦肉の策です

元々の古傷の断裂ですが
それでも騙しだまし使いながら
とかげの尻尾ができるのを待って
やっと痛みが遠のいて10年ほどした
4年前の転居の折り・・転倒して肩を強打し
折角のとかげの尻尾まで切ってしまったのでした

手術すればつなげられても
数年はロクロがまわせないかもしれず
このまま更に騙しだましでゆけば・・仕事はできても
いずれ加齢による苦痛は避けられないでしょう

結局かつて在籍した整形外科病院の副院長の
助言は・・年齢的にオペ回避がましかもでした
その通りにして・・今まではどうにかこられたが
予告どおり・・年々苦痛は厳しくなってきたのです

力仕事ができないではなく
右腕を体から離して固定することが苦痛
貼るも剥がすも‥塗るも
どれもがかなりきつく痛みとだるさを伴うのです

そんな日々が続いていますが
今日・・ふと左手で出来ないかな?
と思いついて・・試したら
細い糸をピンセットの先でつまみ
真上にひきあげるのも何とかなるではありませんか
今までにも・・自然に左手に依存する傾向があって
気がついてみれば・・いつの間にか
かなり独立して使えるようになっていたようです

僅かに福音ではありますが
それにしても選手寿命の限界は近づいています
一段と体力に見合ったやり方に工夫が必要なようです





応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-08-19 21:04 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_08001275.jpg

焼成の終わった窯から・・自分の作品を出すとき
この一瞬は結構大事な時間で
緊張と集中が必要だと思っています

うまくいったかいかなかったか
それは長い時間をかけて判断するというより
手に取った瞬間の印象によりますから
目と手を凝らす必要があるのです

その時点で・・自分なりの出来不出来を決めます
その判定が後々まで不変ならいいのですが
人間の感性に不変はなくて
時間と共に気に入ったはずのものが
そうでもないことに気づいたり・・その逆もあります

この大皿は・・窯出しの日に不出来と決めながら
判断に迷って・・暫らく置いてあったものですが
数日前・・出してみて印象が変わりました
もしかして・・?
この写真では・・黑の部分をやり直しています
これで焼いてみて良ければ
更にもう一度手を加えて窯に入れるかもしれません

最初に失敗と決めつけた理由とは
全く別の印象の作品に生まれ変われるか
そこは・・やはりやってみなけりゃ判りません
でも・・こうしたチャンスが生まれることもあるから
ついつい出来不出来に躊躇いをもったりするんでしょう

さりとて・・こうしたやり直しは
そうしばしばあることでもありません
窯だしの日に・・気持ちを集中して判断することが
やはり一番大事だと・・思っています

昨日までの千個を遥かに凌駕し
そして
明日からの千個に決してひけを取らない・・一個
ありそうでないのが・・これ

長い経験から・・陶工たちは
たった一個のそれを・・遺作と決めたに違いありません





応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-08-11 08:52 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_19334325.jpg

この数カ月・・打ち合わせを重ねた盆栽鉢
rinhaさんの指示に従ったサイズは
ぐい吞みの少し大きめ
定番の那須紺で染めています
d0085887_19343169.jpg

これは少し大きくて
深めの筒茶碗くらいかな

糸を貼らない部分を多くすると
茄子紺は深く沈みます
この雰囲気は好きです
d0085887_19345583.jpg

風船作りの丸壺の頭を切って
それを高台下に敷いて貼ったもの
煎茶茶碗ほどの大きさです

d0085887_19354801.jpg

これも筒茶碗様の大きさです
色々な貼り方ができますが
この麦藁手がすっきり・・一番無難みたいです

d0085887_19382833.jpg

同じことを・・黑泥を白で抜いたのがこれ
これも筒茶碗大
d0085887_19385547.jpg

これは煎茶くみ出し茶碗ほどの大きさ
糸の貼り方で揺るがせています

d0085887_19391496.jpg


少し大ぶりの黒素地を半分に仕分けたもの
区切りの曲線が
紋様に柔らかさをだしてくれるといいのですが


d0085887_19394407.jpg


黒に黑で紋様を作るとこんな感じ

全て盆栽鉢ばかりの窯でしたが
また打合せを重ねて
楽しいコラボができますように・・なのです





応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-08-07 20:03 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_13470280.jpg

昨日は・・酸化焼成で本焼きでした

d0085887_13474571.jpg

朝9時に火を入れて・・夜の10時まで
それでもいつもより2時間ほど短かったのは
多少窯が軽かったせいのようです

d0085887_13472958.jpg

朝火を入れる時・・少し迷いました
余りに気温が髙く・・高温焼成への不安を感じたからです
20数年・・数百回の窯を焚いていて
そんな不安を感じたのは・・初めてだったかも

窯焚きから火災になった事件は・・皆無ではありません
室温が上がり過ぎて・・窯場の壁面の
内部で自然発火してしまった事例も聞いたことがあります
可燃物の瓶の蓋が飛んで発火したりで
まさか・・がまさかで済まない危険をはらみます

今まで何事もなかった・・は
これからも何事もない・・の前提ではありえません
昨今の異常気象が引き起こしている・・自然災害
想定内のはずの過去が・・今や想定外の結果につながり
住む場所さえ失うことが珍しくない時代なのです

多分・・これからは
過去の経験から学ぶより・・知識や想像力で対処する
そんな必要に迫られているように思います


d0085887_13471864.jpg

窯場からなるべく熱を解放するように広くして
それでも多少不安な一晩でしたが
昼過ぎに温度盤をみましたら
1240度の最高温度は386度までに冷めて
それでも窯場は何事もなくで・・ほっとしたのでした
窯は・・寒い冬の方が安心して焚けるもんです



d0085887_13475399.jpg


窯場は‥今でも40度
作業室はエアコン装備ですが・・窯場にはありません
建築の折りに注文をつけ・・屋根と壁の間に隙間を作り
機密を避けて・・燃焼ガスや熱を解放するようになっていますから
エアコンはつけても勿体ないだけ

今日に限って窯場と作業室の間は開けてあるので
流石に・・仕事する気になりません

想定内が・・想定内のままで暮らせる日々は
年々遠のいてゆきますが
根本的なところで決定的な発想の転換が必要で
「奇想天外」・・案外これがキーワードかも

いずれ書いてみたいテーマでもあります






応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-08-03 14:38 | ●工房便り | Comments(2)
d0085887_20254085.jpg

一昨日
合わせ繋ぎ壺を作りましたが
合わせの部分の写真を撮らなかったので
今日は・・教室の生徒さんにお願いして
分解写真にしてみました

半分の力で二倍の大きさを
アマ陶芸家にも・・もしかしたら興味あるかもで
ご紹介しますね

一個は4㌔の土で
径は16㌢高さ18㌢の屹立ちを
少し厚目に二本挽いて
一晩乾かしたものがこれです
ここから始まります

やや厚く挽いたのは
つなぎ目を壊さないように・・しかし
全体をストレートなシルエットにしたいので
削りに余裕を持ちたかったからです

d0085887_20255824.jpg

下半分の屹立ちの口に
櫛目を入れます
接着のためのどべを塗る準備


d0085887_20261460.jpg

予め作っておいたどべ
柔らか過ぎても硬くても具合悪く
今日のは丁度良い粘性でした


d0085887_20263285.jpg

櫛目に塗ってゆきます

d0085887_20265504.jpg

その上にヒモを一本回します
上と下の屹立ちを・・隙間なく接着させるためです

d0085887_20271855.jpg

ヒモの上にも櫛目を入れてどべを塗ります

d0085887_20275607.jpg


もうひとつの屹立ちの口で合わせます
自重に更に均等な力で圧力を加え
二個の屹立ちを少し沈ませて接着します

d0085887_20281490.jpg


接着面に細いヒモを挟んで補強します
後で削るときに隙間が出ないよう
繋ぎ目がやや盛り上がるくらいが適当です

この状態では・・写真にないのですが
天辺と底は・・どちらも蓋されていて
上下の区別ができていません

そこで天辺に穴を開けて
壁の厚みと同じまで削ってしまいます
これはただ上下を決めるためだけでなく
今しか内側に手が入れられませんから
今のうちに内側の繋ぎ目に圧力を加えて
しっかりと接着させるチャンスなのです

一枚おいて下の写真が
天辺を切った直後になります



d0085887_20283526.jpg

ヘラで均して平らを確保します
スポンジなどでよく拭いて
繋ぎが目立たないように修正しておきます

d0085887_20291279.jpg

天辺に穴を開けて
内側からも補正をしようとしています
見えませんが・・繋ぎ目もヘラで潰しました


d0085887_20294284.jpg

削ってしまった天辺に
新しい蓋を作ることにしました
蓋なしもあり得て好みですから
お好きなように・・でもあります

d0085887_20295740.jpg

ロクロ盤の上で
16㌢の径より少し大きい円盤を作り
櫛目を入れて・・ここでもどべです

d0085887_20302180.jpg


器体の天地を返して
新しい蓋の上に据えます
勿論少し圧力を加えますが
気をつけないと歪んだり割れたりします

d0085887_20304854.jpg

十分に接着したら
余分な土を削り取って均します

その上で・・乾燥の状態をチェックしながら
全体を粗削りしてラインを出してゆきます
高台削りも忘れないように・・です


d0085887_20310965.jpg


今日は・・ここまで
乾燥が進んだら・・仕上げ削りと
口の調整をします

今のところ無事に進行しています
暑いから乾燥も早そうで
油断すると事故もあるから
丁寧に進める必要があります





応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-07-21 21:38 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_04240536.jpg

ロクロでの大物挽きは
やはりどこかで力勝負ってところもあって
幾ら慣れても‥段々にきつくなってきます
筋力は・・使っていてこそのもので
気力の衰退とともに・・やはり萎えてきます

そんなこともあって
二本を一本につなぎ・・合わせて一本
柔道じゃありませんが
合わせ技も必要になってきます

d0085887_04234987.jpg


同じ分量の土を使って
同じサイズの屹立ちを二本挽きます
とりわけ両方の口縁部の径は
同じにしておかないと
隙間ができてしまいます

d0085887_04234170.jpg

一日置いて・・昨日接続の作業をしたのですが
肝腎な繋ぎの作業を写真にするのを忘れました
改めてご紹介しますね

口と口でつなぎましたから
天辺はどちらをとっても底になります
そのまま穴を開けて口にしてもいいのですが
それだと
つなぎ目の内側に手が入れられません
そうせざるをえない場合はともかく
屹立ちなら・・いったん天辺を落として
内側もしっかり接続させてから
改めて蓋をすればいいことになります

d0085887_04241318.jpg

一枚目の写真の状態で
内側の接着線をヘラやなめしで補強したら
径を少し大きめにとった丸板にどべを塗り
器体の天地を裏返して乗せて貼り
余分の粘土を切り離して接着させたのが
上の写真ということになります

一体化してから粗削りはしましたが
仕上げ削りは・・これからです
つなぎ目が・・僅かに膨らんでいますので
乾燥が進んでから薄く削りを重ねて調整です
やりすぎると繋ぎが見えてしまいます
慎重にしなければならないところです





応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-07-19 05:09 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_04304392.jpg

普段定番にしている作品のひとつが・・このシリーズ
「茄子紺麦藁手湯呑み」
仮に表題をつければ・・こんなとこかと思ってきました

麦藁手というのは・・古い伝統的な縦線紋様で
食器などにしばしば使われ
素朴で温かな感じが好きです

PCで画像検索すると
無数に集められた麦藁手を見ることが出来ます
スクロールしてたら
私の作品も幾つかでてきました

d0085887_04311960.jpg

この手描きの筆の揺れが・・素朴を誘いますが
これを少しシャープにしてみたくて
糸で抜く方法を取り入れたのでした

d0085887_04314780.jpg

一方数日前・・画像検索をしていましたら
「十草紋」という・・カテゴリーでも集まっています
これで「とくさもん」と読みます
同じ縦線紋の領域ですが・・色々見てますと
麦藁手よりもやや細めの縦線紋で
私のアレンジは・・こちらのほうが重なるかな
そんな風にも思えてきました

シダの木賊(とくさ)がモチーフの語源のようです
麦藁と似ていますから・・同じようなイメージですが
「麦藁手湯呑み」と「十草紋湯呑み」
どっちがぴったりだろうか





応援しくださる方・・クリックしてね

[PR]
by touseigama696 | 2018-07-15 05:06 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_21003959.jpg


「スタート・ユア・エンジ~ン!」
伝統のインディー500は・・この掛け声で始まる
なんてたってエンジンかけなきゃ・・始まらない

d0085887_21005256.jpg


レースの始りだから
いつもとちょっと違った試みでスタートだ
だから予定変更の思いつきに食いついた

似たようなことはこれまでにもしてるが
一手だけ手数を変えている
線紋のへりの乱れが気になるが・・走りながら直そう


d0085887_21010587.jpg


これも盆栽用のつもり
茶碗でも通る作り方で・・盆栽鉢
コラボの面白さは
互いに狙いをつけた意外性のキャッチボール
息が合えば・・段々面白くなる


d0085887_21011752.jpg


 西瓜の頭を水平切りして
その蓋を下に敷いてみた

d0085887_21015893.jpg


関係者3人で・・ラインを使った会議室
よほど苦手な世界だけど
時間と場所の節約なら・・これもありだ
互いに写真と意見を交換しながら
意外性を普遍性に変えてゆけば好い


d0085887_21472005.jpg


盆栽作家 岸本千絵さんから
会議室に届いた・・彼女の作品
ぐい吞みが・・盆栽鉢だ


d0085887_21475386.jpg


これもそう・・生け花じゃない盆栽である
私の知っていた盆栽とは別物
食器で考える器と・・また異なる興奮がある
楽しくなってきた





応援しくださる方・・クリックしてね


[PR]
by touseigama696 | 2018-07-07 21:58 | ●工房便り | Comments(0)
d0085887_08253857.jpg

この紋様
いつもなら茄子紺で染める
でも今日は
パステルカラーで塗ってみた
白い器に・・パープル系のツートンだ

d0085887_08254821.jpg

用途を変えたから・・彩色も変えた
これで・・盆栽はどう映るだろうか

d0085887_08255716.jpg


先週テストでお渡しした幾つかの作品
ラインで設えた写真になって送っていただいた
実に好いのだ

盆栽作家岸本千絵さん
(許可がでたので・・本日より実名で!)
とのコラボが本格的に進みそう
とても楽しみになってきた

d0085887_08262803.jpg


用途は違っても・・仕事は丁寧に!
職人魂も・・大事にしたいものである




応援しくださる方・・クリックしてね


[PR]
by touseigama696 | 2018-07-06 08:59 | ●工房便り | Comments(0)