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隣りの展示室で・・何と

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今日(11/20)から始まった第14回伝統工芸陶葉会展
千葉県立美術館での初日でしたが・・私の当番日でした


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かろうじて間に合った三点を出品しましたが
自分のこととは別に知らずにいてびっくりの出来事がありました
今日はそちらの話題に・・


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         中山忠彦--永遠の美を求めて 画集より表紙絵


ホールを挟んだ隣りの展示室で
それも三室ぶち抜きの大空間に
華やかな大作がずらりの・・この展覧会
「中山忠彦--永遠の美を求めて」
が開催されているではありませんか

千葉県立美術館の主催によるこの企画展は
11月3日に始まって・・来年1月20日までの会期
当番が終ってから早速鑑賞しました


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私の手元にある図録は三冊
1985年・2008年・それと2018年開催分
勿論開催されたもの全てを見ているわけじゃなくても
この規模は毎年のように開かれる展覧会ではありません
チャンスを見逃さずにすんでラッキーでした


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中山画伯の画歴のコンセプトには大きな柱があります
一貫して良江夫人がモデルを務め
ヨーロッパのアンティークなコスチュームを纏って描く
長いことこのシリーズの大作を拝見してきたものです

絵画もまたあくなき美を求めて遥かな道ですが
多くの場合賛否分かれるものもある世界
しかし・・中山先生の絵は
百人見て百人が是とする美しさに溢れているように思います
この絵が掛かっていて困る場所は何処にもない
そんな思いで拝見してきた半世紀なのです

途中からそのコスチュームやアクセサリーの小物を含め
ご夫妻でヨーロッパで蒐集されるようになり
そのコレクションも盛名を馳しておいでです
今回の展覧会でも展示されていますから
見事な衣装を見ることができました


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実は中山先生ご夫妻は
我々夫婦の旧宅時代お近くだったので
多少のご縁があっておつき合いいただきましたが
お二人とも気さくなお人柄
大家の素振りをお見せになるようなこともなく
とても穏やかなご夫妻なのです

まだ私がテレビに関わっていた頃
小さな番組でしたが
個性的な生き方のご夫婦を取り上げる番組で
先生のアトリエで取材させていただいたことがあります

その頃も良江夫人がモデルで
天井の高いアトリエに大きなイーゼルを立て
当時でも素晴らしいオーディオ装置で
バロック音楽を聴きながら
静かにゆっくりとした時間を取材したことを思い出します

日本洋画壇の重鎮として
今もご夫妻でご健勝にお過しと聞きます
ずらりと並んだ良江夫人の大作画を拝見し
久しぶりにお目にかかった気分なのでした

帰宅して妻に仔細を話し
あらためてふたりで鑑賞に赴くことにしたのでした




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by touseigama696 | 2018-11-20 22:28 | ○展覧会 | Comments(0)

伝統工芸 陶葉会展

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展覧会ご案内のDMが印刷されて手許に届くと
期日が迫っていることを思い起こし
緊張も芽生えてきます

数年前まで
毎年千葉三越で開催してきた展覧会ですが
千葉三越の閉店に伴い
今年から日本橋本店で開かれることになりました
第一回目ということと・・会期の後半が
第65回日本伝統工芸展と重なることもあって
また別の緊張感が醸されても来ます

残念ながら今年は
目の手術や肩腱板断裂の痛みに苛まれ
出品は叶いませんでしたが
出しても中々通らない本選のこと
捲土重来も容易なことではありません


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先日来・・作業を続けてきた
糸抜き麦藁手のシリーズ


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大小5点ほどで出品を予定しています


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陶葉会38名中32名の作家が
それぞれの個性を引っ提げて参加します
伝統工芸展を鑑賞される傍ら
お立ち寄り頂ければ・・幸いです

「幸い」・・と書きながら
「・・本選見に来たからついでに寄ってみたよ!」
もう一つの緊張感って・・実はこれ
怖いんですよ・・これが





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by touseigama696 | 2018-09-03 07:51 | ○展覧会 | Comments(0)

ふたつの陶葉会展

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肩腱板断裂の痛みや苦痛は
そう簡単にはとれないと承知してもいるから
僅かになだめたりすかしたり・・殆どは
独りっきりなら悲鳴をあげて我慢の日々

この大きさ位までなら・・何とかなるのですが
40㌢を越えて50~60㌢となると
負けてるなぁ~って判るもんです

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私が所属している「陶葉会」は
千葉県在住の陶芸家が・・日本伝統工芸展を主戦場に
互いに切磋琢磨して挑戦する作家集団
日本伝統工芸展かその支部展で
一回でも入選すれば入会資格が得られます

伝統窯業地を持たない千葉県は
作家間の交流も希薄になりやすところを
40名近い会員が・・折りに触れ
御大神谷紀雄さんの工房に集まって
足らざるものを埋め合わせながら
同時に親睦を深めています

孤独になりがちなこの世界
仕事場では孤高の精神が大事な場面があっても
やはりひとの絆があっての人生
ここで得る励みを大事にしています


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陶葉会は・・毎年幾つかの
会主催の会員による展覧会を開いています
今年の秋にも・・二つ開かれます

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ひとつは
9/26~10/2までの
「伝統工芸陶葉会 日本橋三越展」
今年が1回目です

会員がひとり5点出品し
デパートですから・・食器などの小物も
展示販売されます


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もうひとつは
11/20~11/25の
「第14回 伝統工芸陶葉会 千葉県立美術館展」です

こちらは美術館が会場なので
展示のみで・・販売はありません
鑑賞を主力にした作品を展示することになります


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両方のための制作も・・終盤
昨日は・・一気に釉薬を掛け

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今朝は早朝から・・本焼きにかかっています

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万全を期したつもりでいますが
やきものは焼いてみないと最後の答がでません
15時間の焼成の後
同じくらいの時間をかけて冷ました明日の夕方まで
無事に焼けるのを・・待つことになります

無事出品できて会期がきましたら
ご笑覧賜れば幸いです





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by touseigama696 | 2018-08-29 07:36 | ○展覧会 | Comments(4)

勝ち負けの狭間で・・

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負け戦を書くことは・・ほんとは辛い
でも勝ち戦は書いて・・負けを書かないのは
結局もっとみじめだと思ってきた

15年ほど前に・・最初に書いた勝ち戦のつけ
勝ちも負けも・・過不足なく書く
それを受け入れないと・・ご都合のハシャギで終わる
入選しました!・・受賞しました!
躊躇いもなく走る指まかせの喜びは
このブログにも・・何度も書いた
だから時来たれば・・淡々とツケを払わねばならぬ

昨日・・日本工芸会東日本支部のHPで
第58回東日本伝統工芸展の
入選者リストが掲載された
そして・・そこに私の名前はなかった

毎年応募を繰り返してきた
東京発のメジャー公募展は‥四つほどあって
幸運にも通算20数回の入選を果たすことができたが
その都度自己ベストを物差しに
落ちても何の不思議に非ずと覚悟して
私なりの緊張の時間を過ごしたものだった

昨年の本選・・今年の支部展
二度続けての選外は・・初めてのこと
やはり落胆は大きい
そして
この経験が示唆しているものは・・多分
たった今の私の技術のあれこれではない

10数年作り続けてきた作風が
最早時代の要求に対応しきれていないと
宣告されたに違いないのだ
私だけに限ったことではないにせよ
小手先で解決できる課題ではない
一人の作家が
全く別のもうひとりの作家に生まれ変わり
新しいアイデンティティーを編み出せと
命じられているのだ

改めて・・この数年の図録を振り返ると
新しい作家名が・・どんどん増えている
時代とは・・新しい名前が古い名前を押し流すこと
ほっとけば・・二度と浮かばれまい

そう思いながら
さて・・どうしたもんだろうか?
我が身に覆い被さる戸惑いに・・心は乱れる
あと数カ月で・・齢76を数えるが
陶芸家として残された選手生命は・・決して長くはない

長年の肩腱板断裂による肩の激痛
これまた古傷の腰痛がもたらす姿勢の保持の困難
アキレス断裂の術後予後の不足が招いた左足の不自由
それらが相互に絡まって
年々の筋力低下は・・加齢だけでは済んでいない

古希を過ぎてから後
あらゆる肉体的な条件の劣化は
もう一人の作家に生まれ変わる意欲を
著しく阻害している
一番落胆してるのは・・きっとここである

そうしたハンディキャップを跳ねのけ
新しい挑戦に渾身で向かえるか
悩ましい課題だが・・向き合わねばならない

こころが・・体を立ち上げるのか
からだが・・心を立ち上げるのか
よくよく耳を傾ける時がきたようだ


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今日・・彩色してみたキャンバス
肩の痛みを避けてのキャンバス・アートだが
気分転換の一助にもなってくれている





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by touseigama696 | 2018-03-04 06:52 | ○展覧会 | Comments(6)

マジョリカの温もり

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イタリアンのレストランが
たいした理由なしに値段を上げたかったら
食器を全部純白にすればいいかも
フレンチみたいに見えて
もしかしたら・・うっかり納得しちゃう

だが・・

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私の好きなイタリアンは
マジョリカの素朴で温かな
向日葵の花みたいなプレートがいい

それにたっぷりとパスタが盛られ
これがスープ?!
びっくりして食べるのがいい


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イタリア在住の平井智さんの個展
昨日柿傳ギャラリーで拝見した
素朴と言う言葉は・・使い方が難しい
下手の代名詞だと思ってるひともいるからだ

実は真逆
長い道のりを経てようよう至る境地である
だから温かいのだ


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在廊の平井さんと
1時間ほどお話する時間に恵まれた
失礼な言い方だが
イタリア人?・・そう思ってしまう
45年の在伊で届いた温かさの境地なのかも

マジョリカの技法などにも触れて
勉強させていただいたのだった



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by touseigama696 | 2018-01-10 06:10 | ○展覧会 | Comments(0)
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9月一杯で個展の追作の全てを終え
どうやらけじめがついた
目下印刷をお願いしてある礼状を待って
発送すれば完全な終わりになる


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個展開催のオファーから・・追作を終えるまで
ほぼ2年かかってしまった
その間・・それ以外の仕事も
多少は発生してたが
ともかく一番恐れていた怪我や病気
事故にも巻き込まれず
無事に終わったことは
古希半ばを思えば・・やはり幸運だった


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幾つもの仕事を同時進行で進めることは
最早・・集中することさえ覚束ない

両手で囲いきれないまでに・・仕事を抱えず
抱えた仕事は・・それを大事に丁寧に取組む
半年で終わるもよし・・1年で終らぬもよし
一途に向き合うこと
大事にしているのは・・それだけ


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この半月・・ロクロから離れて暮らしている
疲れたからでもあり
新たな意欲が湧くのを待つ気分でもある

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そのせいで
陶芸を忘れたブログが続いた
挽かなかったからであり
焼かなかったからだ


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今年最後のGRP展が来月開催だ
大物三点の用意が必要

もう一点準備して
四点から三点に絞ろうと思う

気がつけば・・今年も終わる
じっと工房に籠った1年だった




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by touseigama696 | 2017-10-14 01:16 | ○展覧会 | Comments(2)

個展最後の納品

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週末に・・郡山の娘を訪ねた

その娘のご縁でわざわざ上京し
6月の柿傳ギャラリーでの個展に
お越しいただいたのが
郡山で懐石の名店「らん亭 美日庵」の
ご主人夫妻である

その折り
料理で使ってみたいという仰せで
大皿のご注文をいただいた
糸抜きでの波状紋の定番のもの

この個展での追作の最後に
共箱に納め・・納品しながら
料理を頂戴することになったのだ

『らん亭 美日庵』・・らんてい・びびあん
ネット検索すれば評価のほどがよくわかる

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品書きを頂かないと・・覚えきれない
秋の旬が・・随所に散りばめられて
さすがな懐石なのだった



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松茸の季節
個展の準備と開催に明け暮れている間に
季節は・・夏から秋に大きく移り変わっていた

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写真は
並んだ料理のほんの一部でしかないが
陶に限らず・・吟味された器が
懐石のこころを表していた

やがてこの中に
私の皿でもてなされる席もある
作家冥利に尽きるが
同時に・・こわいことでもある
器の役目
それがしっかりと見えてしまうからだ


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やがて・・別れのご挨拶も済ませ
駅が目の前の
娘のマンションに戻った
この春に・・転居したばかりの住まい
高層の窓から見える明りは
まるでイルミネーション

美食を身に成すため
迷いそうにない大きな道を4キロほど歩いた



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by touseigama696 | 2017-10-02 09:35 | ○展覧会 | Comments(0)

第64回日本伝統工芸展

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去年通ったら今年も通る・・って
そんな保証はまるでなくて
今年通るのは去年の半分・・って
それが当たり前な激戦

今年は・・残念ながら沈没でした
良い時だけ書いて・・沈没は書かないってのも
いささか卑怯かと
無念の涙にくれながら・・さっき見た新聞を脇に
これを書いているわけです

結果に何も不思議はないのですが
自分なりに無念だと思うのは
自己ベストで出品できていないことです

毎年それなりに結構な時間をかけて工夫しますが
今年・・それが出来ていませんでした
7月の出品を前に・・その不足を実感していて
少々迷ったのですが
その迷いが・・すべきことをせず
せざるべきをしてしまった・・のだと思うのです

晩学の陶芸であれば
決してポテンシャルが髙いわけではありませんから
変化させることの難しさは・・分かっていながら
「今まで何が良くて通って来たのか
それを忘れたでしょ!」
確かにそれを忘れた出品だったような気がします

また来年に向かって意欲を掻き立てますが
この展覧会で落ちることは・・少しも不名誉なことじゃなく
通ることの方が不思議なくらい
毎年・・そう思っています

ところで・・新聞発表によれば
千葉県では陶芸は16人入選していますが
その16人全員が・・私も所属している
伝統工芸陶葉会のメンバーでした・・凄いです
東京都知事賞受賞の和田的さんは
いずれ日本の陶芸を背負う逸材
近々に会での受賞祝いがあるはずです

こうした仲間の切磋琢磨こそ
技術だけでは手にできないセンスを磨くのに
この上ない刺激になっているのです

個展の追作を終えつつある今
久しぶりの個展が無事に済んだことだけでも
ありがたいことで
あれもこれもは欲張りなのでしょう

捲土重来・・来年そうなるように
気力と体力の温存を心がけることにします



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by touseigama696 | 2017-08-24 06:12 | ○展覧会 | Comments(0)

柿傳個展の最終日

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一昨日の最終日前夜
会場にやってきた妻と娘を連れ立って
閉館後・・地下二階のギャラリーから
地上八階の京懐石柿傳に上り
夕食を楽しんだ

「画竜点睛」という言葉がある
どんな竜を描くにも
最後に生きた目が入らねば名画足りえず
そんな意味だ

和の食事でいえば
さしずめ飯と汁と漬物
これが「目」・・とても美味しかった
だから全ての料理が竜になった

何人かの友人たちも
柿傳ならではの個展だからと
ギャラリーに来てくれた行き帰り
ここで食事をし
美味しかったと言ってくれた


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老舗の良さは
これだけはどうしても守らねばならぬ
長い年月を・・そうした掟を守って
商売の原則を犯すような愚挙はしない

いつ行っても美味しい
言うは易く・・行うは?
ここの料理の評価が高いのは
きっとそこが守られているからなんだろう


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さて・・1年半の旅は終わった
5年ぶりの個展
不安を抱えての制作だったが
無事に終えることができた

最終日の昨晩
片づけが終わり・・書類の確認が済んで
ギャラリーの担当女性たちとの別れの夜がきた


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その女性たちにサポートされて
作家は「開会中・・全日在廊」
ここで個展をする作家は
大抵これを守っている

いつ来ても作家がいるというのは
いつ来ても美味しい・・と同根
料理や作品との親近感を思えば
それも個展の点睛・・大事な慣例だと
私は思う

ギャラリーに見識があって
それだけの強さがあればこそのこだわり
1年半の緊張も・・作家として
そうしたことへの敬意だったような気がする


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会期が終ったら・・少々のんびりしたい
大方の陶芸家はそう思うはずだ
久しぶりでもあるから・・私にしても例外ではない
そのつもりでいたが
どうやら・・そうもいかないようだ

考えてみれば・・それも贅沢な話
最終日の後には・・しなければならないこともある
のんびりするとすれば・・それが終わってからだ


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担当女性が作ってくれた資料に従えば
この先1~2ヶ月の間に
追加制作56個・・箱書き42個
有り難い仕事が残った

しかし
「誰も来てくれず・・ひとつも売れない夢」
初日に書いたが
その恐怖の夢を思えば・・贅沢な結果である


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いずれにせよ・・あらためて長い旅は終わり
一週間・・終日同じフロアーで過ごした
四人の女性担当者の方々と
別れを告げてエレベーターに乗ったが
ふと惜別の情が押し寄せてくるのを感じていた

新宿の夜の駅前は大賑わい・・歩くのも難しい
地下二階のギャラリーの静けさが・・嘘みたいだった



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by touseigama696 | 2017-06-12 07:55 | ○展覧会 | Comments(0)

柿傳個展の六日目

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六日目の午後・・ふと気づくと
ためつすがめつ作品を凝視する女性がおられた
作品への興味の持ち方は・・見方で想像できる
鑑賞なのか・・制作上の関心なのか
きっと後者だと思ったのでお声をかけた
やはりそうだった

そしてその興味は
以前からブログをご覧になり
かなり技術的なことまで広いものだった
仮に陶子さんとしよう

声をかけた瞬間・・振り向いた表情は
「あなたは私を知らないけれど
私は・・あなたを知ってますよ」
ブログが間に入ると
それが目に現れていて・・大抵当たるのだ
実際・・初対面だが
私のことをよくご存じで
ブログから記憶に留めていただいているのが判る

「芳名帳にお名前書いてくださいな」
その記載を見ると・・北海道とある
「何か用事があって上京されたの?」
陶子さんの答えにびっくりした

「この個展を見るために来ました
以前から興味をもっていたので
作品を見て触れてみたかったんです
昨日からホテルに泊まり・・明日帰ります
忙しそうにお見受けしたので
声をかけずらかったんですけど
お話ができてよかった!」

当然ながら
私もお声をかけてよかったと・・痛感した
もしも失礼して話もせずにお帰ししたら
悔いるに違いない

陶子さんは・・今はアマチュア陶芸家
でも話を聞くと・・ただの趣味ではない
いずれ自分の個性を見つけて
世に出る意欲を旺盛にお持ちのようだ

52歳からの晩学陶芸の私には
共感できるものが沢山ある
今・・自分の工房ができかけていて
将来への夢が弾けそうな様子
目がそう言っていた

「技術的なことはともかく
高い目標に向かうためのモチベーションや
その維持のためのメンタリティーのことなら
言葉を通して応援できることはしますよ」
そう約束したのだった

丁度親子ほどの年代の差があるが
「本気」が理解できる年輩で
時間をかけて成熟してほしい・・と思う

参考にと
幾つかの作品をお買い求めになって
帰るために立ち上がった陶子さんは
「やっぱり・・これもください
気になっていたんで
このまま帰って後で悔いるのは嫌ですから」

それが写真の径8㎝の丸い花入れ
幾つか追加制作の必要な作品だから
これから作ることになるが
せめてご好意に報いる意味でも
一所懸命作るのは言うまでもない

高い旅費宿泊費をかけ・・あまつさえ作品の購入
それを無駄にさせないため
私にできることなら
応援にやぶさかでないことを心に決めながら
見送ったのだった

こうした一期一会こそ
個展の個展冥利に尽きるものだと思う
物を越えて心が揺すぶられる
願わくば
作品がそれについてゆけることだ

最善は神の仕事・・でも自己ベストは
外してはならない私の課題である



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by touseigama696 | 2017-06-11 06:19 | ○展覧会 | Comments(4)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696