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コレクション(4) お宝の真贋

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我が家に伝わる益田鈍翁の手びねりといわれる茶碗「曙」
箱書き以外・・真贋を証明するものはない
鈍翁の真筆を判定できる知識があるわけでもなく
まさに・・何でも鑑定団行きのレベルで・・定かではない
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中島誠之助風に言えば・・
箱はいいですねぇ・・曙という銘もいい字です・・

益田鈍翁・・鈍翁は号で・・本名は孝
幕末から戦前までを生きて近代日本を背負った経済人のひとりである
三井物産創業の立役者・・一方で
利休以来の茶人とも言われたとか
古い言葉だが・・数奇道を極めた達人とでも
このひとがいなかったら・・日本の茶道はもっと狭かったかもと言われる

今の時代では考えられない大枚を自在に動かして
美術館並みのコレクションを作った彼が
自分で手作りしたと伝えられるこの茶碗
そうした意味でいえば・・
専門家の人間国宝が作った茶碗より
これを評価する物差しは・・複雑かもしれない

同じように完全なプロではないのに
プロ以上の高値で取引される魯山人のようでもある
茶の湯への貢献を考えたら
それは魯山人を越えても不思議じゃない
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この箱書き・・さる方に判読をお願いしたら
「天狗岩」 「如春尚」など・・少し判ってきた
「尚」が「翁」のようでもあるのだが・・

しかし・・これが真筆かどうか
そこにかなりな進展があったからびっくり
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ある雑誌の記事が見つかった・・そこに掲載された一枚の写真
この茶杓の箱書きにある・・天狗・・同じ筆跡のようだ
それに「年の暮」という銘の下の実朝の歌の左下隅の花押
茶碗にある花押と同じではないか

この茶杓・・実は鈍翁が死の直前・・愛弟子に贈った自作とある
その愛弟子の号が・・如春庵・・なのだそうだ
茶碗にある「如春尚」の如春と符号する

しかも・・茶杓の箱の天狗の上・・名古屋と読めるが
名古屋には天狗岩という地名があって
更に・・
関東大震災で名古屋に避難してきた鈍翁を世話したのが如春とか
天狗岩をはさんで二人の間に物語がありそうではないか

この茶碗と茶杓・・鈍翁と如春
その絆といい・・同じ筆跡の箱書き
どうやら・・この茶碗・・お宝のような気がしてきたのである
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この茶杓の話・・竹芸家池田瓢阿氏の記事の中にある
如春庵との交流のことも触れてある

私が茶碗の由来を聞いたとき
「・・鈍翁がどこかに滞在中・・土をひねって窯元さんで焼いてもらった・・云々」
それが名古屋で・・如春庵さんの世話だったかもしれない

この記事を見つけてきてくださったのは・・
私のところで稽古しているAさん
彼女も茶をよくする・・だから鈍翁の茶碗をご覧にいれたところから
お宝をたどる道が開けたのだ
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出典を明らかにしておこう
『淡交』2007年1月号に掲載されている
茶人の専門誌である

さて・・ところで・・ご本人の評価額は・・?
伸介の声が聞こえてきそうだ
真贋のほどは・・・?
中島さん!・・指で弾いてみてくださいな
Commented by yumita6 at 2009-05-08 21:34
曙、魅せられます。
これが手元にある幸福というのはどれほどのものでしょうか。
お宝だったら最高のお墨付きですが、自分の感覚でもGOOD。
GOODというのが恐いくらいですが。
素晴らしく思います。touseigamaさんもそう思ってるんですよね!
それを使ってみたいです。(ド素人の勝手なお話)
Commented by touseigama696 at 2009-05-08 23:22
yumita6さん
すっかりご無沙汰ですいませんでした
お訪ねくださって・・ありがとうございます
この鈍翁さん・・書もとても評価の高いお方で
そう思って見るせいか・・
箱書きの筆使い・・見事な書だと思います
真贋にも・・もちろん興味がないわけじゃありませんが
この茶碗の来歴を知りたいな・・のほうが面白そうです

まだこれで茶を点てたことはありません
いずれ・・飲んでみますね
Commented by nonacafe at 2009-05-10 12:26
ああ…何だかミステリーを解読するようでドキドキしますね。
確かに墨跡は鈍翁そのもの…。如春との交流も知られた事でも
あるし…。お二方も審美眼にあふれた批評家であった方。
数寄者はよく茶杓をお作りになるようですが、
茶碗までも自らひねられたのは、川喜田半泥子が思いつきますが
さて、お二人が作陶した事実はあったのでしょうか…?
問題の鍵はきっと箱蓋の裏書きですが、読めません。(とほほ…)
無理矢理、勝手に読むと
「天狗岩と、同作
 如春尚、天狗一」かな〜〜〜?
(如春君と名古屋で手に入れた自慢の茶碗を見せっこした。
 しかし彼の持ち物の方が一枚上手で、鼻、高々だった)…とか?(爆)

さ、「テレビ鑑定団」もしくは「三井記念美術館」に持ち込まれて
事の背景、はっきりさせていただきたいものです。
あくまで部外者ですが、夜も眠れません!(苦笑)

長い文末でのご報告となりましたが、
念願の菊池ビエンナーレ展拝見いたしました。
そして、過日は遠路ご来訪とお心使い、ありがとうございました。

Commented by touseigama696 at 2009-05-10 23:43
nonacafeさん
色々ストーリーをありがとうございます・・笑
でも・・その推理が楽しいですね
実は・・鈍翁さんは晩年小田原に住んだので
記念館があります
そこには・・鈍翁さんが手びねりした茶碗などが
展示されてもいるようで・・一見の価値ありそうです
来週・・大阪の帰りに寄ってみることにしました
また・・展開があるかもね・・お楽しみに・・!

菊池ビエンナーレ・・ご覧くださって
ありがとうございました
Commented by rosa at 2010-10-16 09:23 x
偶々こちらのサイトを拝見した者です。
このお茶碗の箱書は鈍翁の筆で間違いないと思います。天狗「岩」という字はどう読んだらいいのか確証が持てませんが、その後の部分は「如春翁 天狗の一」と書いてあります。この「天狗」というのは森川如春庵のことで、参考図版の茶杓の箱にも「名古屋守山大天狗とのへ贈る」とあります。このお茶碗は鈍翁のものなら同じ花押がどこかに彫ってあるかもしれません。ただ、「天狗の一」とあることから、もしかすると如春庵が造った、自慢の一碗だったもの(それゆえ「天狗」と書いたのでしょう)に箱書してあげたのかもしれません。いずれにせよ良いものですので、大切にされた方が良いと思います。
Commented by 水木子 at 2011-11-04 20:37 x
通りすがりの者です。
箱は鈍翁間違いありません。茶碗に花押などの彫銘などありませんでしょうか?
眼福茶碗です。有難うございます。
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by touseigama696 | 2009-05-07 00:35 | ●コレクション | Comments(6)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696