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窯場探訪(3) 常滑

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古窯気まま旅から戻って・・あっという間の一ヶ月
締め切りの迫った展覧会を目指して
大皿に加飾しながら・・あのゆったりとした数日を反芻している
・・古窯に流れるあのゆったりした時間を・・
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昨年春の・・日本陶芸展大阪展に出向いた帰路に寄った丹波立杭に続いて
六古窯のひとつ・・常滑
やきものに関わりながら・・訪ねるのは初めてである
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観光客相手の陶芸散歩道・・
昔ながらの常滑の風情を知ってもらおうという試み
江戸のやきものづくりをそのままにした
あの小鹿田の里とは・・少し意味はちがうが
古き常滑が垣間見える
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観光だからといってしまえばそれまでだが
この陳列は・・少し寂しい
かつて出かけた信楽でも似たようなことを感じたものだが
由緒ある窯場が・・その由緒を輝かしくかかげるのは
もしかしたら容易ではないのだ
伝統と観光は・・簡単には融和しない
伝来の常滑焼き・・をそのままに・・が
時代の風にさらされた「みやげもの」になれるのか・・・?
難しいところだ
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「ちょっと入ってもいい・・?」
前方に座して仕事している女性は手を振って断った
断られたけど・・この工房の風情は好きだ
照明にゆとりのなかった時代に
まるで木漏れ日のような光りの下で
いつもの営みが繰り返されているのだろう
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既に火のくべられることのない窯跡が
町の随所にあって・・昔日を偲ばせているが
しかし・・ここは今でも由緒ある窯場なのだ
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この散歩道のあと・・常山窯を訪ねた
数年前に他界された人間国宝山田常山さんの窯である
急須の名人だった・・見るからに美しい急須・・
常山さんのロクロを収録したビデオは・・
いつでも私の大切な教科書でもあった

四代目を襲名した絵夢さんと・・三代目の未亡人におめにかかり
しばらく話を伺った
常山さんの急須といえば・・それはもう羨望の道具なのだが
しかし・・その陰に潜む急須つくりの歴史的な悲哀
安穏な道ではなかったことを・・
しかし・・三代目の強い信念に一目も二目も置いて
言葉の端々に限りない尊敬の思いを計り知るのだった

伝統とは・・時代とともに変化すべきとしても
しかし・・生涯を貫く信念なしには継承できないものでもあるのだ
Commented by Potter-Y at 2008-07-05 23:11
さすがは伝統の窯場、雰囲気がありますね。
その陳列はかなりさびしいものがありますが...。
伝統をどうやってプロデュースして見せていくか、難しいところですね。

常山さんの急須、使ったことも手にしたこともありませんが、
無駄のない、美しい形ですね。
Commented by honey8787 at 2008-07-07 21:51
touseigamaさんの探訪記は味わい深いです。
木漏れ日のような光りの下で捉えた写真の雰囲気もいいですね。
Commented by touseigama696 at 2008-07-08 23:32
Potterさん
伝統が歴史を背負ったまま
後世に引き継がれるとしたら
それは民度の問題でもあるんでしょうね
文化省もない(庁だもんね)・・ってのも
やっぱり寂しい国です
Commented by touseigama696 at 2008-07-08 23:35
honey8787さん
ありがとうございます
伝統的な窯業地を訪ねるのは
楽しみでもあるけど
失望するところもある・・ってのが
正直なところです
もっとも・・もっとよく理解するには
長い滞在が必要なんでしょうけどね
ちょっと見では判らないことも沢山あるのかもしれません
Commented by kanmyougama at 2008-07-11 07:37
伝統窯業地探訪お疲れさまです。
訪ねた事のあるところ、まだのところいろいろですが、touseigamaさんらしい探訪のスタイルでとても興味深くみました。
私のいます鹿児島もいくつかの伝統窯業地がありますが、伝統の継承と将来への展望などの課題を抱えています。
かつてはヨーロッパにも好まれて輸出された「薩摩焼」も衰退して、いまはセーブルを中心に盛況です。
昨年は「パリサツマ焼き展・現代作家展・・・を開催。
新しい展開を模索しています。
常滑に一致度は足を運んでみたいです。
Commented by touseigama696 at 2008-07-11 09:20
kanmyougamaさん
おはようございます
お孫さんたちが集まりだすまで
嵐(?・・笑)の前の静けさなんでしょうか・・?

人も物も情報も身の回りにたっぷりある
伝統窯業地のありがたみ・・ってのもわかるし
でも・・その伝統が邪魔するものも
ありそうな気もします
どう継いで・・どう表現するか
それも大変そうですね

サツマの歴史も・・
きっとこれからの若者が
どう捕まえて核心に迫るか・・なのかな
しかし・・それも一大事業
きっとやりがいのある仕事だと思うのですが・・
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by touseigama696 | 2008-07-05 22:45 | ○窯場探訪 | Comments(6)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696