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窯だ行進曲(8) かけがえのない『無駄』

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糸抜き波状紋大皿・・新しい試み
弁柄で抜いて・・梨灰黄釉で焼いたものです


52歳で始めた私の陶芸・・晩学である
死ぬまで続けるとしても・・さして長い時間ではないだろう
しかし・・だからといって
若いひとを羨ましいと・・思ったことはない

52歳は・・
私にとって「頃合」だったような気もする
同じことを・・30歳のときに始めたとして
だからといって・・今と同じ陶芸になったかどうか
私にもわからない

それでもひとつだけ・・
若いひとが羨ましいと思うことがある
惜しげもなく「無駄な時間」を使えることだ
必要な時間なら・・
若いひとも・・少し老いた私も同じ
しかし・若いひとにあって・・私にないものが
存分に使える「無駄な時間」である

無駄というと差し障りがありそうだが
不要な時間といいたいわけではない
結果を気にせずに使える時間・・とでも言おうか
あるいは・・
目的地には向かうが・・およそ遠回りな道・・でもいい

可能な限り近道を探そうとする晩学は
そう思わないと間に合わないかもしれない切実さの中で
なお・・遠回りな道を歩くことこそが
仕事に厚みをもたらすに違いないと思うからだ

思い通りにならなくてもいい・・
上手くゆかなくてもいい・・
結果がでなくてもいい・・
しかし・・それでもやってみる
そういう時間がほしい
若いひとを羨む・・たったひとつの嫉妬かもしれない
Commented by Serena_fiona at 2008-03-26 00:44
もっと若い時に陶芸に出会っていたら・・・と私も思います。
でも、今だからここまで陶芸をやっていられるのかな~とも。
時間は平等に流れているから、きっとムダも無駄ではないのではないでしょうか?
Commented by hatori-tougei at 2008-03-26 01:46
はじめまして、ざっと拝見しました。すばらしい作品ですね、笠間で中野晃嗣先生のところで小林政美さんには何度かお会いしたことがあります。ぼくは50歳からプロは返上しました。今は、趣味でムダばかりしていますが、それが楽しいです。経済的には苦しいですが(><)・・・
また、あとで、じっくりと読まさせていただきます。


Commented by Blog_Maya at 2008-03-26 07:51
じっくり読ませていただきました。
私は20代で始めましたが、その頃 60代、70代の方々のの作品を見て「作品にはその人の経験や人間性などが反映されるのだ」と嫉妬に似た感情が芽生えたのを覚えています。
今は長いブランクを経て子育ても経験のうちと頑張っていますが、あの頃は「無駄な時間」をムダにしていました。 
もうあまり若くはありませんが、「無駄」を大事にしていきたいと思います。
ありがとうございました。





Commented by Potter-Y at 2008-03-26 21:06
鮮やかなベンガラに黄金色のような梨灰釉、みごとですね。
この作品にたどり着くまでにも釉薬の発見から、
ベンガラとの組み合わせの発見があるんですよね。
他所で引用されていた小山耕一さんの記事同様、
形になるまで努力することが大事なんですね。
Commented by yumita6 at 2008-03-27 22:14 x
美しい波ですね。
touseigamaさんが陶芸を始められたのは、必然だった
のだと思います。(無駄はなかったのだと)
若い頃は試行錯誤の時期、ある程度の年齢になってたどり着いた
感性心境が今の作品に表れているのだと。
陶芸の外にいても中にいても。

・・・ただ時間を惜しむ気持ちはとてもよくわかります。(^.^;
でもその時間が確かに血肉になっているのですから!
うらやましい~
Commented by touseigama696 at 2008-03-27 22:35
Serena_fionaさん
52歳で始めた一番の利点は
もしかしたら・・
失うものがない・・ってことだったかも
選外で当たり前と思って挑戦できたのも
晩学だったからのような・・気がします
強がりも・・見栄も不要だったなぁ・・笑
Commented by touseigama696 at 2008-03-27 22:41
hatori-tougeiさん
少しづつ拝見して・・
お仕事の奥行きの深さを感じます
作るが・・創るにつながる醗酵の時間
一番ほしいのが・・それなんですけどね・・苦笑
Commented by touseigama696 at 2008-03-27 22:45
Blog_Mayaさん
ありがとうございます
確かに・・
陶芸はファイナル・ホビー
人生経験の全部を使って
楽しめるものだと思います
遠回りしても・・それが生きる
いろいろ生かしてゆきましょう・・笑
Commented by touseigama696 at 2008-03-27 22:48
Potter-Yさん
いつもありがとうございます
今の黒白ヴァージョンを
もう少し完成度をあげることに
全力を尽くそうと思ってますが
商品化するためのヒントにはなったかも・・です
わが工房の周囲には梨園が多いので
この灰を生かしてみたいしね・・
Commented by touseigama696 at 2008-03-27 22:51
yumita6 さん
唐津の名工 浜本さんが
「やきものって・・ある程度年がいってから
始めてちょうどいいんだよ・・」って
おっしゃるのを聞いて
自分の人生そのものを反映させる芸だと
思うようになりました
50歳からのプロ・・なんて
ゴルフやテニスじゃ考えられないですからね・・笑
Commented by Cacao at 2008-03-28 23:54 x
私の音楽の師匠とも言うべき(苦笑)高橋幸宏さんらも、レコーディングなどで「若い頃より集中力がある。」と言われてました。イコール「無駄が無い」ということだと理解し、それから、私自身についても、そういうことを考えるようになりました。
私の場合、『無駄だなぁ』と感覚的にわかっているのに、頭を切り替えることができないものですから…
確かに昔は、そういう、迷う時間について、どこかで『あっても良い』と思っていた気がしますが、少なくとも今は、結末が大方予想できてしまう分、時間を無駄にしている罪悪感のようなものにジリジリしてしまう私がいます。
(今頃、こちらにTBさせてもらいました。(^^ゞ)
Commented by touseigama696 at 2008-03-29 09:27
Cacaoさん
<少なくとも今は、結末が大方予想できてしまう分、時間を無駄にしている罪悪感のようなものにジリジリしてしまう私がいます>
賢くなるって・・こういうことなんですよね・・笑
同時に・・この賢さに抵抗して・・
結末の読めない未知に・・足を突っ込む
そういう「無駄」に焦がれたりして・・苦笑
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by touseigama696 | 2008-03-25 23:56 | ●窯だ行進曲 | Comments(12)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696