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50歳からのプロ(1)  すべてのはじまり・・

これから書こうとすることの全てに先駆けて
あるひとつの情景が心に浮かぶ

「何となく貯めてた500円玉が結構溜まったから
旅行でもしようか  萩・津和野の旅って・・どう?」
妻の一言でその旅行が決まった 
病院の事務長だった時代・・20年も前のことである

特段にやきものが狙いの旅というわけではなかったが
それでも萩は萩 それ抜きの旅にはならない
作ることはともかく 見たり買ったりなら
妻のほうがやきもの好きだった

お定まりの観光ルートで窯元を訪ねて歩いた。
その何軒目かの工房で 
ロクロ職人が器を挽くのが見えた
窓越しだったような気がするが 
しばらくは身じろぎもせずに見つめた

ロクロの上に据えられた大きな土塊を
回転に合わせて包む込むように上げ下げすると
土はまるで生き物のように職人に従順になる

やがて静かになった土塊に指が入って 
あっという間に挽き上がり
内側の指と外を支える指が重なって丸みを描くと
それで湯呑みができていた 
10秒足らずのことだ

全く同じ手つきが繰り返され
全く同じ湯呑みが並んだ
それはもう見事なリズムであり
僅かの無駄さえ入り込む余地はなかった

「あのぅ・・ロクロを体験させてもらえますか・・?」
実は この問いの答えが・・
私の人生を変えたかもしれない
「う~ん・・うちは体験させてないんだよね」
断られたのだ

もし このとき・・「どうぞ!」って言われたら
私の陶芸は始まったかどうか判らない
後になって理解できることなのだが
ロクロはとても難しい
数時間の体験で思い通りになどなるはずもないのだ

だから やらせてもらったら
「こりゃだめだ・・」だったような気がしないでもない
職人の技があまりに美しかったから
できない自分との落差は大きい
きっと諦めてそれっきりだったかもしれない

断られたから・・思いが残った
いつか・・どこかで
やらずにおけるものか・・
それが全ての出発点だった

「どうぞ!」って言ってもらえるのも幸運だろうが
「だめだよ!」と断られるのも
時にそれ以上の幸運である

不思議なことだが
趣味を越えてプロの道を歩くことになったきっかけは
今でもあのときに断られたからだと・・思っている

器もひとつ・・more





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後に・・萩の土を使って
私が挽いた茶碗

萩は
萩土を使って萩で挽き 
萩で焼いたものに・・
かないっこない
でもこの色好きだ

1200度を越えた窯で
僅か5度か10度の違いで
この紅斑は消える
不思議な世界でしょ・・
Commented by cat-korokoro at 2006-08-30 08:50 x
早速、おじゃまさせていただきました。
私は・・・成り行きで首というかほんの少しつっこみかけているけれど
師匠の言う、「こりゃ、ダメだ、私にはできない!」と思った一人です。

私も萩に旅行中、ある体験館で湯飲みを・・・
一緒に行った孫ほどの子供たちは起用にろくろを回したσ(^_^;)アセアセ...
私は・・・( ̄∇ ̄;)ハッハッハ

でも、もそっと涼しくなったら自己流だけれどやってみるわ♪
ここで、お勉強させていただきます。
また、授業料未払いだ(爆)
Commented by touseigama696 at 2006-08-30 11:18
授業料はいらないから・・
トラックバックの仕方・・そっと教えて!・苦笑

ロクロはここで手取り足とりで・・
教えてあげるよ・・爆
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by touseigama696 | 2006-08-29 18:26 | ●エッセイ50歳からのプロ | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696