削りも大事な技術です

出来の良くない写真ですがお許しを左の黒泥と右の半磁土粘土は別物ですが造形の意図は同じ広いつばの下に深めの底を作った鉢です

黒泥分を表から見ればこうなります

裏を返せばつばと見込の境はきっちり区分線がでます

見にくい写真ですが
半磁土も表から見た景色はほぼ同じ僅かに浅く挽いています



裏はこうですつばと見込の区分線は見えません見えないように削っているからです


図解してみればこうなります上から眺めた形状は似たようなものですが削りで変化を求め碗型の和風と朝顔形の洋風を狙っています
黒く塗り潰した分が削りで残したシルエットです碗なりに削った和と朝顔形に削った洋高台を小さく詰めて僅かに口縁部を反らせます洋の雰囲気を狙った違いは削りにかかっていて手取りを損なうことなくラインを消しています

巧くゆけばこれだけのことで盛りつける料理の種を変えることも広いつばのおかげで周囲を汚さずに汁物に向かう安心が叶いそうです
ロクロを挽くことは遠心力と対峙して一瞬で崩れるデリカシーと戦う大胆な作業ですがそれも削りの繊細さの補完があって美しい器になります
毎日工房で同じようなことをして過ごしますが巧くなりたい技術は沢山ありますその工夫のために費やす時間光陰は正に矢の如く飛び去ります

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