スコットランドヤードの英知

先日妻がここにサインして！と言ってきた詳しいことは妻にお任せだが何やら私の住基台帳に紐づけする必要があってのサインのようだった
「ボロボロ個人情報垂れ流しにならんといいな！」軽口を叩きながらサインしたが丁度ニュースでどこぞの官庁か企業が盛大に情報を持っていかれた直後のことだった秀才揃いの頭脳をもってしても
民間ハッカーひとりに右往左往したらしい
悪いことする奴って実は実に頭がいい向けた先が間違ってるだけで好いことに手を出せば一目二目なのにきっとそれじゃ面白くないのかもしれない秀才をからかって打ち負かす醍醐味はそっちなんだろうな
昔こんな話を聞いてなるほどと思ったことを思い出す
ロンドン警視庁俗にいうスコットランドヤードが
いささか目に余るスリ事件の多さに対抗してスリ犯撲滅運動を始めたらしい
優秀な警察官を集めて町中で目を光らせたその上そのトップに据えたのは既に後期高齢者（？）の域に達して現役を引退していたかつてのスリの名手だった
この元名人立場を一転して微妙な予感が教えるスリ現場をお巡りさんに教えたその教えは秀才お巡りさんには想像もつかないことだったらしい犯行と防犯は裏表以上に違うものだった実技の名手にして初めて防犯の秘訣を見つけ得る秀才といえども勝てないこともあるのだ
見事にスリ撲滅運動は成功しその教えはお巡りさんに伝わったらしいやがてスコットランドヤードから感謝状が贈られることになって舞台に上がった名人は講話を求められて舞台に並ぶ来賓に向って秘話を伝え笑いを誘ったらしいが
その最後に自分の背広のポケットから続々と色々なものを取り出して見せたそれはどれも来賓の腕時計だったり財布だったりハンカチだったりでみんな慌てて手やポケットを見たが見事にスラれていた
それでもひとりだけ被害を免れた女性がいて・・それが先日崩御されたエリザベス女王だったとか（ほんとかなぁ～？）
これからの時代先端を行く情報関連の企業は秀才とは別口のハッカーを採用し双方でしのぎを削ってもらうことも考えねばならないようだ
スコットランドヤードの英知半世紀も昔の笑い話だが学ぶものがあると思う


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