傘寿間近に思うこと

見当つけた場所を何度も探すここら辺に置いたはずなのに・・？それが見つからない
少々不安になるころ探し物はさっきの視界のど真ん中で見つかる「何でこれが見えなかったの？」今年の夏で切れる運転免許証を更新しないと決めたのはこれを何度か経験した挙句である
見えてなければおかしいものがそこにあるのに見えていない物覚えが悪くなった自覚はあっても欠落した視野みたいな空白これは不安だし不気味だ
自覚っぽく云えば探そうとして体を動かしていながら頭は別のことを考えている考えていることとしていることが違うは運転中だったりしたらそりゃもう危険極まりない
老人固有の劣化の数々は承知しているが「情けない」は許せても「危ない」は放ってはおけない
昭和39年の夏に取得した運転免許証一時停止不履行だの駐車違反だのは何度かあるが物損や人身の違反はない58年の運転歴でこれは案外幸運なことかもしれない池袋事件の轍を踏まないうちに・・返納に迷いはなかった
数年前自分の車は既に処分しまさかの時と妻のため一台は残したが殆ど運転することもないバス・電車にも慣れてきた
していることと考えていることの乖離を捨てしていることの為だけに頭を使う僅かでも記憶力の挽回に益すればの願いである
帰宅したら最初に所持していたバッグから財布・携帯・時計・キーホルダー・手帳をベッドサイドのトレイの所定の位置に置き外で忘れ物した可能性を否定することから始める
75歳のころまでなら考えたこともなかった仕種終日工房で仕事尽くし来客がなければ会話することもなく一心に作業して退屈しなかった日々はコロナ禍を忘れさせてくれたがために失ったものもはっきりしたようだ
還暦の年に古希までは意識したが傘寿は埒外だった死んだ親父が90歳を越えて
「おれ死に方忘れたみたいだ・・」と云うのを聞いて「まぁいいけどどこかで思い出してくれないと長男の方が先ってことになるかもよ」それから2年　94歳で思いだしたようだった
さて私の場合は？



今一番願うことは孫たちに平穏で平和な日々を・・である
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