「手取り」その後

ゴム輪でまとめた１束のカードメモ日頃無縁の引き出しに
薬を探していてこれに行き会った


いきなり最初の１枚がこれ「茶碗と湯呑みの重さ寸法」とあるいつ書いたのかも何から引いたのかも覚えていない初心の頃目につくまま書きなぐった覚書である


手取りの話しを書いたのはつい先日作りながらいつも頭から離れない課題が器は時代とともに変化し作品にそれを生かすのは作家の使命と思ってきたことだ
このメモのことは忘れていたがいつの間にかわたしの作る茶碗は次第に小ぶりになっていた同時に口元に運ぶのが億劫でないように
意識せずに手にする目方を大事にしてきた
今と昔の標準ってどんなものだったろ？勿論気になった


近ごろ私が作る茶碗の上限がこんなもので径が12,5㌢を越えることは少ない昔の14ｾﾝﾁは抹茶碗みたいに映るかもである
図らずも忘れていた古いメモに「たった今」を教えられたいつも気にしていると何とはなしに大事な課題の傍を離れずに済むのかもしれない

旧作の徳利　黄瀬戸かな？


似たようなことでもうひとつ例えばこの姿を見れば徳利と思ってくださる方もあるいは一輪挿しの花入れでも通りそうだ
どちらを意図して作ったんだろと考えるなら手にして底の重さを意識してみればいい
もし私なら底をやや重めにしてれば花入れのつもりだ枝ぶりがいいと倒れてしまいそうでは困るからだ重心を少し下げるここにも「手取り」は生きている

用途を意識しての作陶はそれも一局に過ぎないとしても大事な一面だと・・私は思っている


応援してくださる方・クリックしてね！