寄りによって・・ネクタイ

「どうしたんです？　スーツでなんて！」ややびっくり気な庵主さんとの一枚確かにここに伺うのにスーツは初めて（？）チノパン＆カジュアルシャツに野球帽が普通だった
スーツ着用にはふたつ理由があったひとつは車の運転をやめても代官山に納品できるよう地元で長年親しくしてきた後輩のNクンが去年くらいから運転代行をしてくれるようになったがつい先日「先輩のためじゃしょうがないんで新しいベンツに乗り換えましたからそいつで迎えに行きますよ！」
実は現役時代の彼はベンツを売るのが仕事だった乗り歩くベンツが売り歩くベンツさして不思議ではなくても乗り換えてくるならちったぁめかすとすっかぁ！スーツ着用にした理由のひとつがそれだ　
もう一つはつい先日　長いこと 書架の横に吊るしっぱなしのネクタイを一本手にして何気なく首に巻いて愕然とした結び方を忘れたみたいだった慌てて右巻き左巻き色々やって思いだしたが冷や汗がでた半世紀も締め暮らしたネクタイこれを忘れる？受け入れ難い老いだと思った
それが二つ目の理由でスーツを着用したのだったちょっとだけ気分が締まったたまには悪くないもんだ頭のためにも・・


めかして納品した作品がこの60個ほど三ヶ月ぶりの搬入だったやっと責任を果たせてほっとしたが庵主さんからは来年の企画なども話しが出て老いに怯えている暇はなさそうだ
代官山の土地柄もあるのかもしれないがここでは丁寧な仕事でないと・・つくづくとそう思いながら聴いた
腕力は陶芸の主力ではない　しかし腕力こそデリカシーをサポートする最強の武器で力を失うことは作品の質が落ちることに通じるあらためて老いてはならじ・・自戒である


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