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復活せざる懐古?

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四半世紀の昔
陶芸教室で手ほどきを受け始めて数年
50代半ばだったはず
先生から公募展にだしてみたらと奨められ
それなりに技法に個性を求めるつもりで
テストで作ったのがこの皿で写真だけが残っている

ロクロで挽いて乾燥しないうちに
軽くあたり線を入れた皿に
針を打って植物の葉を描こうとしたものだ

細かい針穴を穿ってその上に鉄剤をまぶし
濃淡を意識して重ねたり拭き取ったり
3号釉を掛けて焼いたのがこれだった

30㌢ほどの皿に
葉の大きさもバランスも調和していない
およそ構成力もないままそれでも
もっと大きく描けばいいのに
初心の弱みはその勇気に欠けることだ

そして
この技法はその後使うことはなかった
一枚に費やす手間と時間に見合うだけ
この皿に針を受け入れる湿性を維持するのは大変なのだ
その気になるなら
工房に保湿の室(むろ)を用意して
点描を穿つ間湿らせておかねばならず
週一回の教室では到底叶うはずもない


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そもそも
これを試してみたかったのは
陶芸を始める前
趣味で挑んだ画紙での点描を
やきものでできないかと思ったのが始まりだった

その一枚がこれ ミラノの大聖堂を描いた
サインペン一本をただひたすら画紙に打ち込んで
濃淡だけで表現しようとしたものだが
石造の材質感に向いていて結構好みの感触だった

私の趣味に「描く」が入って来たのは
この点描からだった
陶芸はその終の棲家なのかもしれない


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室も作らずに湿度と競い
負けずに針孔を穿つなら
電動のルーターを使えばいい

予定を変更して始めたのが
彫紋での作画だった
これなら生でさえあれば乾いても打ち込める
暫くはこれを作り県展にも出品した覚えがある
糸テープにたどりつくのはここから一歩先のことだった

もう新しいことを始める体力はない
「復活せざる懐古」を幾つか抱えながら
今できることを大事に
もう少し楽しむことにしようかと
思う昨今である



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Commented by weloveai at 2021-11-17 09:42
>ミラノの大聖堂
緻密さに驚きです。
細かな事に打ち込めるのは生まれ持った才能と言えると思います。
凡人には、とても出来ません。
Commented by aisuc at 2021-11-17 13:30
こんにちは。
点描の手法を陶芸の世界へと…
誰しも考えが及ばない発想
そして糸抜き技法の発想へと続いていくのですね。
どちらの技法もセンスと緻密さ…繊細さ…
そんな柔らかいアタマ、発想力を身に付けたいです。
ありがとうございました。
Commented by touseigama696 at 2021-11-19 09:22
weloveaiさん
ありがとうございます
胸に色カードを付けた方がよい
年配になってきました
自分の非力を嘆く日々 
切ないものもあります
細かいことに集中する意識をもたないと
おいてけぼりの日々に負けぬよう
細かいことに挑んでいます
どこまで続くことやらです

Commented by touseigama696 at 2021-11-19 10:00
aisucさん
ありがとうございます
自分の個性をどこに求めるか
それも年齢に縛られることもあります
自分の得意を発見しそれを大事に
繰り返してものにする
結局そこに行き着くのではないでしょうぁ
頑張ってください 応援しています
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by touseigama696 | 2021-11-17 06:56 | 〇作風変遷 | Comments(4)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696