結局「しごと」ってのは・・

結局2年近い籠城自粛を退屈もせずに過ごせているのは仕事があったから仕事ができたからに尽きそうだ
籠城はそのままではあてどない怠惰な時間を持て余すだけかといささか戸惑いもあったが幸運にもそれはそれで杞憂に過ぎず誰もいない安全な工房で日がなロクロと窯が相方の日々である



昨日は一段落した作業台を掃除して次のオファーに応える作業に取り掛かった



凹面の茶碗の見込に糸を貼る無慮数千を越える実績がある筈だがだからといって目をつぶっていても出来るほどに簡単ではない茶碗の丸み曲線のカーブの仕方でも粘土の性質や水分の多寡によってでも　晴れたり雨だったりの湿気でも昨日できたことが今日できないこともある




何度も失敗を繰り返してきて成功の確率をあげる方法に近づくにはに思い当たる節もできた「どんなに苦しくても思いっ切り丁寧に！」陳腐かもしれないがこれに尽きる
「丁寧にしていたら時間がかかって・・」という声もある　確かに！でも丁寧にこだわり続ければ丁寧でも時間短縮が出来るそれが確かな技術なのだ
楽してできるのは時間の短縮ではない成果の短縮に過ぎず作業の途中で不都合に出っくわし無残にもやり直しになる丁寧だけが防げる無駄
プロの自覚としてはここを外すわけにはゆかない


昨日の夕方から夕食までの間に六個の茶碗にこの養生を施した茄子紺の顔料を塗布する際に器を汚さぬための養生
始めた頃を思えば手早くなった我慢して手を抜かずに繰り返してきた成果だ極細の0.5㍉テープの接着力は極めて微弱力を使って定着させることは難しい
今日これからこの茶碗に紋様の糸を貼る本番はここからである

狙いはいつもの通り　こんな感じ



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