定番サラダ

もう4～5年になるだろうか欠かすことなく食べ続けているこの野菜サラダ我が家では毎朝の定番中の定番である結構大きな皿に盛ったたっぷり目のボリューム手で千切ったレタスがベースシャリシャリ感を味わいながら食べるこれだけでも満腹感さえあるそれに1～2枚のベーコンエッグに旬のフルーツ二切れほどをトーストに自家製のマーマレードあるいはブルーベリージャムなどを塗った一枚と共に食べる絵に描いたみたいな朝食だが物語としてならこの朝食のコアはレタスにある

私の地元で明治初期から100年越えの老舗の当代で学校が同窓のせいもあって親密なつきあいの出来る先輩にSさんがいる二歳年長の兄貴分である



「空いた工場の一角で水栽培のレタスの研究を始めたらこれが面白いんだよ」発端はここでそれが確か5～6年前の話しだったもともと何事によらず研究の好きなお方で流石に大店の当主やるときはやるなと一目も二目も置いてきたし「おまえを師と仰ぐのはなぁちと悔しいが・・」と言いながら
私の工房に通い陶芸でも研究を始めた方である千本ノック完遂の二人のうちの一方はSさんなのだ
初心の内から迷わず奨めに従って千本ノックを実行したのがこの方全くの初心が一気に千個の湯呑みをロクロ挽きしたのがこれである数はやはり大きな力だと思う


研究のターゲットは青白磁さすが老舗の数寄者やきものの研究も目のつけ所が違う青白磁は旦那芸の王道でもあろうか釉掛けの苦労を語る口調もそれらしかったなにしろ茶碗が出来る前に既に敷地内には茶室が用意されている


やがてその一角に作った工房も
もっともらしくなってきたころレタス栽培のシステム構築が多忙になって大店の当代らしいといえばらしいが暫くお休み・・と不要な道具は私の工房へ寄付で終わった

「ちょっと意見聞かせろよ・・」時々疲れを癒すかのように工房に現れそれは今も続いていてその折りにはまるで夜逃げの手荷物みたいに大きなビニール袋二つ三つに一杯のレタスが届くこれが美味いのだ柔らかくて歯ざわりがよくなにやら栄養学的な研究も加味されているとか家内もべた褒めのレタスである爾来4～5年頂いたレタスを分厚く敷いて我が家のレタスは定番に定着したのである今朝も美味しく食べた
足りない時は押しかけてねだることさえある訴えられないのは後輩とはいえ陶芸の師匠の来襲だから・・だろか？先輩とはいえ一所懸命教えといて良かった
このサラダそんな関係の所産なのである

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