時を紡ぎながら

数日前まで素焼きの窯で冷めるのを待っていた盆栽鉢が眠りから覚めるが如く動き始め



新たに挽いたカップが仕上げ削りを済ませて素焼きの窯入れを待っているその横で素焼きから出た茶碗が加飾のためのマスキングのため時間の調達を待っている



素焼きの直前に六角鉢に仕立て直された丸皿は水洗いで削り粉を清拭されて糸抜きの始まりを待っている


準備を済ませた素焼きたちは思いついたデザインを実現するためにじっとスチロールの箱の中で待機中だ


決まればこうして糸が貼られ茄子紺の染色待ちである


これは茄子紺で染められる


プチ盆栽鉢の彩色テスト時間に乗る作業時間を待つ作業


たいていのことは「待ち・・」を繰り返しながら「今のうちに・・」で終わる


大きな窯は5個や10個の器では焼けない空気を焼くだけになってしまうからだだからすべからく作業は収斂して本焼きの窯を程よく一杯にする作業なのだ
その段取りを案配するそれが陶工の仕事なのである

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