追い込みの気忙しさ

納品搬入の日取りが決まってくるとやはり気忙しい気分に追われるコンテナの中に残っている幾つかの素焼きどこまでやれるかな？助手さんがついていて「ここまででなんとかなりますよ！」そうだとどんなに気がまぎれるかもっと！もっと！と攻めたててくるもう一人の自分との戦いいつになっても慣れることのない追い込みの気忙しさである



昨日もどうしてもテストしておきたいものがあって早朝から豆窯で本焼きを始めたその結果次第で数日後の最後の窯詰めにどう生かすか毎度のことながらタイトロープなのである


このところ予てから使ってきた顔料や釉薬の残量が乏しいことに気づいて新たに調整したのだがこの新品の調整はちと怖い何かで微妙な違いがでることがあるからで安定した再現を邪魔する大きな要因なのだ
濃すぎたり薄す過ぎたり隠し味の計量間違いとか老いの記憶劣化はこうした場面で実に不安な確かさに変貌していて自信がなし崩しに消えてゆくことが多い


釉薬自体が濃すぎたか？あるいは吹きつけのガンのノズル調整の変化で望んだ表情と違ってしまうことが恐ろしい光らせたくない！たったそれだけでも不安材料には事欠かない
使ってるうちに調子があがってくるこれ若者の仕事の特性だが・・たぶん!使ってるうちに調子が狂ってくるこっちが老人の特性・・かも？
記憶が手に覚え込ませたもの老いはそれさえ奪い取ろうとするかのようだ

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