遅れて来た「発見」

つい先日のこと準備作業として丁寧に養生した後


肝腎の糸貼り作業にかかったがそもそもこの市松紋様はひとこまづつ作業をするとハサミやカッターで切り離す量が多くなる色々事件が起こるのはそうした鋭い刃物が必要な時が危険この時も小さなカッターの刃が問題を起こした
大した力を使ったわけでないのにピーンという金属音をあげながら皿はふたつに割れて壊れた
ご覧の通り縦一列に通しで糸を貼って不要な小間の糸を切り離すつもりの作業だった小さなカッターの鋭い刃は時に曲者である


昨日また同じ皿に挑んだ面倒には慣れているが刃物の危険はできるだけ避けたいそれでいて時間の節約も無視はできない
何かい方法はないかと自問自答は独居工房のいつものことであるいつも通りをやりながらも新しい手法を考えていてふと思いついた
今頃？って言われそうだが正に遅れて来た発見である
ひとコマごとに貼った糸を残すコマと剥ぎ取るコマに別れるが下に直角方向で糸が走ってるコマの上に今から貼る糸が下糸と密着しないように当て紙を置いてみたのだこんな感じである


やってみたら下糸と接着して剝れなくなるリスクはゼロこれはこれで遅れて来た発見だったがもうひとつ更に上をゆく大発見に気づいた
直接下糸の上に貼るとその密着の危険もあるがそれ以上に密着してしまった糸を剥がそうとして両隣の今そのために貼っている糸が剝れてしまうリスクが大きいのだ
便利なようでいてそうでもない当て紙にどれほどの効果があるか？それが・・あったのである！
この写真が正にその瞬間なのだが当て紙の上だとハサミが使えて貼った糸の下をこじ開けることができるのだカッター不要が先ず一番その上切り離した糸の断端は下糸の上だと密着しては困るが当て紙の上ならむしろしっかり貼りついてくれた方が両隣に影響しないのである
昨日に引き続きアホみたいなややこしい話しで恐縮だが職人ってこんなことで僅かながら自分の仕事の裏づけを作ろうとして苦労するものである


古今どちらが時間短縮だか計ってないが気分は改訂版の方が速そうであるしかしその気分が案外大事なのも職人気質なのかもしれない
同じようなことで思いあぐねておられるご同業がいれば「こんなんもありかも！」
互いに切磋琢磨で如何でござろうや「困難もありかも！」変換押したらこう出た因果である

焼けばこうなる・・予定？
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