Place to be

大坂なおみ　4度目のグランドスラム優勝1970年代からこの方キング・エバート・ナブラチロワ・グラフ・ウィリアムスと見てきた私にはこんな時代が来るとは想像もできなかった
数時間の試合だが勝てば数億円の賞金世界中に放映され瞬く間にスターである
世界ランキング50位辺りから話題となり見ることのできる中継を見ながら錦織クンの後を追え！と注目してきたがあれからたった4年23歳の大坂なおみは世界が認めるチャンピオンである
同じ23歳のころ初めて海外に飛び出した私には欧州はまるで月世界のように遠かった羽田空港から飛び立つ旅客は年間3万人今の羽田なら半日分にも届くまい
1㌦が360円で持ち出せる外貨は100㌦に＋2万円合わせても5万6千円でしかなかったそれでも給料に換算すれば2ヶ月分だったろうかいずれにせよ飛行機を市内バスのように使いまわして世界を駆け巡る大坂くんとはけた違いまだ日本は貧しかったのだ
しかし今や世界に伍して豊かになった日本同じ青春を通して遥かに眺めれば何とチャンスに恵まれた時代ではないか


歴史が教えてくれる現実はコロナ禍に不自由の限りを押しつけられてもなお大坂クンに訪れた青春のチャンスは誰にもあり得るということだ
男女同権の喧しい昨今だが男女を問わず平等の根源的な価値は機会の均等を守ることである
努力に平等はないがチャンスは誰にもある彼らがストイックに費やした人生の時間は同じ努力をすれば同様の結果を得るチャンスがあると示唆している旧世代からみれば羨ましいほどに輝いて見えるのだ
Place to be　居るべき場所とでも同じく素晴らしい青春を見つけたジャズピアニスト上原ひろみさんの楽曲のタイトルだが
彼女が描いたこのバラードは自分の居場所を得た人生の安らぎどこまでも穏やかでやさしい
多分コロナ禍の向うにある新しいライフスタイルが予見するものはPlace to be　かもしれないそんな気がする
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