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箱書き

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やきものの場合
作品の由来や作者名を残すために
器を納めた桐箱に自署する習慣がある
日用の食器などではあまり聞かないが
茶道 華道などでは
必要に応じてしきたりに従うことも多い

必要があって
昨日は久方ぶりに箱書きすることになった

箱のどこに自署するか
蓋表 蓋裏 身の脇 身の裏
色々あるようだ

普通は蓋の表裏が多い
これは蓋裏に書いた


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作品名と作者名を自署したら印を押す
いわゆる「落款」である


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桐箱に納めた器は
その仕掛けの大仰なことから
使わない時には
箱に戻して保管することが多く
その時に器を包んでおくのがうこんの黄布
その角にも印を押したが
これはするしないどちらでもよさそうだ


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続いて陶歴書
作家の経歴を書きつけたもの
どんなキャリアの作家かがわかるためである


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納めるべき器がこれ 今回は日用の茶碗
茶道具ではないが
ゆえあって共箱を使うことになった


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先ず薄葉紙といって
透けて見える薄紙の包装紙で包み
その上からエアパックなどで保護しながら包む

エアパックがなかった頃は
綿を薄葉紙で包み器の周囲を巻いたりもした

器を使い始めたらこうした梱包材は捨て
「うこん」でくるんで納めることが多い



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出来上がればこうなる
器の上にうこんと陶歴書を乗せて
蓋をすれば終わりである

開けてくださった方が
蓋裏の落款を見 陶歴書に目を通し
薄葉紙を解いて器を手にしたら
それをうこんで包む
そして
使っていただく日を待つことになるのだ

こうしたしきたりが
世界中どこにでもあるとは思わないが
陶芸が茶の湯などとの深いつながりで
道具を大事にする心持の表れと思えば
400年からの年月を重ねた古い器も
壊れずに残った理由が垣間見えもする

結構手間のかかる作業ではあるが
こうした時間が
茶碗に単なる器として以上の
思い入れを込めるいっときにもなるのである


ロクロが上手けりゃそれでいい筈の陶芸家も
毛筆自署が必要だったり
しきたりに精通しておくことも大事とか
色々な巾を要求されてくる
ロクロの前だけで済まない仕事でもあるようだ


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Commented by unburro at 2020-08-02 11:43
なるほど、作家らしい字を書かれますね。
繊細な中に、勢いがあり、作風と重なりますね。
(生意気言って、すいません…)
筆の字には、やはりお人柄が出ると思います。

作品と箱書は、茶陶でなくてもセットで楽しむ部分があり、
ウコンの生地の厚みや落款、陶歴の紙質やレイアウト、
桐箱の作りや、真田紐の色合い、などなど…
全て、作家のセンスを反映する作品の一部だと思います。

作品は、まあまあ良いのに、箱書が乱暴だったり、
陶歴が、読み難かったり、エラそう?だったりすると
ガッカリします(笑)

touseigamaさんは、全て、私の好みです♪
(またまた、生意気ですいません。)

紐無しの合わせ箱なのも、紐を結べない方が増えているので
喜ばれるかもしれませんね。
桐箱ではなく、器をしっかりとした紙箱に入れるのも、OK。
若い作家の、普段に使いたい器などは、「箱なし、でいいよ!」
って、持って帰ることもあります。ケースバイケース、です♪
Commented by touseigama696 at 2020-08-03 10:03
盆栽さんの直コメご笑覧多謝です
筆のこと 冷や汗ものです
実は小学校時代書道選任の先生がいて
しきりに煽られていっとき夢中でしたが
受験で途絶え その後中学にも選任がいて
それがなんと楷書の大家植村和堂さんでした
それまでが楷書でなかったので
こっちでは直されてばかり しまいに
嫌気がさしてしまいそれまでのことでした
でもまぁ少し筆に慣れていて誤魔化して書いてます(笑)

今回は飯茶碗のことでしたから
大げさかもと思って紐は外しました
しきたりは面倒なことはあっても
長い目では大事な仕種 大事なところで
落ちつきを維持できそうな気がします
一期一会だって決して容易なことではなく
人がひとに面倒を尽くすからこそのつながりは
あなたと刀自さんに色濃く拝見したことですからね

以前はほんとに綿を薄葉紙で巻いて包んでいましたから
数があるとえらいことでした
今は少々手抜きかもです(苦笑)
Commented by jyon-non at 2020-08-03 18:32
私の思ったことは、touseiさまの美しい手です。何て申し上げればいいでしょうか。

お手そのものが、tousei様なのだなということです。

まぁ、お心と、一体になっているともうしあげればいいのでしょうか。

心から湧き出た思いを、優しくそして忠実に受け止めて、tousei様の語り部

の役目をはたしているような‥そんな尊い感じがしました。

改めて、頭が下がりました。・・
Commented by touseigama696 at 2020-08-04 09:08
jyon-nonさん

ありがとうございます
そういえば今年
私の手は何時になくきれいです
皸もできず 痛くもありませんでした
理由はこんなに丁寧に朝晩手洗いを
したことありませんでしたから
きっとそのせいです(笑)
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by touseigama696 | 2020-08-02 10:32 | ○陶芸雑感 | Comments(4)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696