釉掛け・窯詰め

ここ数日ひたすらに茄子紺の顔料を塗ったりあるいは黒土に黑の絵具を塗ったり手のかかる作業を進めてきました　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

教室があったころは明日は教室となれば自作の仕掛り作業分は片づけ掃除もして教室用に整えたのですが
今はそうする必要もなくなったので夜はそのまま・・朝はそこから・・楽にはなったけど汚くもなりました



しかし仕掛りの作品の管理はきちんとしないと作品を壊したり汚したりは困りますからコンテナに分類して作業を続けます



茄子紺だけでなく白化粧を吹きつけたり黑絵具を塗ったり色々と多種に加飾したりもするので
「これは何をする予定なんだっけ？」いつも自問自答の行ったり来たりです
」

そうそうこの撥水剤マスクもあります糸のように幾何的な極細紋とは違ってエイやっ！のフリーハンド自由の範囲が広いぶん糸を貼るより緊張を強いられるところもあります



同じ黒土を使いながら黑々板だけでなく白黒板もあって気をつけていないと手順を間違えます



定番にできるほど数をこなしていませんが糸貼りとの対比で制作に巾ができるならやってみる価値はありそう



加飾を終えた作品に最後の釉掛けです危なっかしい湿台ですが作品との間に板を入れたりするとその板にコンプレッサーの噴霧がぶつかって作品の高台周りに届かないことがありこうしているわけです



これが愛用のガンです狙ったところに一直線の射撃は慣れれば結構満遍なく均等にが叶います



新工房に転居した折に新しくしたコンプレッサー旧房時代は古い機械だったのでまるで機関銃を撃ってるみたいな騒音に悩まされましたがこれは静かで早朝深夜でも作業可気が楽になりました



私の作品は殆ど３号石灰釉があれば足ります教室時代が嘘みたいに釉瓶がなくなり原料も不要　攪拌のミルが動くこともありません




釉瓶にずっぽり浸すズブ掛けでなくコンプレッサーで薄くあっさりと掛けるためにズブ掛けに比べるとデリケートです



陶芸をする方ならお判りですが濃く掛ければ真っ白になる釉薬下の那須紺が見えるほどの薄みです



終ったものは汚したくないので窯詰めしてしまいます
以前と違って自作だけの窯焚きですから溢れる心配はありません隙間のことは気にせずゆったりと詰められます



これは古い写真ですがガス窯で焼いていた頃の窯詰め教室作品は大小さまざまで積み残しのないように詰めるには接触ギリギリの工夫が必要でした
そのせいでしょうが棚に並んだ大量の作品を見ただけでこれは詰められそうかそうでないかは一目で分かったものです
毎週のように素焼き一回　本焼き一回三基の窯を駆使しての徹夜仕事６０代は元気でした



焼きものは窯の中で収縮することはあっても膨張することはありませんだから紙一枚分でも離して並べれば焼きあがった作品の隣り同士がくっついて離れないはないのです
窯詰めの妙はその紙一枚の隙間でしたが今はご覧の通り雑誌一冊分の隙間随分と気楽ですが
窯には窯の言い分もあってあまりに少量で焼こうとすると不都合もあります
重い軽いと言いますがびっしり詰めれば重い窯少なければ軽いというわけですがそもそも焼成は焼きものを焼くために先ずは窯自身を焼いて熱くするのが先鉄板が熱くなければステーキは焼けない
同じ理屈なのです
軽い窯だと空気を焼いているみたいでどんどん炉内温度だけが上がってしまうし冷めるのも速くて発色に影響もするのです
炉内ではソーシャルディスタンスは不要肩触れ合う寸前のスタンスが理想なのです明日も続きを窯に詰めて週末に焼きます

大きな作品でもなく大量の作品でもない今の仕事ぶりは後期高齢者の仕事としては実に頃合いな塩梅関係者に多謝・・というわけです

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