鼎の軽重

カテゴリー「違和感」のロゴ私の似顔絵やめてこれにしました続くと気恥ずかしいからです


「鼎の軽重を問う」古い言葉である
若い人だと意味もさることながら読み方だって判らないかもしれない「かなえのけいちょうをとう」と読む意味は頭上の冠の重さで権力者の実力を疑うことだから通常権力者は言葉を選び　慎重にではあっても過不足なく決然として国民の信頼を得る努力をするものだそれが鼎の重さだからだ
一昨日だったか総理の会見を見ていてふといつもの違和感に襲われた
「このＧＷが極めて大事な期間であり専門家会議のご意見を伺い改めて国民の皆さんにご協力をお願いすることにしました」「専門家のご意見を伺い」　総理はそう言った
専門家への敬意は否定しないしかし危急の折最高責任者としての毅然とした姿勢を貫くならここは敬語ではなく自身の立場を示す言いようであるべきだ総理大臣は国民と専門家をつなぐメッセンジャーではない
「専門家の助言を熟慮した上で責任ある総理大臣として私は・・」そうとでも言わないと先日
「私が責任を取ればいいという問題ではない」のあの失言の不名誉さえ奪還できないことになる
更に別のテレビ番組では総理が記者会見の答弁をしている最中「総理の答弁が続いていますが次の話題に参りましょう女優の○○さんが不幸なことに・・」終わりまで喋らないうちに切られてしまったのだ
最後まで聞くほどのことがないとしても総理大臣の扱いの軽さ　評価評判のこともあろうがいくら何でも礼を失するメディアの姿勢もやはり違和感だった
確実に鼎の軽重は問われている冒頭この言葉の意味は「頭上の冠の重さで権力者の実力を疑うこと」と書いたしかし更にもう半分の意味もある「実力なしとみれば鼎を奪いにかかる」ここでの問うは疑って後奪うにあるのだ
つけ加えて書けば奪いにゆこうとする勢力が見えないってこと政治の世界では大きな不思議だがそれが三つ目の違和感なのだった


旧作　初期の「糸抜き天衣紋四方皿」


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