もりながクンのCucina

もりながクンのCucinaが開店した私にはいつもの新年みたいなものだがもりながクンとその愛妻クンには人生の一大事生涯忘れることのない新年に違いない



初めてもりながクンに会った頃彼はお茶の水の山の上ホテルで修行中のシェフだった「いずれ自分の店を持つ！」が熱っぽかったあれから何年になるだろうその夢が目の前で形になった



市川駅から歩いても５分ほど繁華街をチョロッと脇道に入ってすぐふり返れば人混みはなく隠れ家への入口が目の前だそこがもりながクンのCucinaである




隠れ家も今日は表舞台華やかに装いが届いているおめでとう！




カトレアがめっぽう別嬪に見える朴訥な人柄が滲む笑顔がもりながクンである彼がこのCucinaのオーナーシェフ先ずはこの笑顔が馴染みになるまで新婚の美人妻は切り札とかで今は顔を見せないことにしたがいずれ彼女がきっとこの城の主になるそう信じるにはそれなりの根拠があってきっとそうになるに違いない




彼の八寸　和の前菜で始まった季節感を伝えるひと皿は胃の腑への目覚まし時計一品づつ工夫の跡を聞いたが食材の吟味に彼なりの美学も垣間見え一所懸命を感じたのだった



カウンターを合わせても１５人に満たない客席小さな店だが大きな希望を抱けよ長いこと私の工房で陶芸を楽しんでいた彼の母堂彼女と同じ気持ちでそう応援している




やがて私のパスタ皿にパスタが盛られた彼の原点はイタリア料理和とのコラボに個性を作るのがライフワークとか




ジビエが人気の昨今このパスタにはシカ肉が使われている「北海道から常備できそうなので色々作ってみたいです」
レシピはシェフの顔美男と言われるよりも「いい男」になれよ男も料理も味が大事だもんな




今が旬のぶりシャブここでも　simple is best日本語に直せばそれを「旬」というのだろう
ここでしか食べられないというシェフスペシャルの特別なアイスクリームを味わいながらCucinaもりながでのランチは終った
聞きつけて駆け寄ってくれる客も多く幸先の良い船出のようだが暫くの間は周囲の温かい目があってのことお近くにおいでの節にはお気軽にご利用いただければの応援団なのだ
尋ねたら客席が多くないのでお待たせせずに済むには予約が有難い由お電話いただければとのことだった
幼くして父を失った彼のその親父代わりのつもりでこの先を見守る応援歌になればと願っている



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