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物原

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物原と書いて「ものはら」と読む
やきものをしていれば
避けようのない失敗作を細かく割って
敷地の隅などに積み上げておく場所のことである

最初は穴を掘るが 
終いには平らを越えてうず高くなり
大きな破片の山ができるわけだ

しかし昨今 街中の狭い敷地では
そんな物原を設けておける場所もなく
少しづつ袋詰めにして
決められた処理場に運び
有料で処分してもらうのが普通
物原などという風情は消え失せてしまった

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10年ほど前 ふらりと訪ねた
岐阜県大萱の牟田洞古窯跡

今は気儘に触れることはできないが
それこそ物原もあって 志野焼のやきものは
瀬戸ではなく美濃で焼かれたものだと
発見されたのは
その物原で見つけた破片からだった

陶工たちの無念を秘めた破片が
日本のやきものの歴史を塗り替えた
物原の残滓は決して失敗そのものではない

現代の陶芸は
窯場であるよりは陶工個人に依存し
物原から辿る秘密は既に遠い昔の話であろう
物原(ものはら)
言い知れぬ哀感を仄めかすこの言葉
好きだが段々に時代からは遠のいてゆく

我が家の旧房時代
多少敷地に余裕もあって
裏庭に物原らしきものができたが 転居の折り 
無情にもシャベルカーの餌食となって
いず方へか持ち去られて終わった

今の工房にその余裕はない
だから少し溜まった破片は
近いうちに処理場に運ばねばならない

「産業廃棄物処理」
どうしても違和感を禁じえない言葉である


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採泥鉄赤鉢 自作





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by touseigama696 | 2019-04-08 06:44 | ○陶芸雑感 | Comments(0)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696