人気ブログランキング |

自尊心と羞恥心

d0085887_21103327.jpg
この海はヌーディスト・ビーチじゃありません
房総九十九里浜です

---------------------------------------


既に逝ってしまった友人だが
ここでも旧友のカメラマンSさんの話
若い頃頼まれてアメリカのフロリダ辺りで
ヌーディスト・ビーチの取材をしたことがあったらしい

今でもあるのか詳しいことは知らないが
「ヌーディスト・ビーチ」「ヌーディスト・キャンプ」
日本人にはあまりリアリティーのある素材じゃない
でも当時は多少興味もあって出かけたとか
その時の話がこうだ

「オレはヌーディストじゃないから
スウィム・パンツ着用したよ
オレ以外は勿論スッポンポン

当たり前だけど
誰も恥ずかしそうになんてしてないさ
だけど1時間ほどして何か妙な気分に襲われた
オレの方が恥ずかしくなった
パンツ履いてるオレがだよ・・解ってきたんだ
つまり周りの大勢が裸なのに
オレ一人がパンツ履いてると
恥ずかしいのはオレの方になっちゃうってことさ
でね・・脱いだよオレも
誰も冷やかしたりもしない・・どうってことないのさ
そこから先はオレもスッポンポンだから
何の遠慮もなしに近づいてアップで迫った
オレも会員になれる・・羞恥心の本質が分かったからね

ひとことで言えば
銀座4丁目を水着で歩けって言われたら
大抵の人間は恥ずかしい
周りはみんな背広やワンピースだもんね
なのに鎌倉の海岸でスーツでネクタイしてたら
恥ずかしいのは・・どうやらこっちになる

そういうことなんだよ・・ヌードもね
つまり人間が持ってる羞恥心を含めたこだわりは
状況を変えれば真反対になり得るってことさ
「今まで何でこんなことにこだわったんだろ?」

幾つか思い当たることがある
若い頃同級生の友達と一緒にさる結婚式に招かれた
一般的には常識だろうが
黒のフォーマルかせめてセミフォーマル位は
着用の義務ありだなって言ったら
「ヤダよおれ そんな目立った格好
普通の背広で行くさ」
そんなわけで彼は会社に出勤するみたいな
ビジネススーツでやってきた
まぁそれなりの家格の結婚式だったから
案の定全員がフォーマルで出席してた
良し悪しは別にして結局一番目立ったのは
一番目立ちたくなかった彼だった

もう一つある
もう10年になるだろか
胆石が暴れて手術の羽目になった
メチャ痛い激痛から解放されたものの
ベッドで安静を強いられていた術後のある日
何人かの看護師さんが束になってベッドサイドに来た

「誕生日おめでとうございま~す!」と言われた
そんな気分にはなれそうにない日々だったが
言われてみれば誕生日その日のこと
「ありがとう!!」礼を言った

看護婦のひとりが花を置いてこう言った
「お誕生日の」お祝いにもうひとつ・・
何だか判りますか?」
「???」
「あのねお祝いに三人で体を清拭しながら
お尻も洗ってあげますね!(笑)」だった

還暦は過ぎていたはずだが
それでも一応羞恥心くらいは残ってるから
「いよいよ!」と言ったものの許されはしなかった

手慣れた仕種であっという間に裸にされ
清拭とお尻洗いは終わった
そしてこの瞬間
私は長年の自尊心を失い羞恥心も消えていた

あの日以降二度目のお尻洗いの刑はないが
あっても多分「ありがとうね!」でにっこりしそうだ
人間のこだわりなんてきっとそんなもん
かたくなに体を緊張させて自尊心や羞恥心を守ってみても
殆ど大したことではない
するがまま されるがままがいいことに気づいてはいる

それはそれなりに老いの収穫だとは思うが
もう一つだけやたら背の高い壁が見える
「しもの世話」って奴だ

こいつのことを考えるのはもう暫く後ってことにしたいな


d0085887_21235782.jpg
糸抜き那須紺麦藁手鉢 自作





応援してくださる方・・クリックしてね!!

Commented by BBpinevalley at 2019-02-28 06:52
美しい手鉢ですね。
惚れ惚れします。
一肌も二肌も剥けて、お尻の刑も済ませれば、こんな作品に到達?(笑)

ヌーディストビーチ、参加したことはありませんが、ロシアンリバーの対岸から目撃したことはあります。
釣りをしていたのですが、向こうから手を振られて、呆気にとられました。
バークレーには、「裸主義」の生徒も居て、素っ裸の上にバックパックを背負いクラスに来る。カフェにも来る。
彼らが座ったあとの席には、どうも座りにくくて…
やっぱりこれも多勢に無勢の法則で、私は多勢側に属してたのですね。
それでも、アメリカ生活自体は、私の皮を何枚も剥いてくれたと思います。
というのか、剥かれたり被りなおしたりしながら、自分形成したという程度。

桃青窯さんのような作品にはなりませんでした😂
Commented by touseigama696 at 2019-03-01 04:45
BBpinevalleyさん
ありがとうございます
我が家で何日過ごせたかを嘆くあなたと
我が家から何日出歩ける日があったかと
いささか情けない新年の1ヵ月半でした(苦笑)
この差が歳の差ですね ご活躍を拝見し
羨ましさが募ります

昨日は話題の首脳会談 不発で大騒ぎ
こんな外交って珍しいなとあっけにとられました
まぁ世界中でプロのいない政治劇 いささか不安です
席をたって互いの飛行機と汽車に乗るために
一体幾ら金をかけたのか収支が合うんでしょうかね
トランプさんは帰国すればスキャンダルネタのつけが
まわってきそうらしいとか内憂外患ですね
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by touseigama696 | 2019-02-28 04:53 | ●エッセイ | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696