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写真に見えないもの


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黒いホリゾントの上で輪郭を失った黒い器
だからなおのこと柔らかな丸みを感じさせ
写真ならではの表情がある


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スウィートピーが揺れると
風がそよぎ光りが走るようだ
花弁の柔らかさは幼子の頬のよう
目で見るよりずっと優しい
写真だとそれが伝わるにちがいない


いつだったか
古いメル友さんにこう言われたことがある

「やきものはいいよね 写真に写せるから・・」
彼女は香りが仕事だった 香りは写せないから 
きっとそれが言いたかったに違いない

勿論正面切って否定するものではない
だが一面の見方としてなら

香りが写せないのは確かにそうだが
なら詫びとか寂びを撮ることができる?
そう問うてみたい

撮っているのが茶碗だとしても
その茶碗で表したいものが
茶碗の上に見えるかは別のことだ

美術でも工芸でもきっと同じだと思うが
表現芸術というものは
見えるものを通して見えないものを伝える
そこにメッセージがある筈なのだ

逆に言えば
見えてしまうものを見せないことで
伝えたいものだけに捨象することともいえる
これは感性ではあるが技術でもある
伝えたいメッセージが
オブラート一枚の焦点深度に浮きあがるのは
決して偶然ではない 消したものの確かさにあるのだ

素敵な写真が掲載されたブログにお邪魔するたびに
そうした作者は文章力にも卓越していることが多いことに気づく
目に見えないはずの感性が見えてくるのはそうした瞬間である





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Commented by unburro at 2019-02-17 22:12
生意気な女子学生であった私は、就職試験の時、履歴書に
何か人と少し違うことを特技にしよう、と
深く考えずに、趣味特技の欄に「写真」と書いたところ、面接で

「いい写真を撮るには、どんなカメラがいいですか?」
と質問され、一瞬、目の前が真っ白になりかけましたが、

「いい写真を撮るために大切なのは、カメラではなく、
何を、どう撮るか、撮影する人間の感性だと思います。」

と答えた事を思い出しました。

全くのメカ音痴、カメラもレンズもろくに知らなかった私の
捨て身の反撃?でしたが、無事にその会社に就職出来ました。
咄嗟の思いつきの中にひとつの真実があり、それを分かってくれる大人がいた…
良い時代だったんでしょうね〜
Commented by mother-of-pearl at 2019-02-18 01:40
素晴らしい写真の数々を見せて頂きながら、更に深い表現を見逃さずにいる心得を説いて頂きました。
香りを写真で表現できるとしたら、どんなものになるのでしょう。

創造力豊かにキャンバスに描いていく絵画とは異なり、現実を写し出したはずの写真がもっと豊かに見えて衝撃を受けた日を思い出します。
アルフレッド•スティーグリッツの写真でした。
Commented by touseigama696 at 2019-02-18 08:23
unburroさん
ありがとうございます
その答えひとつだけでも面接合格ですね
写真に限らず生き方だってきっと同じ
センスは感性が培うものなんでしょうね
おとながいなくなってきた社会
センスのない経営者 政治家だらけで
大丈夫なのかな 心配ですね
次の句作楽しみにお待ちしています

Commented by touseigama696 at 2019-02-18 08:33
mother-of-pearlさん
ありがとうございます
決して写真に詳しいわけでも
勉強したわけでもありませんが
あなたがアルフレッド•スティーグリッツ
をあげられたのはなるほどです
感銘したあの写真 まさにストレートですから
正確な写実の上に表現があるというのは
やはり王道なんですね
かつて井上靖さんにいただいた色紙に
「私には正確なものだけが美しく見える」
とあったのを覚えています


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by touseigama696 | 2019-02-17 10:08 | Comments(4)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696