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「ナイショ!」の中身

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昨日の最後は「ナ・イ・シ・ョ!」で話を止めた
勿論本気の内緒ではない
病院のロビーでその都度呼ばれるのを待ちながら
病院に固有の複雑な隘路を整理して
患者さんが直感的に「よくできた病院だなぁ!」
と感じる患者本位の在りようを模索していた

丁度今から35年前新設の病院の開業に携わり
そのまま事務長に就任した私にとって
在任15年リタイアして20年になるが
病院はいつでも大きな関心事であり続けた

昨日の「ナ・イ・シ・ョ」はそこから始まる
昨日を読んでいただいたとして続けてゆこう
待たずに会計や処方を済ませるにはからである
これが可能だったのには幾つかの幸運もある
ひっくるめてそれが時代だったのかもしれない

そもそも私が病院開設に呼ばれた理由は
「患者さんを待たせない病院にするために
どうしたらいいか知恵を貸してほしい」だった
まだコンピューターによる情報管理のシステムはなかった


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求められて私は私見を述べた
それはかつて在籍したテレビの番組制作でのシステムのこと
我々はそれをインカムと言っていたが
例えばスタジオ番組の場合
現場を指揮するディレクターが発する指示を
他のスタッフは全員ヘッドホーンで聴いている
「1カメさん!○○に寄って!」この指示は全員に届くが
動くのは1番カメラのカメラマンだけだ
50人いても自分宛ての指示だけを聞いて動き全体が流れる
全情報の共有化 これがインカムシステムである

病院の診察室では
担当医師がディレクターである
この患者さんにどんな病名がつき
どんな治療が行われ何が処方されるか
画像撮影の有無 検査の種類 入院の要不要
患者さんとの会話の中で次々と方針が立ってゆくが
それをいち早く関係スタッフに知らせること
それがインカムであり 結果として全ての準備が早まるわけだ

全員がヘッドホーンというわけにゆかないとしても
所定のスタッフの待機する場所に小さなスピーカーをおけばいい

診察室で今何が行われ これから何が要求されるか
同時進行で判ってれば迅速な対応もできる
それを私は進言したのだった

結果的にはこの考え方を原則にしたが
更に一歩前進させて開院までに
医師の指示は院内コンピューターで各所に伝える
それが可能になってきた ところがここが時代だが
医師全員がパソコンのキーボードを
ブラインドタッチで打てる段階にはなっていなかった
手書きカルテの時代だったからだ

そこで更に一手進め 診察ブースにパソコンを置き
専門のセクレタリーを配して
医師と同時進行で診療内容をインプットさせ
各部署に送信したのだ
最後に医師がサインし確定すれば各部署の作業も終わる
これだと未処理のまま停滞することがない
ひとりの患者さんが終るまで次の患者さんを打つことはないからだ

ブースごとのセクレタリーは
勿論教育して医師が手書きするカルテを
隣りで同じ速度で打てるから
全ては二人の間で同時に終わることになるのだ
別室で打つ事務処理と違って
医師とセクレタリーの作業のシンクロは
迅速化の最大の要素だと思ってた

だから患者さんが身づくろいをしてブースを出る頃
薬局のアナウンスが薬の呼び出しをし
会計が支払いを促すこともできたのだった

当時としては結構珍しがられて
他院の関係者の見学要請が多かったのを覚えている
やがてパソコンが一段と進歩して今や
壮大なネットワークを取り入れスタッフもこなしているが

最後にひとつだけ考えてほしいことを書こう
病院業務のデジタル化は驚異的に進歩したが
それを開発した企業から買うのは病院であって患者さんではない
ここに大きな問題があると考えてほしい
業者さんが言う便利の受益者は患者でなく病院だということ
病院にとって都合がいいから高額でも売れるのである

もし昨日書いたのと同じように逆説的真理の原理に従えば
病院には不利益にみえて実は
患者が待たずに済むために最大の効果を備えたシステムが
それを導入することで絶大な患者の支持を得て病院が繁栄できれば 
それこそがシステムの勝利であって
繁栄してる病院がその繁栄を職員に還元して不満が生まれることはない
経験からなら確信をもってそう言える

今使ってるシステムを逆走させると病院には不都合?
ほんとにそうだろうか?考える価値はあるはずだ

かつて在籍した病院が今日どうなってるか
さすがにつぶさには知らないが
規模も大きくなったし スタッフも大幅に増えてる
決して容易なことではなかろうが
創業の精神 つまり
患者さんを待たせないためにどうすればいいか?
いつでも考え続けていてほしいと思う





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Commented by mother-of-pearl at 2019-01-30 22:15
ナイショのお話を読み進めながら、鳥肌が立ちました!

〉患者さんを待たせないためにどうすればいいか?
いつでも考え続けていてほしいと思う

そう願っています。何しろ病院に行くからには皆具合が悪いのですから。
その意味で、私は大変幸運な医師、病院に巡り会えたと思っています。手術を決意した時、その病院は移転後一年未満で、見た目だけではなく、そこで働く人々が生き生きとしていて、しかも受診のシステムも潤滑に動いていました。4年経った今も、検診の予定を入れつつ仕事も予定できます。
大学の名を冠した病院ですが、様々な科の医学生さん達は一年生の時は全員で寮生活が義務。その連帯感が病院内での連携プレーに生きていました。
病院という巨大システムのハード面での充実と同じくソフト面での築き方も患者に良き影響をもたらしていました。

長々と、失礼致しました。
硬いベンチを補う温かい配慮。そんな病院が増えると良いですね。
《病院に行かなくても良いのが一番ですが (^。^)》
Commented by touseigama696 at 2019-02-01 11:01
mother-of-pearさん
ありがとうございます
質の高い医療機関と繋がれると
こころの深いところで安堵するものがあります
患者サイドからだけでなく
病院側からもどうしたら待つ時間を減らせるか
これは終わりのない永遠の課題だけど
でもいつでも始めていないと追いつかない課題です
また書いてみたいと思っています
医の中の不買・・これで「いのなかのかわず」(笑)
不買だけでなく買ったぁ!も書いて
嬉しくもなりたいものです
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by touseigama696 | 2019-01-30 21:05 | ●エッセイ | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696