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わたし流『桃青窯ベース』構想その⑥ 木工パイプ

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このハンドメイドのパイプ作りも
若い頃に夢中になったひとつ

手前が自作のパイプで 奥がその原木である
ブライアーといい 木の幹ではなく根っこ
巷間 薔薇の根と言われたりするがそれは間違い
ツツジ科の低木でヒースというのが正解だ

地中海沿岸などの岩場に根付くので
岩に挟まれ育ちにくく実に硬い
そのお陰で煙草は燃えてもパイプは燃えない
当然だが細工をするにも硬くて難儀する
背後の原木を削って手前のパイプに造形するが
使う道具は殆どがヤスリである


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これも自作のハンドメイド
陶芸を始めてからは四半世紀だが
それまでに色々楽しんだ趣味の中で
陶芸に一番貢献した技術は多分この木工
手指だけを頼りに卵型のボウルを対称に削る
そのシルエットの作り方は
ロクロで卵型を挽くときのデリカシーに役立った
「目で挽くな! 手で挽け!」
誰に教えられたわけじゃないが 自分でそう感じた

このパイプは殆どシンメトリーだが
計測機器類は使っていない
今なら3Dコピーが有効だろうが
当時はそんなものもなかった
指で撫でまわしながら僅かなコブをヤスリで消し
手の後を目で追い
左右対称に近づいていったのだった


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これは非対称だが シルエットのラインに
僅かの破たんを許さずに曲線を描こうとした
ごつい鉄やすりから始まって紙ヤスリの1500番まで
シルエットを傷つけないように丁寧に削った
ニスの類の光沢塗料は一切使っていない
ヤスリだけで同じヤスリの傷を消して光沢を得る
最後の布バフをかけると自然な光沢に輝くわけだ

このパイプは名工のコピーである


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デンマークの名手ミッケの作品がこれ
年間10本しか作らず 1本100万円時代の
彼の作品を写真で見て写すというのは 
やはり大きな勉強だった


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今では世界的に禁煙 絶煙の時代
パイプの愛好人口は減った
ミッケ イヴァルソン ユリイ ノルト
などの名品も今はどうなっているか?である


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手許に残っている自作は僅かしかない
一本一本に懐かしさがあって
桃青窯ベースに持ち込んで再現してみたいが
多分無理だろう
自分が使うことのないものを作るとしたら
これほど張り合いのないこともない筈だ

煙草を止めて随分長い時間が過ぎた
ボウルの中で燃え尽きかけたパイプ煙草の美味さは
今でも記憶の中にある しかしだからといって
もう一度火を点ける気にはなりそうにない


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しかし造ることに目を注ぐなら
かつて木工パイプで自得した幾つかの秘訣は
陶芸でも共通したものだ

「目は邪魔 指の腹で見て挽け!」
「道具は自分で探し 自分で作れ!」
「仕種を揃えて リズムをつくれ!」
「迷ったら足すな!」

そんなことを大事にするために
パイプも工房に置いておきたい
「一芸は十芸に通じる」 今もそう思う 





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Commented by unburro at 2019-01-05 02:05
明けましておめでとうございます。

新年のご挨拶というには、ちょっと出遅れた感じ(笑)
三が日は過ぎましたが、まあ松の内ということで…
お許し下さい。

新年早々、プラトンなんぞの渋いコメントを頂き
ありがとうございました。勉強させていただきました。
元旦以降、点描やらパイプやら、誠に渋い技の数々を拝見し、
ふむふむ、ナルホドと、しみじみ納得している驢馬であります。

本年も、鋭い切り口と深い洞察を楽しみにしております。
どうぞよろしくお付き合いのほど、お願い申し上げます。
Commented by touseigama696 at 2019-01-06 14:36
unburroさん
良い新年をお迎えのようで
おめでとうございます
俳句は是非も勉強したいもののひとつ
二足の草鞋は無理と諦めていましたが
まだチャンスがあれば・・と
窺ったりもしています
あなたのブログも是非通読して
勉強させていただきます

成人式の次に来る儀式が還暦ですから
羨ましいほどの若さを大事に
大いに気をはいていただけますよう
プラトンとも話していたところです(笑)
「おい!」と「ねぇ~!」で行きますかぁ!(笑2)
どうぞよろしくお願いいたします
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by touseigama696 | 2019-01-05 01:09 | 〇わたしの流儀 | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696