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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

桃青と芭蕉

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私の窯は「桃青窯」と言う
この名を揮毫してくれたのは今は亡き親父
最晩年に私の頼みに応えて筆をとり
半日掛かりで数枚を書きあげ自分でこれを選んだ

桃青(とうせい)は
芭蕉が若い頃に使った俳号である


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親父同様すでに異郷のひとになったが
私の母親は俳句が好きで
句会に入ったりして楽しんでいた
芭蕉句を好み座右に置いてあったのがこの本

そんな縁からのことだろうが
私の祖母に本業とは別に茶舗を任せる際に
その店の屋号を「桃青園」としたのは
所縁を形にしたかったに違いない
私が未だ子供だった頃のことである

その桃青園も祖母が逝って閉じた
長いこと敷地内に空き店になっていたから
私が陶芸に転じて工房を作ろうとした時
ここを使うことにして「桃青窯」と名づけた

芭蕉さんには厚かましいが
言葉の字面も響きも好きで
俳聖には感謝しながら使っている

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この本は独特な構成で書かれている
目次もなくいきなり・・筆者の中山義秀氏は
深川の草庵に移って三年目の芭蕉に寄添い
そこから淡々と芭蕉の人なりと俳句を語り
芭蕉句にとどまらず一門の作句も引き合いで
長い旅の道中を書き綴っている
まだ通読していないが
今度は私が座右に置き是非にもと思う


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亡母が残した俳句 幾つかご披露しよう

 *まほろばの大和の晝の月と虫
  *咲き切って既に牡丹の空ろなる
        *時計草針あるごとく咲いてをり      
    *夏深し輕くなりたる洗ひ髪    
 *春雨や細身の傘をえらびけり


陶芸は俳句に学ぶことが沢山ある
「省略の極致」 
その最たるものがこれ
どんな小皿でも
その作りや加飾に無用は不要
言えても出来ぬ日々に悩まされるのだ


このブログでは「俳句」のカテゴリーで
拙句を幾つか記載しているが
ここにもちょっぴりご紹介を


*足指の先より秋の深まれり
 *野分待つ葉に力あり雨の打つ
 *落葉を串ざしにして光り落つ
*深々と息をしてみる寒の雨
  *秋風や振り向く少女の大人びて





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by touseigama696 | 2018-11-14 09:13 | ●俳句 | Comments(4)
Commented by mlainsaa831611 at 2018-11-15 08:05
初めまして。
私の拙いブログにご訪問とイイネをたくさんありがとうございます。
素敵なブログですね。また寄らせてください。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by zoushoin at 2018-11-15 23:35
こんにちは。
因縁深い趣のある窯名なのですね。
お父様の揮毫なさった字。素晴らしいですね。
ゆったりとぬくもりのある字。
父が子に。
母が好んだ芭蕉の句から。

お母様の句。
*まほろばの大和の晝の月と虫
*春雨や細身の傘をえらびけり

春雨の句は目に浮かぶようなたおやかな風情。
どんな方だったのでしょう。

 *落葉を串ざしにして光り落つ
眼を刺すような秋の日差しのするどさを「落葉を串ざしにして」とは一瞬を永遠にしましたね。

なんというDNAなのでしょう!

短詩系の中でも最も短い俳句はまさに、そいで、そいで、そぎ切った美。
陶芸の道にも通じているのかもしれません。
初めて見たあなたの作品の端正な印象も、まさにそれでした。
一切の迷いのない端麗さ。
すごい方と巡り合ったものです。

Commented by touseigama696 at 2018-11-16 07:30
mlainsaa831611さん
ありがとうございます
綺麗な花の写真楽しませていただいてます
これからもどうぞよろしく・・です
Commented by touseigama696 at 2018-11-16 07:38
zoushoinさん
ありがとうございます
過分なお褒めクラクラしています(笑)
親父は別に書家でもありませんが
さすがに明治の男は筆が持てるんですね
ほんとに遺筆に近いものでした
母親の俳句 生前はあまり目にしたことは
ありませんでしたが 遺品の中に綴じてあり
今頃読んでいます
陶芸が肩に重くなったら 俳句の勉強してみたい
と思わぬではありませんが 頭がついてゆくか
きわめて怯えています(笑)
俳句の省略は陶芸の何よりの立ち位置で
句作のつもりでロクロに向かいます
これからもいろいろ楽しいおつきあいが
できますようよろしくお願いいたします
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