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桃青窯696

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50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・

追いついてしまった「歳」

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昭和20年前後の10年ほど
私の父方の祖父母は・・叔父と同居して
戦争からの疎開とそれに続く混乱の時期を
茨城県のさる気象観測所の官舎で過ごしていた
叔父は・・その観測所の所員だった

物心ついた3歳くらいから10年
毎年春休みだの夏休みには
私は・・祖父母を訪ねて
広々とした観測所の敷地の中で
同じ所員の子どもたちと
泥まみれで遊んだものだった

観測所の正面入り口には
左右二基の石でできた地球儀が立っていて
観測所のシンボルになっている
近年訪れる機会が減ったが
この地球儀今もあって・・昔のままの筈である

訪ねれば・・まだヨチヨチ歩きだった幼い私は
決まって向かって左の地球儀の傍らに
佇む祖母の胸に飛び込むのが常だった

私はこの祖母にひたすらに愛された
仕事で多忙だった母親よりも・・居れば
もっと長い時間を祖母と過ごしたような気がする
今思えば・・最も祖母らしい祖母
下町育ちの母方の祖母の厳しさはなく
ひたすらに優しく穏やかな祖母だった

昨日・・古い写真を整理していて
懐かしい写真がでてきた
その祖父母のものである


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観測所の敷地内で撮ったもの
裏に叔父の添え書きがあって
父77歳 母70歳とある
いかにも長年連れ添った老夫婦の
自然な佇まいが穏やかな写真である

じっと眺めていて感慨深いものがある
このころの祖父母の感触は
声も温もりも・・耳や手に残っているが

祖父77歳は・・ほぼ私の今の歳
祖母70歳は・・私よりも若いことになる
私の妻は同い歳だから・・同じく祖母よりも上だ

今思い出しても
とうに現役からはリタイアして
文字通りの隠居生活
長男だった私の父が中心で
兄弟姉妹5人が奪い合いで面倒を見ていた
従兄たちもみんな・・この祖父母が好きだったのだ

やはり時代は変わったのだとしみじみ思う
このころの祖父母よりも
多分我々夫婦のほうが自分で出来ることは多い
体も動くし・・行動範囲も広い
そしてその分・・年寄りらしい穏やかさに
もしかしたら欠けるかもしれない


私が高校生のときに先立った祖父
我われ夫婦があと三日で結婚という間際に
待ちきれなくて亡くなった祖母
どちらも半世紀以上昔のことである

あの地球儀の脇に立って待つ祖母を
ひたすらに懐かしく思い出す
とうとう追いついてしまった歳
これも典型的な老人の懐古だろうか
だがそれでもいい・・と思っている





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by touseigama696 | 2018-05-08 09:18 | ●愛しきものよ・・ | Comments(3)
Commented by jyon-non at 2018-05-09 23:47
人は皆、それぞれの思い出や郷愁を胸に秘めて生きていますね。 

それは燦然と遥か遠くで輝いて、でも消えることなくそこにある気がします。

しみじみとした思いでのお話、聞かしていただいてありがとうございます。
Commented by jyon-non at 2018-05-09 23:49
ジョンのお話、胸に染みました。
Commented by touseigama696 at 2018-05-12 06:16
jyon-nonさん
拙ブログにお越しいただいて多謝です
懐古談が増えるのは老いた証拠ですね
でも・・無性に懐かしくなります
ジョンも同じです
何しろ新しい思い出ができるチャンスは
どんどん減ってゆく日々ですからね(苦笑)
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