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こだわりの原点・・と云えば

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明け方から
NHKの日曜美術館を見直していた
今開催中の日本伝統工芸展の受賞作の紹介である

丁寧に見てると・・それぞれの受賞作が
何かにこだわり・・一点他者の限界を超えて
新しい世界に踏み出しているのを感じる
さすがである

そして
自作へのこだわりは
自分の人生へのこだわりのように見えて
過ぎし日の全てを忘れず
今に生かしてこその芸のようだ
こだわりの原点・・忘れまじ
そんな思いで・・見ていた

同時に・・何度も書いてきたことだが
もしかして私の原点かもと思う・・こだわりを
引っ張り出して・・久しぶりに見つめた

真ん中の原木ブロックと
それを削って作った自作の木工パイプである



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これが・・ブライヤーという原木の根
これを粗目の鉄やすりから
サンドペーパーの1500番位までを
使い分けて削り・・磨いて作るのである
私の場合
ノコギリやカッターは・・一切使わなかった


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基本練習は・・このパイプのように
マシンメイドのパイプの左右対称のフォルムを
ハンドメイドの手やすりで削りだすことから始める


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やがては・・こうして曲線のシルエットを使った作品になる
これは
デンマークの名工ミッケのパイプのコピー
コピーも大事な稽古である


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ブライヤーの根は・・非常に硬い
地中海の断崖の・・岸壁に根を張る木で
ヌクヌクとは育たないせいで・・硬い根になる
だから煙草に火を点けても・・パイプは燃えないわけだ

使い込めば・・こうして光沢がでる
木目を際立たせる染料は使っても
一切の・・光沢塗料は塗っていない
磨くだけで作るから・・火に負けて剥がれることもない


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良い根だと・・球形の根の表面には
ストレート・グレインといって柾目の木目が見える
この目は・・削りすぎると消えてしまうから
柾目とデザインを調和させながら
消さないように生かして削る・・スリリングな作業である


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一方・・球形の根をスイカのように切って使うから
グレイン木目の延長にある根の断面は
炎のような目ではなく・・こうした網の目が表れてくる
これをバーズアイとかバーズネストという
鳥の目・・鳥の巣という意味である

両者の目が揃ってきれいな木目をだすパイプが
優品とされているが
名工のところに集中していて・・滅多に出てこない

30代の後半から40代の半ばまで
趣味ではあったが・・没頭してた時代がある

きれいなシルエットを磨きだすには
道具でも目でもなく・・指の腹だと知ったのは
あのころの経験だった

目をつぶって・・五本の指でそっと包むように掴み
指腹にツンとあたるコブを一つ一つ削りつぶしてゆく
飽きずに繰り返していると
不思議なことに左右対称の卵形になってゆく
ノギスが後追いするほど・・精確に造形できるのだ

今思い出して・・気を取り直してみようと思うのは
そこらへんの根気のように思える



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昨日も・・こんな風に五つ六つ挽いた
天気のせいで乾きの悪いこの数日
溜まった分と一緒に
今朝から削りにはいるつもりである




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Commented by BBpinevalley at 2016-10-10 11:50
素晴らしいですね。
お若い時から、造形がお好きだったのですね。
木を削る感覚は柔らかくていいですね。
私は、ティーンの頃に彫金を習い始め、結局大学でもメタルアートとして続けました。
金属の温度に対する反応がとても好きで、トンカチやるのも好きでした。
ある時、木のかんざしに銀のインレイをしてサンゴを入れようと思いつき、ローズウッドを削ってみたら、これが楽しくて!
メタルよりずっと削りやすいのは当たり前ですが、あの感触が好きでした。
彫金は、火を使ったり硫酸を使ったりするので面倒ですが、木彫りなら今でもできるかな。
青桃窯さんの記事にインスパイアーされました。
こんな素敵なものはできないけれど、コースターくらいはできるかな〜
Commented by touseigama696 at 2016-10-11 09:40
BBpinevalleyさん
ありがとうございます
日本人も知らない日本人らしい日本の旅
目が覚める思いで拝見しています
やはり・・あなたはアーティストですね
作っても・・書いても・・歩いても
何か独特なアトモスフィアを醸して
知らず知らず魅了されています

これからも楽しみにしています
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by touseigama696 | 2016-10-10 08:02 | ○陶芸雑感 | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696