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スーパーマン・・逝く

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慣れないと
聴覚を失ったかと思うような・・無音の世界
自分の足音も・・衣擦れの音も聞こえない世界
全ての音は
天井と壁と床に吸収されて・・響くことはない
不思議な空間だが・・それが録音スタジオだった

だった・・と書いたのは
今でもそうか・・自信がないからで
40年以上前のスタジオはそうだった

若い頃のある時期・・週に何度か
自分の番組にナレーションを入れるために
専用の録音スタジオで過ごしていた時代がある

宇宙空間に・・独り放っとかれたみたいで
ナレーターは・・目の前のQランプがつかなきゃ
所在なく座ってるしかない
画像と音声を同調させるのは・・それもひとつの技術

原稿を手直しして・・タイム合わせをしたり
ナレーターの好きな言い回しに変えたり
そんな調整をしてる間・・無音のスタジオは
決して居心地のいいところではない

そうした待ちの時間を・・ナレーターは
何度も原稿を読み返し・・ルビや句読点
アクセントを色鉛筆で記入したりで過ごすが

彼は・・もてあますと
いつも台本の隅に漫画を描いていた
それが実に見事だった
そして・・それを見てると
彼の気分が分るのも面白かった
機嫌の好いときは・・楽しげな絵で
焦れれば・・イラついた描き味になるからだ

当然だが・・漫画の多い日は
待ちが長いからであって
その責任は・・Qをだす私にあるが
でも・・一回りも年長だった彼は
寛大にも・・気長に待ってくれていた
どれくらいの期間だったろうか
一緒の時間に勉強させてもらったものだった

それが・・かつて一世を風靡したスーパーマン
その吹き替えをした・・大平透さんだった
既に声優としては名声を得ていたが
40代になるかならないかの・・あの頃
それでも・・色々な苦労もおありのようだった

草創のころの大平プロダクションで
マネージメントを一手に引き受けていた夫人が
「スーパーマンのお蔭はあるものの
でもね・・他の役やっても視聴者に
スーパーマンがやってるって・・
あのイメージから離れるのが難しくて
とてもやりにくいんですよ」

分るような気がした
スターにはスターならでは苦労があるのだ
スケジュール取りに無理を聞いていただいた
夫人も・・聞けば黄泉の世界
大平さんご本人の訃報を・・昨日聞きながら
あの夫妻も・・逝ってしまわれたかと
深い感慨が浮かんでもくる

「我が家にも見えたことあるよ・・」
妻がそう言うが・・覚えがない
声優界の大御所としても
最後の大キャラクター喪黒福造としても
大きな存在感を残して旅立った

スーパーマンのイメージもさすがに薄らいだ晩年
だからこそかもしれないが
胸にS字の真っ赤なマントをまとい
両手を突きだして
天上界から舞い降りてくるかもしれない

歯切れの好いあの野太い声が
「おはよう!フェルプス君!」・・って
あれっ!・・ちゃうか

「仮にこの記事に間違いがあっても
当局は一切関知しないからそのつもりで・・
誤解なきを祈る」

スパイ大作戦・・あれも懐かしい



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by touseigama696 | 2016-04-15 08:45 | ●畏友交遊 | Comments(0)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696