2015年 08月 23日
「原点」に戻ってみれば |
上手くいかないときは・・原点に戻ってみる
それもひとつのセオリー
昨日・・早速私の原点に戻ってみました
10数年前・・糸抜きで波状紋を描いたとき
使ったのは・・この0.5mmの糸テープ
ちょっと引っ張れば切れるし
素焼きの器肌に充分な粘着力が不足で
貼ってるそばから浮いて剥がれるのです
力を入れず・・息を詰めてさらっと貼る
スキーのスラロームをしてる気分で
リズムに乗る・・当時それが発見でした
最初に手掛けるには一番厄介な糸でしたが
繰り返すうちに・・コツを掴んていったようです
糸の幅が0.5mmですから
糸間の隙間も・・精々2~3mm
大皿全面に貼ると・・300m分くらいになります
慣れない頃は・・何度も徹夜でした
繊細ではありますが・・力に欠ける
慣れてくるうちに・・そんな気がして
常用の幅を・・1.0mm幅にしたのは数年後のこと
拡大写真では比較しにくいのですが
上段の空の部分が・・0.5mm糸
下段の波が・・1.0mm糸というわけです
僅かな差でしかありませんが
これだけでも随分貼り易くなります
楽にリズムに乗れるので・・波状紋も動的になり
表現に力を感じるようになりました
大きな公募展は・・殆どこれで競ってきました
完成度を上げることに全力で集中し
入選が続く5年ほどは・・夢中でした
日本陶芸展での受賞・・日本工芸会正会員認定
望外の褒美をいただいたのもその頃ですが
同時に・・モチーフのポテンシャルもそろそろ終わり
漠然とそんなことを感じていました
一方で・・私の身辺にも大きな変化が起こりました
家と工房の転居・建て替えで忙殺の2年間
転居と制作の二面の集中は・・到底無理
残念ながら・・70歳はやはり若くはありません
転居して1年・・やっと制作に戻れたのですが
ブランクの後の出品ですから
少し大きくモデルチェンジを模索し
このタイプの縞筋紋を考えました
使ってるテープは・・3.0mmと5.0mm
従来と比べれば・・3倍から10倍の太さ
紋様に力が出るような気がして
勉強してみる価値はありそうだと・・思ったのですが
鉄槌は・・ここでなのでした
昨日・・ふと気づいたのですが
0.5mmの剥離に耐える集中を失い
粘着の強い幅広のイージーさに頼って
繊細なリズムを追求する意欲を失ってないか
昨日・・0.5mmで波を作ってみて
そのデリカシーを思い出しました
これから軌道修正してゆく場合
これは大事な視点かもしれません
入選できてる間には気づかないことですが
完成度を上げることが優先の間は・・仕方ないこと
やがて鉄槌が下されて・・原点が必要になるのでしょう
落ちずに気づくか・・落ちて気づくか
そこは賢さですが・・どうやら私は賢くなかったようです
1年かけて・・僅かでも賢くなれればと思います
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by touseigama696
| 2015-08-23 06:43
| ●工房便り
|
Comments(2)
Commented
by
そ
at 2015-08-23 16:56
x
私も今年の本展、鉄槌が下された者です。
陶芸家として大事な資質は選外に慣れることですがやはりショックですね。
私の場合、技法を変えて変な方向に行っていたのかもしれません。
私も原点に回帰してみようかなと思います。
陶芸家として大事な資質は選外に慣れることですがやはりショックですね。
私の場合、技法を変えて変な方向に行っていたのかもしれません。
私も原点に回帰してみようかなと思います。
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Commented
by
touseigama696 at 2015-08-24 06:28
そ さん
ありがとうございます
このハンドルネーム初めてお目にかかるのかな?
鉄槌組の相身互い・・どうぞよろしくです
ずっと通り続けることなどできそうにない本選だから
これも当たり前に起こることと思っています
原点回帰は・・そうでもないと避けてしまうかも
フィルターを一枚はずしたら・・
色々なことが見えてきたようにも感じます
ありがとうございます
このハンドルネーム初めてお目にかかるのかな?
鉄槌組の相身互い・・どうぞよろしくです
ずっと通り続けることなどできそうにない本選だから
これも当たり前に起こることと思っています
原点回帰は・・そうでもないと避けてしまうかも
フィルターを一枚はずしたら・・
色々なことが見えてきたようにも感じます