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おとぎ話

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その船員さんの意識が戻ったとき
大きな客船は傾き・・もう誰もいませんでした
彼は船内から色々な道具や・・水食料などを
残ってた避難用のボートに積み込み
陸地を探し求めて・・船を離れました

何日も漂流しながら・・それでも幸運なことに
小さな無人島を見つけて・・上陸できたのです
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ボートに積んできた道具や食料を下して
ともかく・・生きるための生活を始めました
便利な道具が沢山ありました
鍋もあれば・・ナイフもあり
蝋燭も・・マッチもたっぷり
缶詰の食糧や・・タンクに詰めた水
衣類も寝具も・・テントさえありました
おまけに鉄砲や釣り具も見つけて
積んであったので・・森の中で狩猟も
海で魚を釣ることもできました

だから・・無人島ではありましたが
それを感じないほど・・不自由なく
月日が過ぎてゆきました

さて・・数か月が過ぎて
日々の暮らしはできていましたが
ある日・・彼は何を思ったのか
船で積んできた全てを・・ボートに乗せて
海に流してしまいました
何故だったんでしょう?・・クイズです

答えはこうです
無人島での孤独な生活でしたが
便利な道具が色々あったので
何をするにも・・手間取らず
食べることも寝ることもできました
落ち着いてくると・・
そうして便利に過ごせる分
暇を持てあますようになったのです

その暇な時間が・・一番つらくなりました
じっと海辺のテントで坐っていれば
家族や故郷のことを思い出すばかりです
それでいて・・いつ助けてもらえるのか
それだけは・・判りませんでした

彼が決心して・・全ての「便利」を捨てたのは
一日生きるために・・一日中働くことにしたからです
森で細い枝を拾い・・植物のつるで糸を編み
魚の骨で針を作って釣りをしました

乾いた木を擦って火を起こし
少し大きな石を熱く焼いて・・魚を乗せ
森で雨水を探し・・そこまで歩いて
飲み水にしたのです

何から何まで自分の手でするとなると
何をするにも時間がかかりましたが
その代わり暇はなくなり・・忙しくなりました
家族を懐かしんでばかりもいられません
生きることで必死になったのです

同時に・・何もないところでも
自分で何かを作って生きられる・・
大きな自信が芽生えました
マッチがなくなったらどうしよう?
缶詰を食べ尽くしたらどうしよう?
テントが風に飛ばされたら?
色々な不安が・・消え去りました

そうして・・懸命に生きていたある日
沖を行く船の姿を見つけ
自作の狼煙をあげ・・助けられました

余りにも生きるのに一所懸命だったので
助けられたのが・・1年後だったのは
教えられるまで・・判りませんでした

彼は故郷に戻ると・・都会を離れ
海辺の森の中で・・暮らしました
なるべく不便に!・・
それが彼のライフスタイルになりました

「人生で大事なことは・・便利ではない
日々を・・あるいは一生を・・
退屈せずに生きられることだ」

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昨晩・・いつもの日課で4㌔50分の間
このおとぎ話を考えていました
「便利」・・不要だとは思いませんが
しかし・・魔物でもあります
便利を追い求めて払ってる代償
暇で退屈なときに・・是非
一度考えてみたらどうでしょう



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Commented by kuma at 2015-07-03 13:06 x
考えさせられるお話ですね。
子供の頃、大阪でも田舎の方に住んでいたので、
風呂は薪で沸かし、鶏に餌などをあげて、卵をいただくという生活をしていました。
都会に住んでいると、スイッチ1つで灯りが点き、
蛇口をひねると水や湯が出る。暑さ寒さもエアコンがあり…
それがあたり前のようになっています。
それが「絶対の幸せ」とは思えないんですけど、
甘んじている部分は…ありますね。
生きるのに一生懸命になる経験は大切かと思います。

Commented by touseigama696 at 2015-07-03 22:44
kumaさん
ありがとうございます
便利で浮いたものが何か?
それをどう活かせるか?
それなしに便利を追いかけると
最後は人間不要の社会かもです
ロボットは・・人間にとって
最も便利な別人間・・皮肉ですね
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by touseigama696 | 2015-07-02 05:09 | ●メッセージ | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696