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わたしの・・ストラド

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世界中に・・ヴァイオリンニストが何人いるのか?
正確な数字を知りませんが・・「わたしのストラド」
と言えるヴァイオリンニストは・・500人以上はいません
現存するストラディヴァリの楽器が・・それくらいだからです

家光から吉宗の頃に・・北イタリアのクレモナで
ヴァイオリン制作に生涯をかけたマエストロ
それが・・アントニオ・ストラディヴァリです

だから・・家光の肉声を聞くかのようなこのヴァイオリンを
所有して演奏できることは・・きっと誇らしいことです
「わたしのストラド」・・日本人ヴァイオリンニストでも
10数人はそう言える時代になりました

この楽器を使うということは・・既に歴史的遺産でもある
名器を毎日のように弾くことで・・ストラディヴァリの音質を
維持する義務と責任が生まれることでもあります
ヴァイオリンニストにとって・・勿論名誉なことでしょうが
途方もない大きな使命とも言えます。

今夜は・・若林暢さんのストラディヴァリを
こんな近い距離で聴けるということで・・楽しみに伺いました
遥かな400年の昔を訪ねてみたいと・・思います・・

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この企画の主催者でもある〇谷さんは
地元で長くおつきあいしてきたピアノの調律師さん
調律を通して・・広くコンサート企画もなさる友人である

冒頭・・「今夜は珍しく陶芸家の友人が来てます
彼は・・楽器のことも詳しいからちょっと一言!!」
いきなりこう振られて・・突然のスピーチになった
それが・・前述の話なのである

準備してたわけじゃないから・・とりとめもなくだが
楽器としても・・あるいは木工芸術としても
ヴァイオリンの持ってる魅力は・・大好きなので
それを伝えたかったのである
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料亭で食事を済ませて聴く・・ディナー・ライブ
異色の設定だが・・特別な装置がなくても
ストラドは朗々と響き・・明るい音だと思った

現代楽器と・・こうした古楽器との比較論もある
現代楽器は・・ストラディヴァリに敵わないのか?
私は・・この議論に組しない
現代の制作者の技術は・・きっと素晴らしい
それは・・陶芸でだって同じだ
時が流れるとは・・進歩の通り道なのだ
今が昔に勝てない道理はない

だが・・長い時間を経て往時を偲ばせる音色が
今ここで奏でられること・・それを
勝った負けたで比べる必要などないと・・思う

400年前のヴァイオリンと・・今のそれは
殆ど変らざるサイズと構造で・・出来ている
ヴァイオリンに関して言えば・・この形が完成形なのだ
現代作家が・・ストラディヴァリ・モデルを継承するのも
その中に最高の音色を感じるからに違いない

ストラドは・・弾く者にも聴く者にも
サイエンスでは測れない・・レジェンドでいい
ストラドを手にしたヴァイオリンニストには・・
それまでにない自信が芽生える
伝説が人を育てるのである
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私が子どもだったころの・・1952年
戦後間もなく・・まだ貧しい時代だったが
死んだ親父が・・同じく亡母の話によれば
一か月分の給料をはたいて・・買ってくれた
私のヴァイオリンがこれ・・ストラド・モデルである

名器ではないが・・それでも
私にとっては・・ストラドに劣らぬ大事な思い出

「このヴァイオリン・・少し手入れして
毎日弾きこなせば・・まだ音は育ちますよ
割合い・・いい材料使ってますからね
きっと戦前から準備してた素材なんでしょうね」

プロショップでそう言われたこともあるが
とうとう・・そのまま鳴らしてはいない
歌を忘れたカナリアにしてしまったようだ

しかし・・木工としても見事な造形
見てるだけでも・・素晴らしい形だと思うのだ




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by touseigama696 | 2015-06-04 06:06 | ●畏友交遊 | Comments(0)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696