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憧憬

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1999年・・第15回日本陶芸展
大賞をとったこの作品を間近かに見て
鮮烈な感銘とともに・・深い憧憬が芽生えた

伝統窯業地・小石原の作家・福島善三さん
これ以降・・毎年のように拝見してきた
私がこの展覧会に挑戦したのは
次の16回展から・・同じ舞台に並んで
憧憬は憧れのままに・・遥かな目標にもなった
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こんなロクロが挽きたい・・
繊細でいながら・・圧倒的な存在感に溢れ
微塵も調和を崩さず・・穏やかで美しい

そして同様の釉技で・・加飾もまた
洗練された品性を備えている

日本伝統工芸展での受賞を拝見し
こちらでも・・また後ろを歩きながら
完成度をあげる意味を・・学んだ

無言の作品から学ぶ・・じっと見つめれば
作品は・・そっと語ってくれるものだ
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数年ごとに・・作風は微妙に変化した
形だったり・・釉だったり
いつでも・・先駆の気概に満ちている
憧憬が・・些かも色褪せないのは
こうして進化し続ける作家の・・お人柄に依る
歩くのを止めてはならぬ・・と教えられるのだ
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2009年 第20回日本陶芸展で
招待作品として展示されたこれを見たとき
息が詰まるほどに驚嘆した

中国伝来の月白瓷と・・推測しつつも
僅かに青味のかかった白器
引き込まれそうな美しさだった

どんな作品を出されても・・
いつでも見事に完成している
伝統窯業地の名門の生まれとはいえ
血だけでは・・こうはゆくまい
どれだけ勉強すれば・・こうなれる?
私には・・到底思いの及ばない境地なのだ

この20回展で・・私は賞候補になった
それだけでも充分に名誉なことだが
月白瓷の組皿は・・「そこで終いか?」
そう言ってるように思えた

言うまでもなく・・「そこで終い」の彼我の差だが
憧れに近づくということは・・暴挙覚悟の決意
賞候補になったとき・・次は変化しないと
入選すら覚束ない・・一度はそう思ったが
このままあと1㌢の進歩・・そこに2年を費やした

21回展の「文部科学大臣賞」は・・
多分その粘りのお蔭だった筈である

この時の審査所感に・・こうある
「・・しかしその結果生み出された作品は
細かい技巧の煩わしさを少しも感じさせない
ゆったりとした伸びやかさをそなえ
静かで自然である」


この言葉は嬉しかった
あの2年はこのためで・・いつも
福島さんの作品が教えてくれていること
そう思えたのだった・・と言うのは
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最初の写真の15回展の審査所感は
福島さんの中野飴釉掛分鉢を・・こう評している
「結局優れた作品というものは
十分に習熟した文様を いかに鈍化させて
器を飾るかが重要な課題になる」


第60回日本伝統工芸展で受賞の「中野月白瓷深鉢」
僅かな青味が・・白は単純ではないことを示している
その白さは・・習熟した技術であって
なおその技が・・そのどれもがひとり騒ぎ立てず
応分の役割りを承知して・・静かに溶け合っている
鈍化とは・・そういう意味ではなかろうか

前にも書いたが・・シンプルはナッシングではない
複雑で深いものだが・・静かだからシンプルなのだ
私には・・そう思えるのである

お目にかかれば・・
穏やかで丁寧に対応してくださる
いつか機会を得て・・お訪ねしてみたい
そして・・ここら辺のお話を伺ってみたい
憧憬は・・まだまだ続いている・・



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by touseigama696 | 2015-04-04 05:52 | ○陶芸雑感 | Comments(0)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696