2014年 01月 18日
フォルテ&ピアノ |
今日は昼前に家を出て・・油彩の個展ひとつを訪ね
夕方からは・・高校時代の仲間との定例会食
その間をつないで・・品川から日本橋まで歩いた
途中で・・久しぶりに東京タワーの下
最近は・・スカイツリーの方が人気だが
搭の美しさなら・・やはりこっちが上かもである
14kmほど歩いたが・・少し疲れて珈琲タイム
いつものように・・読みかけの本を開いた
「小澤征爾さんと音楽について話をする」
小澤征爾×村上春樹である
1時間ほどで読了した
音楽についてなら・・小澤さんは専門家だから
当然と言えば当然だが・・村上さんの蘊蓄には驚愕だった
作家だから演奏こそしないのだろうが・・
プロのリスナー?・・ただの音楽マニアではない
だから・・彼の質問から膨らむ音楽談義は
今までに聞いたことのない説得力に満ちている
例えば・・マーラーの交響曲を・・
こんな風に話題にした対談は・・初めてだった
こんな風にの説明は・・長くなるから省くが
読んでるうちに・・すぐにも聴きたくなる
転居が済んだら・・手持ちのCDも整理して
きちんと聞いてみよう・・聞くことを啓発された思いだ
別の項で・・とても印象的な言葉を見つけた
「小澤征爾スイス国際音楽アカデミー」でのエピソード
このアカデミーで指導者だったロバート・マンさんの言葉
「ピアノという指示は弱く弾けということじゃない
ピアノとはフォルテの半分という意味なのだ
だから小さく強く弾きなさい・・と」
小澤さんが補足して・・
「僕らピアノというとついソフトに弾いてしまうじゃないですか
でもマンさんが言うのは・・
音が小さくてもしっかり音を聞かせなさい・・そういうことですね」
ここでいうピアノとフォルテは・・弱いと強いの音楽用語
楽器の操作としても・・なるほどと感じたが
ろくろでも似たことが言えそうだ
大皿を挽こうとしたら・・何となくフォルテだ
どうしたって大きな粘土と対決すれば・・力が必要である
ところが小さなもの・・例えばぐい呑みみたいなもの
親指大の粘土から挽きあげようとすると
つい弱い力で・・恐るおそるになるもんだ
おまけにろくろの回転まで遅くなる
高速回転で力を使えば・・あっという間に吹っ飛ぶ
そんな怖れが芽生えるからだ・・ピアニッシモ弱く弱くになる
しかし・・これではしっかりしたぐい呑みにはならない
使うべき力と回転はきちんと使って・・それで小さく挽け
強い器・・小さくても強い器
フォルテな気持ちで・・ピアノを具象化することなのだと思う
深い洞察力に満ちた作家と指揮者の対話
幾つもの示唆に・・感銘しつつ読み終えたのだった
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by touseigama696
| 2014-01-18 00:07
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