2013年 02月 01日
削りの美学 |
昨日挽いた・・細口の壺
結構丁寧に挽いたつもりですが
それでも・・僅かに曲線に破綻があります
今日の午後・・乾燥を見計らって粗削り
挽くときより遥かに長い時間をかけました
器面を整えるのは言うまでもありませんが
形を完成させることも忘れるわけにはゆきません
この壺でいえば・・先ず足元を詰め
高台を小さくすることで・・
緊張感を確保しながら
全体の丸みを・・強調しました
更に・・
首から肩への曲線の破綻を解決するために
口に反りを入れ・・肩の無駄な土を削りました
口縁部から肩にかけて・・柔らかなS字曲線を意識したのです
この壺一個に・・多分2時間近くかけました
挽くより遥かに長い時間です
このあと・・乾燥が進んだら
更にサンドペーパーで研摩して・・ラインを整えます
そうまでこだわるのは・・理由があります
削りは調整の技術ですが・・
それだけでしょうか・・?
そこにとどまらず・・造形そのものだと思うのです
削り次第で・・作品の完成度は大きく変わります
それがラインの出し方であり・・作り方だと思います
このことで・・大きな示唆を得た作品があります
これは・・和田的さんの作品
去年の秋・・寛土里での個展のときのもの
彼の代表的な作品のひとつです
和田さんは・・陶葉会の仲間のひとりですから
ことあるごとに・・彼の作品や仕事に触れられるのは
大いなる刺激だし・・勉強になります
この作品を見ただけで・・
削りで・・何をしようとしてるのか
真っすぐに伝わってきます
ストイックなまでに工房に籠ってる・・長い時間は
真っすぐを真っすぐに・・まん丸をまん丸に・・
シンプルだが・・一番厄介な技術のための時間なのでしょう
削りの美学・・ここに極まれり
私は・・そう思っています
但し・・成形は精密だけが全てではありません
ロクロ目・・指跡・・ヘラ目・・気合い
非対称な偶発の妙も・・ロクロです
それはそれですが・・
今・・私がやろうとしてる加飾を軸にすれば
削りは・・とても大事な作業なのです
気分転換に・・かまだ食堂開店
きのことあさりの・・パスタを作りました
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by touseigama696
| 2013-02-01 22:42
| ○陶芸雑感
|
Comments(4)
あれだけきれいにひいた壺を2時間かけて削る…
まだまだ余分な肉をそぎ落とす作業なんですね。
その上研磨をかける…魂を磨くようです。
まだまだ余分な肉をそぎ落とす作業なんですね。
その上研磨をかける…魂を磨くようです。
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茸とアサリのパスタを気分転換に、、、って!
お皿がお洒落〜♡
お皿がお洒落〜♡
Commented
by
touseigama696 at 2013-02-02 21:50
kumaさん
ありがとうございます
どんな陶芸でも・・
こうしなきゃならないわけじゃありません
あくまでも・・自分の作風のためなのですが
面倒なことも・・意味があれば嫌じゃないと
気づいて楽しんでいます
ありがとうございます
どんな陶芸でも・・
こうしなきゃならないわけじゃありません
あくまでも・・自分の作風のためなのですが
面倒なことも・・意味があれば嫌じゃないと
気づいて楽しんでいます
Commented
by
touseigama696 at 2013-02-02 21:52