人気ブログランキング |

唐九郎・・礼賛

d0085887_2255492.jpg

小冊子みたいな小さな本だが・・
名工加藤唐九郎を知るに・・よくまとまった本である
大分以前から持ってるが・・ふと改めて書架から抜いた
d0085887_22555710.jpg

右が出世作・・益田鈍翁が絶賛して氷柱と銘打った茶碗(昭和5年)
左が遺作の茜志野茶碗・・亡くなった翌日窯から出た作品(昭和60年)
つまり・・死の直前まで焼いていたことになる
伝説に事欠かない・・稀代の名工である
d0085887_22561888.jpg

数知れぬ名言の中で・・けだし箴言の一言を
茶人杉浦澄子さんが書いている
唐九郎・・揶揄して曰く
「作家とは作品を作らずして家をつくるものじゃ」
豪邸に住むでなく・・壮大な工房を構えたわけでもない
この写真は・・晩年を過ごした唐九郎さんの書斎
過ぎるほどに質素ではないか
売れば幾らでも高値のつく名手は
売った金の殆どを・・屋敷にではなく窯に投じた
そして・・この書斎で万巻の書を読み書いた
一介の陶工で括れる人物ではなかった

88年の人生の毀誉褒貶の全てを含めて
スケールの大きな生き方が・・私は大好きだ
それでいて・・土に対峙すれば
とことん器の本質に向かって真摯だったと聞く

杉浦さんは・・こうも伝えている
「お茶の点前をばかにする者は茶碗を作る資格はない」
茶席での唐九郎さんは実に立派なひとだった・・と
拠って立つ視点が・・ひとつではないのだ
大方を包含する度量・・それが無
「無」を知る者の強さ・・一無斎の所以でもあろうか

似たことを・・私は
井伊直弼の「茶の湯一会集」・・ 
独座観念の一章「余情残心」で教えられた
それに相応しい茶碗が作れようとは・・
到底思えないが・・それでもなお
いつか茶碗を作れたら・・である
d0085887_22562869.jpg

「永仁の壺」事件の真相を・・私は知らない
それが名工の陶歴に大きな傷を残したと聞くが
自作が国宝と間違われる・・それほどの名品だったとも言える
d0085887_2256406.jpg

窯の前で・・飯を食う在りし日の唐九郎さん
莚を敷いて・・石を座卓に
設えは・・書斎の如くあり合わせでしかないが
食べてる弁当は・・塗り物の箱
どこまでも・・中身の濃いお方だったに違いない

いつだったか・・真っ二つにざっくりと割れた
唐九郎さんの大皿が展示されていて
添えてあったキャプションにこうあったとか

「さすが唐九郎さんの大皿・・割れ方さえ見事です」
もし私のだったら・・単なる失敗作なのに
伝説は・・人物の大きさなくしては生まれようもないのだ





人気ブログランキングへ応援してくださる方・・クリックしてネ!
Commented by HarukoB1 at 2013-01-18 21:10
最後の写真ステキですね〜
温かくて安心できる、、
厳しい何かが凝縮した空気が感じられます、、
Commented by touseigama696 at 2013-01-18 23:51
HarukoBさん
ありがとうございます
ともかくスケールの大きなひと
力がなけりゃ・・毀誉褒貶を言われることもないわけで
やはり日本の陶芸を動かした名工だと思っています

窯の前の自然体・・わたしも好きなフォトです


名前
URL
画像認証
削除用パスワード
by touseigama696 | 2013-01-18 00:26 | ○陶芸雑感 | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696