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矢切の渡し

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残照にたゆとう一杯の和船

この舟で・・川向こうの柴又から
こちらの矢切に渡ったあの日・・
昭和26年ころのこと
叔父は・・このあたりに住むと言った

見はるかす麦畑だった台地の一角に
新築の家を建て・・叔父は
自分の母親を伴って移り住んだ
私の祖母だ

やがて・・叔父の後を譲り受けて
私たち一家がそこに住むことになった
昭和29年の春だった

母親の商いとは別に・・
祖母が切りまわした茶舗「桃青園」
そこが今・・私の工房になっている
桃青窯・・そう名乗ることにしたのは
祖母と母親のゆかりを継いでのこと・・

祖母は勿論・・叔父も
その姉の私の母も・・みな異境のひと
半世紀は・・あっという間に過ぎていった

今も・・矢切りの渡しは動いている
野良で働く馬を乗せることはなくなったが
政夫と民子の悲恋のあとを
文学散歩する老人たちで・・案外賑わう
「野菊の墓」・・伊藤左千夫が書いた
映画では・・「野菊のごとき君なりき」

純愛・・懐かしい響きに
その分・・少し老いたなと苦笑いしながら
似たような世代の賑わいを端に見て・・
ろくろを挽く日々なのだ

週末ともなると・・政夫と民子が沢山歩いてる
先週は・・近くのスーパーに毒蝮三太夫が来てた
往年の野菊たちも・・ラジオの実況で
まむしの毒舌には敵わなかったようだ






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Commented by はるこ at 2011-09-27 02:31 x
文芸誌のエッセイを読んでいる感じです。
うっとりしています、、、
先生のお婆様もお母様も、お話すると、ユニークで、面白い方達のように思えます。
いい思い出がおありでしょうね〜〜
Commented by touseigama696 at 2011-09-27 22:26
はるこさん
ありがとうございます
まぁ・・ふたりとも自我に目覚めた古代人でした・・笑
良くも悪くもね・・苦笑

明日からの伊勢丹展
さっきやっと展示準備を終えて帰宅しました
企画してから2年
長いようで・・短い時間でした
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by touseigama696 | 2011-09-27 01:14 | ●お気に入り | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696