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フラクタル幾何学

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「・・見たよ~ぉ! いいじゃないか
あの皿・・フラクタルそのものなんだよ・・
いいとこ・・目つけたねぇ~」

「糸抜き波状紋大皿」が・・
初めて日本陶芸展に入選した10年前のこと

「???」・・
算数苦手の私には・・当然の反応だった
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この本の著者・・三井君は
クラスメイトのひとり・・
私と違って秀才のひとりで
そのころは・・筑波大で・・
造形学を教えていた・・その道の専門家だ

今だって・・ここで
フラクタル幾何学の何たるかを
説明してみろ・・と言われても
到底・・叶うものではないが

三井君の言葉を借りれば
「その形を・・拡大しても縮小しても
全体の構造と変わらない「自己相似性」のこと」

ということなのだが・・これでも多分難解だ

平たく言えば
「全体の中から・・一部を抜き取って
別の場所に埋め込もうとすると
違和感なく溶け込んでしまう・・形」
・・ということ
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その目で・・わたしの皿を見ると
確かに・・波の一部を切り取って
別の場所にもっていっても
そのままはまりそう・・に見える

このことを・・定義すれば
「不規則なものにも・・規則性がある」
ということのようだ
不規則を非対称としても同じだ

中学時代に学んだ
ユークリッド幾何学が・・
直線の世界だとすれば
フラクタル幾何学は・・
曲線の世界・・つまりかぎりなく
自然に近い世界での法則ということになる
樹々や雲の形に・・
直線もなければ・・定形もない

欧州の宮廷の庭園が・・
直線と対称なのに比べて
日本の庭は・・
曲線と非対称に見えるのと似てる
自然の支配・・自然との調和
そうとも言えよう

感性だけで・・好みだけで
三畳台目の狭い茶室に・・
無窮の宇宙を引きずり込む壮大な世界観は
理論的にも・・フラクタルで裏付けられる
大自然の微小な一部が・・三畳台目なのだ

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さて・・
私の皿に表現したことになる曲線の世界
結果的に三井君に・・オーソライズされたものの
その原理を崩さずに・・新しいモチーフへ向かう
その難しさに・・頭を抱えて煩悶する日々である

直線を使えば・・ユークリッドになってしまう・・?
♪・・ど~うすりゃ・・いいの~さ・・し~ぃあんばぁ~し・・♪
なのである

「家は十坪に過ぎず・・庭はただ三坪
誰か云ふ・・狭くして且つ陋(ろう)なりと
家陋なりと雖(いへ)ども・・膝を容る可く
庭狭きも・・碧空仰ぐ可く
歩して・・永遠を思ふに足る」
         「徳富蘆花 自然と人生」


たった三坪の庭でも
歩いて永遠を考えるに足る広さなんだよ

これも三畳台目の世界観
独りっきりの狭い工房で
これからの展開に・・大きな視野を養う
それも・・フラクタルに違いない


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Commented by moon-pon at 2011-01-22 10:40 x
うわぁ・・・。
数学苦手な私には、難しすぎますね。^^

でも、これって、究極の美なのでしょうか。
無限の美。

世の中って、つきつめていくと理念とか規則性とかが見えてくるのですね。
いつもながら、奥の深いお話で、勉強になります。
Commented by gaunn at 2011-01-22 16:42
波紋状のお皿いいですね、この器にレタスにサクランボに
女はふと盛り付けを夢見ますね、
失礼かな、、絵皿で飾るのがいいとか人により違いますね
いいですね見ていて飽きませんね。
Commented by harukob1 at 2011-01-22 22:32
フラクタルという言葉知りませんでしたが、
先生の文章で理解できましたよ。
私の好きな野菜に、
ロマネスコというカリフラワーみたいなのがあるのですが、
それがフラクタルだと、、、!
そう言われてみると自然界に、宇宙に、たくさん存在するみたいですね、不思議できれいです!

o
Commented by touseigama696 at 2011-01-23 00:16
moon-ponさん
ありがとうございます
作ってるとき・・
フラクタルなんて考えてませんでしたが
何でも研究してる学者がいてくれるおかげで
作りながら・・勉強させてもらってます
それも・・ありがたいことです
Commented by touseigama696 at 2011-01-23 00:24
gaunnさん
ありがとうございます
気に入っていただけて・・嬉しいですよ
おいでくださって・・多謝です
Commented by touseigama696 at 2011-01-23 00:29
harukobさん
ありがとうございます
わかっていただけて・・笑
ロマネスコ・・あれ確かにフラクタルですね・・

本来日本人が持ってる美的感覚って
素晴らしいものがあると・・教えられます
生かさなきゃ・・ですね
Commented by mohariza6 at 2011-01-23 12:36
三井秀村氏の「形の美とは何か」は、大変分かりやすい本でした。
弊ブログで取り上げていると思いましたが、検索しましたが、見つかりませんでした。

フラクタルを含めた、このことにご興味あれば、弊ブログで、「フラクタル」、又は、「次元」で検索すると、一般の方でも、(なるべく)分かりやすく、図と共に、記事にしています。

2007年08月05日付けの<97年用の年賀状のネタ~「螺旋と枝分かれ」 >(http://mohariza6.exblog.jp/6051847)なんかも、「フラクタル」等に繋がります。
陶器芸術のヒントになれば、と存じます。

「光と影」、「スケッチ」、「芸術」等にも、ヒントがあるかも知れません。
記された文面は、<釈迦に説法>と思われますので、貼り付けた絵等を観て下さい。


Commented by touseigama696 at 2011-01-24 00:21
mohariza6さん
ご丁寧にありがとうございました
学問的なことに詳しいわけじゃありませんから
こうして補完していただけると・・理解が深まります
勉強になりました・・多謝
これからも・・どうぞよろしくお願いいたします

それに・・伊達直人現象の記事のこと
ご紹介いただいて・・それも恐縮でした
ありがとうございます
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by touseigama696 | 2011-01-21 23:13 | ○陶芸雑感 | Comments(8)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696