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Oさんの場合 (17)

記録によれば・・
Oさんは2013年5月に入会している
初めて土に触れてから9年

途中・・地方転勤があったが
その2年も・・月に1~2度帰省しては
教室に現れ・・稽古は続いた

10年足らずで・・今では
60センチ超の大皿も挽く
それも軽々とだ・・力はある
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「今日は・・高台を小さくして挽いてみたい・・」
で始めたのが・・これだ

でも・・朝から二枚目
一枚目は・・見事に失敗した
高台を小さく詰めて・・と考えただけで
意外なほど・・手が萎縮していたからだ
へたるのを怖れている

「怖い・・コワイ・・」と連発した
「怖いと思うのは・・これを成功させようとするからだよ
今は稽古しているんだから・・成功させる必要はない
そのコワイことに大胆にぶつからなきゃ・・
本当の成功はないんだから・・」

安全にできるもので・・いいものはない
危険にぶつかって乗り越えなきゃ
ひとに訴えるシルエットなんてできはしないのだ
そこが分かってほしくて・・
そばにいて・・私はわめいた・・笑

成功させようではなく・・
無心になって危険や限界にぶつかる
それを・・「開き直り」というのだと思う
テニスでもゴルフでも同じだ
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高台の大きめな標準的皿なら・・
結構安心して見てられるし
かなり数を重ねてきたアラベスク紋も丁寧だ

掻き落とし技法は
集中と我慢の仕事である
僅かな手抜きで・・紋様はガタガタになる

しかし・・この場面では
臆せず細かく四隅に手が入って
見事な紋様を浮き上がらせている
非凡だと・・私は思う
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アラベスクの様式を借りて
でも・・もっと独創の紋様を考えよう・・よ
次第に独創に傾きはじめたが・・でも未だだ

ここから先は・・道具次第だ
自分で探すか・・作るか
その精度で・・紋様は変わる
新しい課題に・・飛び込み始めた

つい先日出品した展覧会では
連続して入選している
努力は報われつつあるようだ
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これは・・彼の急須である
彼のキャリアを通して・・
もうひとつ特筆すべきは・・
バランスである

力を必要とする大物と・・
技が大事な蓋物細工物
このバランスがいいのだ

この急須は・・決して
独創的な形ではない
絵に描いたような・・急須
それが作れることも・・大事だ
独創とか個性は・・ここが出発でいい

Oさんの急須・・その形もまた
新しい課題だと・・伝えた
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Oさんを・・ずっと見つめてきて
最もスムーズに王道を歩いているなと・・思う

リーズナブルな期間に
キャリアにふさわしい技術を身につける
それが・・「自信」につながるからだ
何かひとつができる自信なんて
大したことじゃない

大抵のことが自在にできる
それが本当の自信であって
それを可能にするのは

飽きずに繰り返された基本
苦手を作らない・・
バランスのとれた稽古

そして
早すぎもせず・・遅すぎもしない
理にかなった時間のなかで・・と
私は・・思っている

生徒さんを・・じっと見つめる
いつ・・どこで・・どういう風に
助言もまた・・
早すぎもせず・・遅すぎもしない
理にかなった時間のなかでこそ
効果的なのだろう


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by touseigama696 | 2010-08-08 01:20 | ○陶芸教室 | Comments(0)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696