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アイデンティティーとか個性とか (51)

「どんな色に焼きあがるんだろう?」
それが楽しみの窯だしがある

一方で・・
「予定通りの色で焼きあがるだろうか?」
という窯出しもある
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これは・・予定通りの色に発色してくれた

どなたでも・・
大抵は最初の期待感
段々に自分の好みが特化されて
経験を重ねて後者になり・・
場合によると・・それが
プロの陶芸につながってゆくこともある

「・・今日は黄瀬戸で・・明日織部
唐津・常滑いろいろあるが・・
とどのつまりは萩に志野・・」

大して長くもない人生で
この全部を楽しんで
その上・・売れっ子作家に・・は
ちと虫がいいかもだ
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同じものを焼成方法を変えれば・・こうなる
この場合・・これも予定通りだった
私の陶歴のなかで・・一番古い定番がこれである



一年中・・織部ばかり焼いてるのを
個性とは・・言わない
ただのこだわりの好みに過ぎない

だが・・ある日
「あいつの織部・・美濃を越えたな・・!」
とでも言われたら・・そりゃもう
まぎれもなくアイデンティティーで個性だ
焼き続けることで手にした収穫が・・
個性なのだ

伝来の優品に勝る・・
容易なこっちゃない
となりゃ・・黄瀬戸 唐津 常滑 萩 志野
そのひとつひとつで・・
伝来と競って・・個性を発揮するなんて
そりゃ・・殆ど叶わぬ夢である

その上で・・先達を写さず・・
なお自分らしさを表現しようとすれば
独創で・・造形や技法を編み出すしかない

こうなると・・
ほぼ偶然に近い僥倖の世界でもある
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第56回日本伝統工芸展での・・糸抜き波状紋大鉢


「仕事としての陶芸」は・・
このあたりでしのぎを削っている

図録に並んだ作品は・・どれひとつとっても
誕生秘話のないものはない
作家と面識を得て・・
そのへんの話を伺うと
想像を絶する工夫に満ちていることが多いのだ

ひとつの技法やモチーフの
完成度をあげようとすれば
それも10年単位のしごと
生涯に三つか四つがいいとこだ
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去年の個展でデビューした・・糸抜き技法による小品


だから・・個展で並べられるのも
その三つか四つのシリーズが精一杯なのだ
「何もかもは捨てて・・三つか四つに絞る陶芸」

アイデンティティーとか個性とか
それらしきものに到達する悦びは
捨てたものの上でしか見えない・・
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この天衣紋に・・どう色を乗せるか
・・思案の日々である


「・・あとひとつ・・もう少し・・」
新しい構想の上に・・長いテストが続く
だけど・・少しも嫌じゃない
ランナーズ・ハイに似た高揚感に支えられて
誰もいない工房で・・同じことを繰り返す
何の保証もないけれど・・なのに



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Commented by Blog_Maya at 2010-05-20 20:42
アイデンティティー・・・、私にとって素象人形の創作自体がそうです。  
でも個性を生むまでには至っていません。  何体作ればその境地に達するのか・・・。
長い道のりですが、迷いながら、失敗しながら歩んでいこうと思っています。
Commented by touseigama696 at 2010-05-20 23:45
Blog_Maya さん
こんばんわ・・ありがとうございます
新雪を歩くような・・挑戦
苦労の分・・やりがいもあることでしょう
頑張ってくださいね!!
Commented by mousseinmtl at 2010-05-21 09:45
私の知り合いの陶芸家の方が以前、あんな形こんなこと・・が色々と出来る陶芸家であるよりも、何か一つ・・・でも誰も真似ができないこと・・・そんなことができるような陶芸家でありたい・・と言っていました。

私には、まだまだ・・そういった考えまとまるところまではいかないので・・・今はなんでも、どんどんやってみる・・・そこから見つかるものは必ずあるということはかた~く信じているんです♪
Commented by touseigama696 at 2010-05-21 21:58
mousseinmtl さん
その陶芸家さんのおっしゃること
まさに同感です
そうありたい・・と願っています
とても良いヒントで
今度・・私見として書いてみたいです
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by touseigama696 | 2010-05-20 01:06 | ●窯だ行進曲 | Comments(4)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696