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個展と公募展その4 (45)

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                益子での陶葉会のグループ展で・・・

ものづくりが・・初めて「もの」を売るということは
それが個展であろうと・・委託のお店だろうと
極く一握りの・・天才作家を除けば
「恥」を売ったのだ・・と思うべきでしょう

その時の最善にせよ・・その先で自覚して・・
敢然として渾身をふるうにせよ
初期のものに色濃く宿る「未熟」・・それを
厚かましくもお買い上げいただいたという気分
忸怩たるものが・・いつまでも残ります

晩年の名工が・・することのひとつに
若いころの作品を・・近作と交換してほしいと
願いでること・・と聞いたことがありますが
分かるような気もします
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             益子の人間国宝 濱田庄司さんが 若いころに作った湯呑み
             死んだ親父が・・長いこと使っていたらしい

             
でも・・大抵断られるのだそうです
「人間国宝の近作はお金があれば買えるが
若いころの習作に宿る「恥」は・・今になればお金じゃ買えない・・」
が理由だそうですが・・それは
結果として「恥」の効用なのかもしれません
名工になってしまえば・・恥は売らないからです

してみると・・名工になれなければ・・一生
恥のままで売り続けるかもしれないことを想像すると
売ることの恐さを・・痛感するのです

そんなことを言うくらいなら
ものづくりにならなきゃいいのですが
ものづくりになるきっかけが・・
必ずしも売ることとは限らないから
なってしまって・・煩悶する羽目にもなるのです
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              これは・・私の糸抜きによる・・線紋湯呑み・・

結局のところ・・多少なりとも・・
自信めいたものを感じて制作できる時期
それだけの修行を積んで・・それを免罪に
恥も含めて・・個展やギャラリー販売を
お願いしてゆくしかなさそうです

それは・・いつならいいのか?・・悩ましい問題です
私の場合・・自作への客観的評価
それが公募展で・・10年ほど前
日本陶芸展で・・実用陶器部門での入選でした
でも・・実際に個展に至るまでには
なお6~7年の時間が必要でした

この意味でいうと若い作家は・・気の毒です
のんきなことを言ってるわけにはゆかないでしょう
生活がかかっているはずですから・・
結婚もし・・子を育て・・家や工房を構える
陶芸家で・・安心してそれをできる若者が
どれほどいるでしょうか?・・余談ですが・・
日本の文化行政の遅れの・・腹立たしい部分です

この・・生活を賭けての真剣は・・それも恥の免罪と言えます
恥と生活の狭間で・・たっぷりと鍛えられてゆきます
ひとが育つとはそうしたことで・・使い手・・買い手は・・
好みの器を手にしただけでなく
将来の人材を育てたことになる・・と
寛大になれるかもしれませn
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                 個展直前の準備の様子・・去年の秋のことでした

一方で・・このブログをご覧いただいてる方の中には
ある程度の年配で・・だから楽しみながら・・
でもできることなら仕事としても成立できたら・・
と願っている方もいらっしゃるでしょう

そうした方は・・若者に比べればラッキーと思うべきです
少なくとも・・ひっ迫して生活を賭けるのではなく
年金暮らしになっても・・多少のお小遣いになれば・・
くらいな穏やかな気持ちで乗り出せるはずです

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        10年ほど前の日本陶芸展で初出品初入選した・・天目組鉢
         この図録に掲載されたことが・・全ての出発だった・・


そこで・・最後にひとつだけ・・メッセージを!

・・だからこそ・・若いころ以上の本気になって
売ってしまうかもしれない恥の忸怩を
味わいに変えてしまうほどに・・
打ち込んでみてほしい!・・のです

それこそ・・
晩節を飾る金メダルになるかもしれません
晩節は・・まだ先のこと・・そう思える年代の間に
晩節の構えを備えることが・・
結局・・人生終章の極意ではないでしょうか!


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Commented by tes_music_system at 2010-04-10 10:13
なるほどね・・・人前に出すということは恥を出すということか~だからドキドキするんだね?!(笑い)
Commented by Blog_Maya at 2010-04-10 18:54
どっどうしよう・・・、そんなたいした覚悟もなく来年の個展を決めてしまいました・・
分かりました、私はこうして恥をかくのですね!  でも少しでも少なくかけるように・・・頑張ります
Commented by yumita6 at 2010-04-10 21:00 x
人が生きていれば成長の道があると思います。

>>若いころの習作に宿る「恥」は・・今になればお金じゃ買えない・・」

必要な時間だったのだと思います。
その時、その瞬間の感性。大事にしたいと思います。

買い手側からも正直言って、今では絶対買わなかったと思う作品もあります。でもその時はそれがいい!♪)^o^(と思ったのです。
そのときの気持ちは忘れてない!恥とは思わない。
成長してもしなくても、自分の歴史を大事にしたいです。
Commented by touseigama696 at 2010-04-10 22:01
tes_music_systemさん
あくまでも私見だし・・自戒でもあるけど
売る・・ってことは
結構大変なことだ・・ということを
忘れたくない・・んですよ
Commented by touseigama696 at 2010-04-10 22:06
Blog_Mayaさん
脅かすつもりはありませんよ・・笑
「恥」というのは・・知っておくことが大事で
恥をかきながら・・いろいろ覚えてゆくのでしょう
自戒にしています・・がんばってくださいね!!
Commented by touseigama696 at 2010-04-10 22:10
yumita6さん
作り手も・・使い手も・・
みな経験で学んでゆくものです
恥という言葉を・・悪とは思っていませんが
振り返って未熟だったと思うことを前提でしか
今の最善はないものと・・思っています
どの道・・歩いた道全てが自分の責任であり
歴史でもあります
粗末にしていいとは・・勿論思いません


Commented by yumita6 at 2010-04-12 21:08 x
tousaigamaさんと私は、たぶん究極的には同じことを思っているのだと思います。
誰もがし・・・
「恥」という一字に反応してしまいました。
買った人は(今、作者が思うと・・)「恥」を買ったのでしょうか?
どちらも決して恥ではないよと、言いたかったのです。
自分が真剣に歩いてきた道に恥はないと思うからですが、そのときの自分は今の自分にないものかもしれません。
その時買った人でも、今の作品には興味を示さないかもしれません。
買い手が成長しなかったというより、やっぱり「出会い」かもしれません。金銭や技術だけでは計れない、なにかがあったのだと「思いたい」です。m(_ _)m
Commented by touseigama696 at 2010-04-12 21:48
yumita6さん
誤解を招くような書き方で失礼したのかもしれません
買い手は・・恥を買うのではありません
好んで買ってくださっているんでしょうが
売り手は・・後になれば下手が目につくのです
今なら・・もうちょっとましなものにできるのに・・
そういう意味です
これは・・私には実体験なので
そう感じたままなのです・・苦笑

そして・・どこまでいっても
決して満足できないもの・・
馬の鼻先のニンジン・・
馬が歩けば・・ニンジンも前に・・笑
いつまでたっても食べられないニンジンなのでしょう

言葉が足りないのか・・刺激的な言葉なのか
いずれにしても・・気を悪くされたなら・・お許しを・・!
Commented by yumita6 at 2010-04-15 21:19 x
こちらこそ訳の分からないことを書いて申し訳ないです。
touseigamaさんの謙虚な気持ち、実はよく分かります。
熟さないうちは拙い作品も当然あると思います。
技術的にはNGですよね。(後年、買い手にも分かります)
でもなんとなく、その時に買った気持ちが分かるのです。
なにがそのとき気に入ったかと。

造る方は高みに限りがないのですから、上手くなっていただかなければ困ります(笑)。そうしないと魅力ないですから。
その未熟さが恥であるなら、「恥」を恥と感じる事のできる人が成長するのではないかと思います。(実はそう思っています)
両方の面で気持ちが複雑になってしまいました。スミマセン!
Commented by touseigama696 at 2010-04-16 00:36
yumitaさん
ご丁寧に・・感謝します
おっしゃる通り・・成長と進歩の過程です
大事なことは・・少しでも進歩することなんでしょうね
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by touseigama696 | 2010-04-09 22:54 | ●窯だ行進曲 | Comments(10)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696