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個展と公募展その1 (42)

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           去年の個展で使ったDMフォトの原版・・プロに撮影してもらったものです

個展と公募展・・
ひとりの陶芸家が誕生してゆくまでに
大抵は・・通る道でしょう

それは・・プロに限ったことではありません
ハイ・アマチュアのみなさんなら
個展も公募展も・・視野に入れて作陶しているはずです

自分の作品を発表する・・という意味で
個展や公募展は・・避けて通れない道でもあります

このふたつは・・それぞれに性格が違います
だから・・得るものも違ってきます
しかし・・鍛えられるということでなら
どちらも・・大事な修練です

今夜から・・この個展と公募展について
少し私見を書いてみようと思います

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             いただいたDMハガキのファイル・・出かけるときはバッグに入れて行きます

時間がとれれば・・できるだけ
DMをいただいた作家の個展を拝見しています
手にとって眺めることは・・とても参考になります
そして・・いつも思うことですが

私は・・まだ個展に向かって制作するときが
一番怖くて・・苦しい期間です

今までに・・たった二度しか個展をしていませんが
二度とも・・これでいいんだろうか・・?
思い通りにならないジレンマに苦しみました

一般論としていえば
小物や食器を中心でも開ける個展の方が
大物に個性的な加飾を要求され
厳しい技術評価を受ける公募展より
気楽にやれる・・と思いがちかもしれませんが
私には・・到底そうは思えません

誤解を恐れずに・・書けば
個展での作品への評価は・・
お買い上げのお客様にあります

このお客様は・・使い手ではあっても
陶芸の専門家じゃないことが殆どでしょう

一方・・公募展の審査員は・・使い手ではないが・・
いわゆる専門家のことが・・これまた殆どです

「専門家は騙せないが・・素人なら・・」
ここが・・実に怖い落とし穴です

実際には・・
公募展では・・評価されずに選外になったとして
それは作り手が受け入れて・・
更に研究して出品すれば・・何の実害も生みません
審査員は・・審査会場でのみ作品と対峙するのであって
翌日には・・もう記憶の外に置いたとして・・
少しも不思議ではないからです

しかし・・個展でのお客様は
何某かの代価を払ってお買い上げになるわけです
その上・・食器であれ花器であれ
実際に使うことになるのですから
もし・・不都合があったら・・作家への評価は
二度と回復できないと・・思うべきです

作家は・・少しでも個性的な作風を確立するために
多少は・・冒険もするし危険も犯します
新しいものは・・そうした試みを経ずには生まれません

新作シリーズを発表するときの緊張と恐怖が
公募展に出品する比ではないのは
そうした理由からなのです

何度かの個展を経て
定番にして大丈夫になれば
そのとき・・初めて少し安堵するものです

たった二度の個展ですが
この怖さから・・まだ免れてはいません
自分の作品を・・時間をかけて自分で使い
検証しながらの制作なのです


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      去年の秋の・・『第56回日本伝統工芸展』・・会場風景
      日本橋三越本店の会場は・・ひとで溢れていました


私の場合・・
この10年ほどは・・公募展を軸に作陶してきました
昨日も書いたのですが・・
晩学・・独学の陶芸にとって
公募展の客観的な評価は
ひとつの大事な道標だと・・思ったからです

このブログの右のメモ欄に陶歴として
めぼしい公募展での結果を・・並べてあります


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『日本伝統工芸展』
この展覧会の会場に展示されることは
やはり・・とても大きな自信を与えてくれます

入選の確率は・・数字でも表れていますから
新聞に・・自分の名前を見つけると
飛びあがるほど・・嬉しいものです

自分が研究してきたことが・・間違いではないらしい
これが・・入選がもたらす一番大事なメッセージです
間違いでないなら・・更に完成度をあげるために
何を為すべきか・・次から次へと頭に浮かんできます

この展覧会の研究会に出席したときのことですが・・
審査講評で・・こういう話がありました

「・・この展覧会は・・応募者のみなさんに
完璧な技術を要求します・・だから
完璧でなければ・・落とします・・同時に
その完璧な技術が作品に見えるようなら
それも・・また落とします・・」

これを聞いて・・
自信をもって応募できる作家は・・きっといません
でも・・誰もためらわずに制作して出品します

こうして鍛えられてゆくのです
前回の入選者の・・およそ半分が次回では選外
正会員とて・・容赦なく落ちます
リベンジの作品が・・背中からグイグイ攻めてくるからです

『正確な技術を・・さりげなく・・』
ここで学んだものを・・どこで生かすか
それが・・個展だと・・私は思っています

話が長いので・・今夜はこのへんで・・




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Commented by eripottery at 2010-04-06 05:57
個展、公募展。。。とても私の環境とはほど遠いのですが、
誰かの暮らしに自分の作品が仲間入りしていく怖さというのは
最近私も考えるところです。
見た目の良さ以上に、品質ってすごく大事ですよね。
生活のための道具ですものね。
自分のうつわ、そして色んなうつわを見て、
最近とってもよくそのことを考えます。
Commented by kyoko5346 at 2010-04-06 08:12 x
私は個展も公募展も別世界と思っているレベルですが、見に行くだけで勉強になります。こういう緊張感を克服されての作品だからなんですね。
Commented by tes_music_system at 2010-04-06 16:44
公募展は一点勝負の厳しさ・・・?!個展は全体での表現の難しさ・・・?!
公募展で腕を磨いて、個展に備えています?!(笑い)
Commented by touseigama696 at 2010-04-06 21:19
eripotteryさん
高名な作家が・・晩年することは
若い時に他人手に渡したものを
回収して・・今のものと交換することだって・・
聞いたことがあります・・笑

そんなもんですね・・
いつまでたっても・・
これでいいはないのでしょう
Commented by touseigama696 at 2010-04-06 21:20
kyoko534
いつか・・あなたも
個展や公募展にだしてみてください
それも勉強ですよ
Commented by touseigama696 at 2010-04-06 21:21
tes_music_systemさん
どんな世界だって・・一緒ですね
同じです・・
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by touseigama696 | 2010-04-06 00:57 | ●窯だ行進曲 | Comments(6)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696