アーダンNZ首相


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「私が彼の名前を口にするのを
皆さんが聞くことは決してないだろう
彼はテロリストであり犯罪者であり過激主義者だが
私が話すときは名前では呼ばない
皆さんも命を奪った者ではなく
奪われた人々の名前を語ってほしい
あの男は悪名をはせようとしたのかもしれないが
我々ニュージーランド人は彼になにひとつ与えない
名前さえも・・」

十日ほど前の銃乱射事件の直後
ニュージーランドのアーダン首相はこう述べた
このメッセージには
難しい法律用語も条約からの引用も一切ない
極く普通の平易な言葉で語られているが
それでいて一国の最高責任者の
国と国民を守る為の毅然とした決意が伝わってくる

不法な銃乱射が多発する昨今
これほど端的で これほど簡明に
国の意志を言葉にした指導者を他には知らない
「名前さえ与えない」は 極めて鮮烈に
彼らの誤りに満ちたヒロイズムを拒否すると
世界に向かって示唆している

騒ぎたてることは犯罪者の思う壷
苦渋の忍耐を忍ぶ「無視」こそ最強の意志
そう聞こえて深く共感したのだった




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# by touseigama696 | 2019-03-25 11:21 | ●エッセイ | Comments(3)

恋ごころ

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かつて恋心は予兆(きざし)だった
やがて
長い歳月を経て余韻(なごり)となる

なごりは
ためらいやときめきが印す一筋の道
忘却の彼方に向かう一条の轍

忘れてこその人生の
思い出せない兆しと
忘れられない名残りを行きつ戻りつ
いつか夜は更けてゆく

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灰釉一輪挿し 旧作



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# by touseigama696 | 2019-03-23 22:59 | ●てつ56 | Comments(0)
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朝食を摂りながら見る朝のテレビ
知らなきゃいけない事件もあるが
知らないで済めば知らずにいたい出来事だってある
事件は大抵は不幸なできごと
社会的な問題だったりもするから
報道を見て承知しているべきものが多いが

例えば遠い他府県での民家の火事一件を
犠牲者のあるなしを含めて
全国向けで詳細に報道する必要があるだろうか
特報チャイムが鳴ってテロップが出て
近隣の住人が撮ったと思しき動画が映し出されたりすれば
やはりドキッとし暗い気分に襲われる
勿論気を引き締める警鐘にはなるが
やや地域や個人に傾いた事件は
放映を然るべき近隣エリアに留めてもよさそうに思える

悲喜こもごもが当然のニュースであれば
扱い方で世間を明るくすることも暗くすることもある
一日の始りの時間帯であればこそ
務めて明るい話題も探してほしいものだ

先日も立て続けに児童虐待のニュースがあったが
それだけ見てると事件増加を想像させ憂鬱になるが
実際の発生件数は年々減少してるとするデータもあると聞く
明るい扱い方ができないものかと思うが
言い古された「他人の不幸は蜜の味」が邪魔するんだろか

メディアの関心が視聴率がらみで動くと
現実とは乖離した悲観ムードを醸してしまうこともある
テレビが作る世論に傾斜せずに
すこしでも明るい世の中に生きる希望を忘れたくないものだ

山中伸弥博士のiPs細胞の研究で臨床上
実用化の可能性がどんどん増えているなどの話題を聞くと
やはり嬉しくもなるのである


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那須紺糸抜き流線紋花器 自作




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# by touseigama696 | 2019-03-23 00:32 | ●世相あれこれ | Comments(2)

取材に教えられること

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夕方までかかって取材の撮影は終わった
一応編集子さんの意向に添って準備しておいたから
想定外に慌てることはなくて済んだようだ

自分の持ち技を紹介してほしいといった取材なら
普段のままをご覧に入れればいいが
「こんな風の作品をこんな風な手法で作品にできないか?」
そうした取材側の提案から「やってみるか!」となれば
丁寧に準備しないと不測に出会って慌てたりする
それを避けるにはと色々考えることで
普段見逃しそうな段取の必要に気づくことも多い

手慣れに染まらぬためには
こうした刺激は作家としては得難い経験でもある
しかし部分的ではあっても未知が含まれているから
不安を感じながら そっと内緒で祈ったりもするもんだ


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とりあえず加飾を終えて
釉薬を掛けるとその被膜の下に全ては隠れる
やがて窯の火を潜って改めて目論見が見えることになるが
それはいつでもスリリングな瞬間である

予想が想定内で上がるとしたら
そりゃ結構大したことだといえるこの世界で
未知との遭遇はやはりいい勉強である

技術よりその勇気を讃えるとでも

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取材とは無関係だが 旧作の「鉄絵湯呑み」
この手のさりげなさ 今でも好きだ




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# by touseigama696 | 2019-03-21 00:39 | ●工房便り | Comments(0)

それも時代

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子どもの頃 親父から譲り受けて使った古いカメラ
小学校の卒業旅行の時はこれで写真撮った
それでも子どもには贅沢な玩具だった
幸いなことに親父の医局には暗室があって
そっと現像してもらったり それも時代だった

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いつだったか
若い女性カメラマンへのインタビューを見た
ファッションのポートレイトが主戦場のカメラマン
インタビューの中でこんな話をしていた

「今のデジタルカメラは相当に高速で連続撮影ができます
あるモデルさんのあるワンカットが欲しければ
ポーズしながら動いてゆく流れを連写します
そして撮影後ビューアーで一枚一枚丁寧に見て
一番いい瞬間を決めます」

これは彼女に限ったことではなく
報道のカメラだって連写して選ぶのはルーチンかもしれない
それが時代なのだ

一方 私が映像の世界に入ったころ
まだ戦前に大きな新聞社で修行したカメラマンさんが健在だった
もうお名前も覚えていないが
そんなひとりのカメラマンに聞いた話
これも時代だったと思ったものだ


「新米のころは
朝出勤すると手入れの済んだ35のカメラに精々10枚
千切って作ったフィルム1ロールを詰める
社を出たら一日掛かりで歩き回り
これなら使えるって写真を撮って帰るのが日課の稽古
幾ら撮ったって使えなきゃ つまり
新聞に載らなきゃ肩身が狭いってもんだ
じゃどういうのが使えるかっていうと
構図やピントじゃないのさ
シャッターチャンスってやつがズバリなら
写真が勝手にものを言ってくれる
見出しの要らない写真・・って奴だな
一瞬で何を見せたかったかを撮らなきゃだめってこと
それがドンピシャなら構図が悪いとか
ピンがきてないとかは大したことじゃない
35㎜位のレンズだとビビってたら
被写体は画面の真ん中に大豆一粒みたいなもん
人でも物でも思いっ切り接近して撮る
度胸がないと務まらない商売だったね」

「ファインダーから見てる分には
崖っぷちも怖くないのに
カメラから目を離したらビビるよ」

カメラ持ってない時はとっても大人しいのに
一度カメラを持たせると猪突猛進
私の周囲にもいたっけ

記録が主軸だった写真 表現を求められる写真
どっちも時代 どっちもきっと正しい訓練法だ

写真はいつでも時代と深く関わってきたから・・
私にはそう思える


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糸抜き線紋皿 自作



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# by touseigama696 | 2019-03-20 06:15 | ●エッセイ | Comments(0)

料理番組のごとく

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近々に雑誌の取材が入ることになった
たっぷりと時間をかけてってのは滅多にない
如何に素早く取材撮影するか
編集子さんの腕の見せ所ということになる

先日打合せも済んで だから
時間短縮を狙った準備を進めるために
今日の午後はロクロに向かった


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どうやって時間短縮を図るかというと
そこは料理番組の作り方と似てる
完成させる皿が二枚だとしても
二枚の皿を準備すればいいわけではない

朝の生番組などで調理を紹介するときに
ご覧になったことがあるだろうが
オーブンやレンジに入れて10分加熱すると説明しながら
「ハイ! こちらが丁度10分経ったところですよ・・」
生放送で10分は待てないから 予めスペアを用意するわけだ
こうした手段を幾つか挟むことで
撮影の時間が短縮され放送枠の中に納まる計算になる


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かつて新米制作者だったころ
たまたま料理の特別番組でご一緒した
NHKで活躍された往年の料理研究家 関操子さんから
教えて頂いたのがそうした現場の知恵だった

あのほうれん草は
撮影するときはほうれん草でなく〇〇菜の方が都合がいい
見た目はとても似てるが
加熱しても色の鮮やかさが失われないのだそうだ
食べる分は勿論ほうれん草でも
画面で調理を見せる時はそれなりに工夫がこらされていた

やきものの制作過程にも
そうしたテクニックを生かせば
時間が短縮できる
編集子さんの希望を聞きながら
何をどう準備するかの段取りを考えて
制作順序をテレコに挟む算段をするわけで
僅かにプロデューサー気分を味わうことになる


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結婚してまだ日も浅かった私は
関操子さんから著者署名入りでご本をいただいた
昭和46年6月12日とあり妻の名も記されている
我が家の新婚時代の教科書だったらしい


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8枚の皿を挽いた
勿論8枚全部使うわけではないが
何が起こるか分からない
余分に用意しておけば慌てることもない

スムーズな現場は段取り次第なのだ
慌てなければ何事もなく出庫できるはずの
コンビニのパーキングで
店内に突っ込んで自爆する事故が多発するが
原因は慌てたからが圧倒的だ
予定通りに進めばそうした自爆は起こらない
段取りと手順
いつもそこに集中することが大切だと
思い続けてきたことである

明日もまだ準備に手がかかりそうだが
53回目のアニバーサリーでもある
夕食は一緒に外でということだそうだ



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# by touseigama696 | 2019-03-18 20:45 | 〇制作あれこれ | Comments(2)

パティシエのメッセージ

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自宅から100㍍ほどの距離に
最近ケーキ屋さんが開店した
軒につけられたサンシェードには
パティシエの名前が表示されていて
奥に工房も見えている
楽しみにしていた開店だった

妻と娘で買ってきたケーキとは別に
ランチボックスほどのケースがあった

聞けば
お店の片隅に置かれていて
中身は制作中のケーキの耳を集めて
苺と生クリームで包んだものだという

これが美味しいのだ
ケーキより安価にしてあるのは
余分な耳だからというのだろうが
本体に遜色のない美味は
パティシエのメッセージに思える
「控えめな自信」 そんな気がする

仕入れて売るだけの店でなく
工房とは別の店舗で販売する店でもなく
小さいが一体になって作って売る
だから耳で作ったスウィーツも
躍動して見えるのだろう

そのパティシエのメッセージ
しっかりと受け止め
体に障らぬ程良さで長く楽しませてもらおう


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珈琲は自前で・・  




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# by touseigama696 | 2019-03-17 07:51 | ●お気に入り | Comments(4)

拍車をかけて

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鞭を入れて・・士気を鼓舞し
拍車をかけて・・加速を促す
競馬じゃありませんが
そろそろそんな季節になってきました


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ご依頼の品・・呑気も限界です
この数日一所懸命糸を貼り 顔料を吹き
鞭と拍車の日々でした


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少し余分に作ってはいますが
失敗や気に入らないもあって
約束の数には数個足りてないみたい

勿論
脱兎になって・・馬を追いかけますが
ウサギの方がウマより速いでしょうかね


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全て案配よく走ってくれれば
こうなります

二兎追う者は一兎も得ず
欲張らずにちゃんと仕事しましょう・・です

無事これ名馬・・そうなりますように




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# by touseigama696 | 2019-03-16 09:24 | ●工房便り | Comments(0)

写真よもやま

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粉ひきぐい吞み 旧作


私が映像の世界に飛び込んだ最初の日
1966年4月1日だと思う その朝出勤したらデスクから
「今朝はカメラの〇倉について見習い助手やってきて!」

〇倉さんが回すカメラの後ろに立って
被写体に向かってバッテリーライトを当てるのが助手の仕事
広い畳敷きの部屋に大勢の役者がロの字に座って台本読みしていた
東宝の稽古場で真ん中にいたのは若き日の草笛光子さんだった

カメラの〇倉さんは
ファインダーを覗きながらどんどん草笛さんに近づく
それこそ顔から1㍍足らずだった
そのカメラの直上でライトを振るから
私も同じような距離に立つことになった

何も教えられないままの助手仕事
「適当にやってくれよ!」 指示はこれだけだ
焦りまくったが草笛さんの正面に
強からず弱からずのライトを当てようと必死だった
だからでもあるが
何ときれいな女優さんかと心底驚いた
その後に仕事でお目にかかった女優さんの中で
あれほどに肌が透き通るように輝く女性いない
「スター」まさに輝く星だった

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(お借りした写真 
若き日の草笛光子さん
今もご健在で美しい女優さんである)


今では様々な機能のレンズが開発されて
100メートル先からでもアップの顔を撮ることは造作ない
あの頃でも 長焦点のレンズはあった
だから遠くからでも撮れるが
その目前の人込みを透過して撮ることはできない
人込みの最前列 そこがワイドな35㍉レンズの定位置で
額がぶつかる程に寄ってけ! どう撮ってもボケはないのだ

「どうにでもなりそうな距離にカメラを構え
ズームで寄ったり引いたり
左右にパンして動きを追うような心がけじゃ
大成しないよな
自分の足で撮れ! その足で動いて撮れ!」
それが初心の初歩だと教えたのだ

最近テレビのロケ番組を眺めると目が回る映像がしばしばある
大成してないカメラマンが撮ってるのかもしれないな

私はカメラマンではなく
プロデューサーへの道を歩いたが
カメラマンから教えられたことは沢山ある

この先は
別項の「写真よもやま」で幾つか書いてみようと思う

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生まれて初めて土に触れて器にした日
1995年1月12日 52歳の正月だった
わけも分からず手びねりで作ったぐい吞み2個
焼いてもらったらこうなった
右の口縁部が赤いのは
窯の中で隣り合わせた先生の作品から
銅釉が飛んで染まったと教えられた

↑のぐい吞みに比べて見事に下手である
そこから始まった25年だった



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# by touseigama696 | 2019-03-15 07:24 | ●エッセイ | Comments(0)

タム9マクロ

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今となれば古いかもしれませんが
いっとき好んで使ったレンズに
TAMRON SP90㎜Macroがあります
ボケの名球と言われてきたレンズです
カタログ写真とは異質のポートレイトには 
絶好のレンズで愛用者は沢山いました


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器を姿形ではなくマチエールで見てほしい時
こうした撮り方で撮ってみたかったのです

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マクロレンズも色々開発されているのでしょうか
最近の事情はさっぱり判りませんが
久しぶりに去年購入したNikonD7000に
このレンズを装着して
何も構えずに置いてある自作の器を
手持ちで撮ってみました

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トリミングもせずに撮りっぱなしです


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どこもかしこもピッタリフォーカスって写真は
一番基本でありながら
場合によると面白くない写真でもあります
何が撮りたかったの?がはっきりしないせいです

思いっ切り接近してグサって撮る
「ここ見て!」

全部を褒めないで
「今日のヘアスタイル素敵だね!」
これがマクロの秘訣かな?(笑)




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# by touseigama696 | 2019-03-14 06:36 | 〇制作あれこれ | Comments(2)

50歳からのプロ・・・ここでは陶芸家らしく・・


by touseigama696