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お盆の最中の日曜日
私には普段の一日だったが
夕方・・ふと茶が欲しくなった

そこで自作の茶碗で点て独服となったが


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ふと思いついて・・二服目にこの茶碗を用意した
赤楽の手びねりである
この茶碗で点てるのは・・久しぶり

じっと手にしていると
不思議な情景が浮かんでくる

亡母から譲り受け・・ずっと手許にあるこの茶碗
伝来をなぞれば
近代茶会史に名を残す途方もない数寄者がふたり
この茶碗を挟んで・・茶室に坐する姿が浮かぶのだ

「益田鈍翁」と「森川如春庵」
どちらも
明治以降戦前までの茶の湯の世界では
盛名を馳せた巨星である
三井物産の創始者でもある・・鈍翁益田孝
名古屋の素封家の茶人・・如春庵森川勘一郎
親子ほど年の差がありながら
数寄道を歩む同好としての敬愛に満ちた交流が
この茶碗の見込みに潜んでいる


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先月・・三井記念美術館でこの本を見つけ
思わず衝動買いしたが・・同時に
眠っていた好奇心が目を覚まし・・再び
この茶碗の来し方をつまびらかにしたくなってきた

発端は・・大分昔のことだが
母親が・・こう言ってこの茶碗を私に寄越した

「学校時代の親友が名古屋の素封家に嫁ぎ
何かの折に訪ねたら・・その帰りぎわ
蔵からこれを出してきて・・記念にと頂いたんだけど

書付けはなくて・・言い伝えの由来は
関東大震災の直後・・名古屋に疎開した鈍翁さんが
その滞在中世話をした如春庵さんと
手慰みに茶碗を作り・・茶会で使ったのだそうで
これはそのうちのひとつ・・と聞いてるものだとか」

地震も疎開も茶会も
その時期・・確かにその通りで
その折りの作品であったとして不思議はなく

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鈍翁の箱書きも・・真筆である
ただ伝聞による由来を確かめられない点がひとつあって
それは
作ったのが鈍翁か如春庵なのかが・・定かではない
箱書きの様子からすれば
作ったのは如春庵で箱書きが鈍翁が妥当だろうか
いずれ・・そこらへんを研究してみたいのである


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茶の湯の茶碗という器は
姿形・・加飾焼成などだけで
良し悪しを計り知れるものばかりじゃない

茶碗に歴史あり
その歴史を辿りながら・・茶筅を振る
如春庵が点て・・鈍翁が喫する
その二人の巨星の振る舞いに思いを馳せて
独服するひと時は・・まるで同席のようでさえある
この茶碗を持つ贅が・・茶と共に喉を伝ったのだった





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このクラスのレースとなれば
実に微妙なデリカシーが・・結果を左右する

決勝進出を決めた準決勝のとき・・サニブラウンは
観客席に一番近い外側の9コースを走った
そして・・次の決勝では
一人分内側の8コースでスタートした
たったこれだけだが
昨日・・私こと自称コーチが
サニーにしようとした助言からすれば
これには実に大きな違いがあるのだ

ちと長いが・・書けば
8コースと9コースの違い
1から9までのどこに割り当てられるかは
前日のレースのタイムで決まるから
全ての選手にとって不公平はないが
9から8に移ったサニーには
運命的な変化だったと・・私は思う

つまり・・9コースだと
一番外側なので左を走る8人の姿は見えないのだ
それが8コースになると
左の7人は見えないが・・右の一人は見える
それが今朝の決勝の場合・・アメリカのウェブ選手だった
彼はメダルを狙える速い選手である

昨日私が書いた
最初から最後までリラックスして走れ
勝ち負けは度外視でいい
もしも・・この助言を実行しようとしたら
8ではなく9コースの方がよかった
つまり・・誰も見えないから競わないで済む
リラックスしやすいはずである

録画で見れば分かるが・・スタートしてすぐ
サニーはウェブがすぐ右に見えてる
しかも結構速くて・・自分の前に出ようとしてる
彼は速いが・・優勝候補は別にいる
ウェブに遅れていてはメダルに届かない
きっと直感的にそう感じて
筋肉への負荷を・・ギア一段上げた
それは・・昨日我慢しろよと云った
勝負へのこだわりを体に命じたことになる
勝ちに行ってしまったのだ
私流には・・このレースはここで終わった

レース後のインタビューで
「気にしてたハムに来ちゃって・・もうひと押しできなかった」
これの意味は
大腿背部のハムストリング筋に荷重がかかり
痛みを発したということで
トップレベルのレースでは致命的ともなる
ウェブが見えなければしなかったかもしれない
急速なギアチェンジは・・いわゆる力みともなって
リラックスを解いてしまったのだ

そこから先・・ゴールまでの後半
アゴが上がり・・肩・上体が揺れ
体は緊張の塊のようで進まない
見事な負けパターンになったのだ

しかし・・考えてみれば
18歳の少年が・・初めての大舞台で
いきなり完成形のレースなどできよう筈もない

だから
最初の大きなチャンスではあるが
ここは我慢して・・何があっても絶対に解かない
リラックス維持に徹しろと・・書いたのだ

優勝したグリエフのゴールを見れば
最後まで体は揺れず頭も固定されている
彼にしてもどうやら初めての金メダル
多分筋肉は相当に緊張した筈だが
キャリアが・・我慢に耐えたのだと思う

今朝の敗北でサニーが得るものは
彼なりにしっかり感じただろうが
リラックスというキーワードを
忘れてほしくない

一流アスリートに必須のアイテムは
リラックスを自在に制御できるメンタリティーである
色々なスポーツを見て・・それは共通のセオリーなのだ

サニブラウンが逸材なのは・・同感だ
だからこそ
今日にもメダルを取りそうに囃したてる
無責任なメディアに惑わされず
厳しさはきびしさとしてがっちり受け止め
大成してほしいものである

どんなコンペティションも
ちょっとやそっとでは歯が立たない難易度には
それなりの意味がある
勝ちたいだけなら・・いわゆる格下で勝てばいい
だが挑んで頂上を見たいなら
我慢すべきは我慢して・・スキルを蓄えるしかない

世界に羽ばたく青春を見ることは・・実に楽しい
そして頼もしい



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同じ粘土を同じ量だけ与えられ
「さて・・課題は径が60㌢の大皿を
メジャーなしの見た目で挽いてください」

こんなコンテストがあるとしよう
そして挽き終えたそれぞれの作品を計測したら
60.1㌢が一番近似値で
10人ほどの参加者のどん尻が60.2㌢
その間に8人が混じってるとしたら
そりゃもう・・びっくりするに違いない

600㍉を・・見た目1㍉差で競う
必要かどうかは別として
技術としてなら・・それをものにする修練は
やはりプロ的な志向ともいえよう

実は上の写真
今朝の明け方世界陸上の200㍍走の準決勝
こんなにばらけているが・・終ってみると
20秒が一位で21秒がどんじりだ
その差に1秒はなく・・間に6人がいる

人間のフィジカルなポテンシャルを
とことん追い求めれば
ここまで絞り出すことができる

私が幼かったころの
「イッチョ気合いれてやれやぁ!」で済んだ
あの遊びみたいなスポーツは・・今は遠い
プロフェッショナルでなければ勝負にならない
そのプロフェッショナルに向かって
幾つもの青春がストイックなまでに
ひたむきに走っている

それはそれで良いことだと・・私は思う
どうせやるなら・・遊びや楽しみで終わらせるな
1秒や1㍉に・・惜しげもなく1年を使う
その忍耐がもたらす成果は
きっと競技人生を支えてくれるに違いない

プロがいなくなちゃう世界も多い
昨今の世の中をみてると・・だから不安だ
本気のプロに頑張ってほしいと・・願うばかりである

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さて蛇足だが・・さっきのセミファイナルで
見事決勝進出を決めたサニブラウン選手に
もしも・・私が君のコーチならという
実にお節介な一言を書いちゃおう・・と思う

「明日のファイナル
チャンスがあれば勝ちたいって思うとして
それは当然の狙いかもしれないが
サニー!・・ここは我慢だ

今年の目標は・・セミファイナルに勝つことだった
それは実ったが・・今ファイナルに欲を持てばまず負ける
何故って・・やってない練習がひとつあるからだ
しかも・・それせずに勝ちにいって負けるのは収穫がない
我慢って言ったのは・・勝ち負け度外視の収穫狙いだからだ

明日は勝ちにゆくな・・むしろ負けるために走れ!
ただし・・ただ負けるためじゃない
壮大な実験をしろ
どういうことかと言うと
最初から最後まで力を抜いて走れるかを・・試せ
勝ち負けは脇に置け
勝てそうな気がしても・・力を入れるな
負けそうでも・・力むな
200㍍全部を・・リラックスして走れ
それが・・まだやってなかった練習なんだよ

もしその我慢が出来れば・・来年は勝ちにゆけるよ
この経験は・・しょっちゅうできるわけじゃない
折角掴んだ最初のチャンス
リラックスを体に覚えさせるための実験に使えだよ

練習場では絶対できない・・実験
格下のレースでも絶対できない・・実験
だから
勇気をもって・・スタートからゴールまで全て
「力を抜け!」

結果は20秒後にはでない
出るのは来年で・・成功すれば
そりゃ言うまでもないことだよ」



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先月採血した検査結果を・・今朝もらった
一ヵ月の間・・電話さえなかったんだから
きっと何もない・・その通りだった

勿論
血液だけで体のことが全て分かるわけじゃない
でもきちんと定期的に調べていれば
何かあれば予兆がでる・・そう思っている
前回同様今回もまずはN.P.・・問題なしだ

Dr.曰く
「僅かに貧血を思わせる数値が出てるが
それぞれ標準の下限上限の近似値で
病気を疑うレベルではない
CKだけがやや大きくはずれているが
この時期・・工房で力使ってたでしょ
筋肉を使うと上昇する数値だからね」

それより下の項目は‥総て基準内だ
肝臓・膵臓・腎臓・糖尿・動脈硬化
肝腎要め・・みな大丈夫のようだ

「当分・・ガンとは縁遠そうだな」
Dr.がそう言ったので

「だとしても・・もしガンが予見されたら
なるべく発見しないでおいてほしい
気づいたときは手遅れ・・余命半年かな?
それが私の望み
なまじ早期発見で治っちゃったりしたら
死ねないもんね・・それ困るんだ

毎日の生活をなるべく
クォリティーの髙いものにしようとしてるのは
長生きしたいからじゃなく
体を拘束されてやりたいことがやれないのを
防ぎたいからだけのこと
自分のことは自分で賄うよう
成人病からは・・できるだけ自分を守るけど
ガンは防御できないからね
この先は・・それがいつだとしても
少しも若すぎたりしないでしょ
それが・・私の生き方死に方
よろしくお願いしますね」

183センチ・・78キロ
ひとの世話になるには少々デカイ
小柄な妻は・・きっと持て余すに違いない
なるべく迷惑かけずに・・日々を過ごし
そして・・静かに逝きたいもんだと
密かに願っているのである




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外に出ると・・例年になく蒸し暑い夏だけど
工房に籠っていると・・それも他人事みたいだ
窯場の余熱さえ・・大して気にならない
ふとした気のゆるみで・・ミスもするが
追作の過程も終盤にきてる
これが終らないと・・ゆっくりとした気分にはなれない

なのに・・非情にも公募展の締め切りが迫ってくる


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間に合うなら・・作れ!で
簡単には諦めないことも大事だと思う


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そういうわけで・・数日前にロクロに向かった
今年は・・深鉢に加工するつもり


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削りも済ませ・・口縁部を切って多角鉢を狙った
十六面鉢である

この先は・・注意深く扱わないと
ひ弱な口縁部を壊してしまう・・だから
焼き終えるまでは・・直接裏返すのは禁物
大きな植木鉢などを当てがって
口縁部を浮かして作業することになる

「注意一秒・・怪我一生」
妙な標語を思い出した


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季節がら
結構よく乾燥するので・・工程はスムーズだ
但し・・ここでも見た目に騙されると
窯中で事故も起きるから油断大敵
しっかり乾くのを待たねばである

今朝も・・これから追作本焼きひと窯
無事に焼けてくれますように・・である




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ここで野球を見るのは・・いつ以来だろう?
少年だった息子を連れて観戦したのは
もしかしたら・・後楽園時代だったかもしれない

地元の仲間のS君から
「たまには如何ですか?」と・・招待券が2枚届いた
よみうりの関連地域新聞の社長をしているよしみ
「先輩が作ってくれた社歌
毎朝・・みんなで歌っていますよ」
それも遥か昔のことなのだが
そうして今も歌い続けていてくれるのが嬉しい


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この数日・・さすがに疲れが出たのだろうか
思いがけないミスで・・落ち込んでもいた

糸を貼り・・顔吹きもし・・その糸もはずし
釉掛けをしようとして・・しくじった
コツン!とぶつけてこれだ

このままでは補修はきかない
一度洗った後に・・口縁部を削り直せば
皿にはなるがそれは別物・・今は使えない

この時期にこのミスはつらいが
急いで作り直すしかないと
思いを決めた

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そんなわけで・・気分転換が欲しくて
妻を連れ立って・・ドーム球場に出向いた
指定席はここ・・ジャイアンツのベンチの上
最前列のネット前だった
ドラゴンズ側のTVカメラから
ジャイアンツの選手を撮ろうとしたら
我々夫婦が入ってしまいそうだ

だから・・妻の手を握ることもやめ
肩に寄りかかかって眠ったりしないよう
気をつけることにしたが
「居眠りしてたわよ・・!」
週刊新潮がいないことを願うばかりだった

王選手が少し後輩にいた時代に
自分の亡兄が・・早実の甲子園児だったせいもあって
妻は野球を知っている・・嬉しそうに観戦する様子は
遠い昔を思い出していたのかもしれない

「兄が親しくしてた城之内さんが
嫁にしてくれたかもしれないのに・・」
若いころ・・よく嫌がらせを言われたものだった
当時・・城之内はジャイアンツのエースだった


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久しぶりに球場で観戦して・・感じたこと

応援にしろ声援にしろ・・ともかく大音響だ
慣れない私には・・少々頭が痛くなるボリューム
その中で・・選手たちは集中してボールに向き合っている
テニスやゴルフでは考えられない・・人の動きと音の坩堝

メジャーには・・鳴り物の応援はなく歌もない
ゴルフ並みに静かだ
だからボールの音もよく聞こえて
日本とは別の意味で臨場感に溢れている
どちらがいいのか・・難しいが
私の個人的な好みなら・・静かがいい

テニスやゴルフで
一瞬の静寂の中でボールに全神経を打ち込む
あの集中が好きだからかもしれない

別の視点でいえば・・あの熱気の坩堝の中でも
きっちり集中できる野球選手のメンタリティーは
やはり凄いものだとも思う

気分転換は叶った・・S君に多謝である



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6月の会期だった個展ですが
私には・・まだ終っていません
ですから
ご注文いただいた追作が終るまで
緊張を解くわけにはゆきません

どうしたって時間のかかる糸貼りに
集中を切らさずに・・向き合っています

特段に暑い夏ですが
こうして工房に籠って過ごす時間は
もしかしたら・・一番の避暑かもしれません

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昨日も・・夜明けから仕事してましたが
一段と進捗させるため
夕食後も・・残業することにしました
40㌢の皿に・・糸抜き波状紋の定番です

裏面の養生準備で・・30分ほど使い
一気に表面を攻めることにしました


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表面の・・最初の一線がこれ
何のあたりも入れてない皿に
この一本からの上下は
最後までフリーハンドで
頭に浮かぶイメージを指で走らせてゆきます

最初のころ
大皿にこの一本を入れると
皿の広さと・・終りの遠さに怯えて
「えらいこと始めちゃったぁ~!」って
恐怖みたいなものさえ感じたものでしたが
「慣れ」という経験は・・大きな財産です

ある程度自由にモチーフを表現できるスキルが
道中を楽しませてくれるようにもなるもんです

「ここら辺で・・この波消して新しい波を・・」とか
「この波は・・ちょっと荒々しく・・」など
そんなこと考えながら・・進めてゆきます


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30分ほどで・・こんな感じです
少し離れて全体を俯瞰し
おおよその流れを・・確かめるのも大事
夢中になって近視眼になると
全体のバランスを壊してしまうことがあるからです

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1時間くらいで・・ここまできました
昨晩は・・結構いいリズムで貼れました
体調とか気力によるところもありますが
一番大事な条件は
この皿のロクロ挽きが上手く出来てるか?・・です
見込みの曲面が・・スムーズで滑らかでないと
糸は・・思い通りに走ってくれないのです
僅かでもコブがあると
糸は・・その頂点で狙ったコースを外れ
おまけに下り斜面で・・剥離してしまいます

ですから・・この糸抜き技法の場合
ロクロの挽きと削りは
手の勢いを生かすというより
糸の走りに合わせて・・微妙な滑らかさを追います

その意味で
この皿は・・仕事しやすい皿なのでした

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2時間で・・貼り終えました
初心のころを思えば・・嘘みたいです
多分このサイズでも
丸一日はかかっていたかもしれません

割合い・・穏やかで優しい波模様になりました
リズムに乗れて
無駄なやり直しのなかったことが
気分を良くしてくれます
いつでもそうだといいのですが
思い通りにならないことだらけで
悪戦苦闘する日々でもあります

これから裏面を貼ることにします




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尺皿に貼った糸抜きの波状紋
私の定番のひとつですが
これ一枚の裏表に糸を貼って・・ほぼ3時間ほど

「こんな細かい作業・・気が遠くなりそう!」
ご覧になった方から・・よくそう言われます
でも本人は
一度も気が遠くなったことはありませんでした


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しかし
この二枚を貼り終えた昨日
少々気が遠くなりそうでした
これ一枚裏表貼るのに・・10時間かかったのです
たった二枚に2日使いました
一寸見には・・波状紋より楽そうに思えますが
これが意外に手強いのです

本人・・出品作を作ったときの所要時間を忘れます
ですから途中で・・ガァ~ンと思い知らされるのです


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何でこれって・・こう手間がかかるんだろ?
考えながら・・貼ってました

多分・・理由はこうです
波状紋は・・一本の糸が皿の幅分の長さ
長いうえに・・リズムに乗る必要があるので
調子が出れば・・結構スピードがでます

一方・・この市松紋様は
3センチ四方の升目の中に
1.0㍉の糸を3センチの長さで7本
出来るだけ等間隔で貼っています
おまけに切るときは
1.5ミリ幅の糸の上で・・1.0ミリの糸を
はみ出さないように切るのです

ハサミを使う頻度がまるで違っていて
到底リズムに頼るってことが難しいのです
それでも
貼ってゆく手順を揃え
僅かにリズム感を摑もうとしますが
雪上のスラロームでワルツを!
ってわけにはゆきません

数㍉の等間隔で80数升に7本の糸
はみ出さないように息を詰めて
ハサミで切る回数も600回ほどになります
尺取り虫のほふく前進みたいなものです

一枚に10時間・・どんなに慣れても
一枚を3時間では・・きっと無理
気が遠くなりそうなことに気づきました


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裏面は・・こうです
追加制作は・・この二枚ですが
窯から出したら疵あり・・?

考えないことにします
そっちの方が気が遠くなりそうですから

でも
公募展での選外と・・個展の窯出し疵あり
どちらも覚悟して慣れておく必要があるって
陶芸が因果な仕事の理由のひとつ
私は・・そう思っています




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この湯呑み
いま目の前にあって・・手に持つこともできる
手に持った瞬間
何の違和感もなく・・ただただ手に心地よい
大きさも重さも手触りも
そして目に映る姿も色合いも・・見事に自然である

高台周りに見える土味は極めて滑らかで
すっきり切られた高台脇に・・印が押されているが
字画の多い文字もしっかりと読める
絶秒のタイミングで押されたに違いない

作為の無作為・・無作為の作為
いずれにせよ・・たかが湯呑みと思う勿れ
作者の言葉によれば
「この土よく暴れる土で扱い難いし
釉も月白・・一筋縄ではゆきません」
無作為に向かって・・作為はどこまでもその足跡を消す
そこに残っているものは・・自然な静謐であり
品格とはかくあるべしの佇まいなのである

この湯呑みを手にするのは・・私にとって
ただ茶を喫するためではない
遥かなる憧憬の世界に
一路の筋を求める仕種なのだと思う
だからこれに限って・・まだ一度も使っていない


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2001年 第16回日本陶芸展の図録
私の初出品が初入選を果たした年だった

このとき会場で・・初めて見たのが
福島善三さんの・・鉄釉掛分鉢で
痺れるほどに感動したのを覚えている


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遅ればせながら・・今朝
福島さんが人間国宝に認定されたのを知った
少しも驚きはしない
作品同様・・来るべきものが
とても静かに・・来るべき名工に来たのだ
こころからお祝いの気持ちで一杯である

福島善三さんのことについては
2015年11月3日のこのブログで
その時・・工房にお邪魔した話しを書いた
リンクしようとしたが上手くゆかない・・お手数だが
日付のインデックスで引いていただけたらである




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個展最終日が終わった翌日から
追加注文の制作にかかって早や一ヵ月
ここでも「歳月人を待たず」・・です

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夜明けから日没までの・・工房は
今では日没から先・・深夜まで
必死に糸を貼りまくっております

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ロクロを挽いては・・乾燥の頃合いをみて
削ったり・・素焼きしたり
複雑に入り組む作業の流れを整理しながら
出来るだけ効率よく進めるようにしているのですが
何しろ劣化しつつある脳細胞のせいで
「今どこらへん?」
年中居場所を見失っています

追作は・・お客様の識別カードをつけて
会場で伺ったご希望を思い出しながら作りますが
窯に入れる直前に・・カードを外します
焼きあがったらまたカードをつけてですから
結構記憶力がいるので・・そこが問題なのです

大分進んではきましたが
もう少しお待ちいただけますよう
ここでもお願いしちゃうことにします


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この浅さ目の多面鉢・・追作で作ったのですが
気に入らないところがあって・・再追作にしました
古い友人ですので・・事情は電話でお許しを願うことにします

そこで妻に渡し・・自宅で使って
その使い勝手を調べることにしました


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この鉢と逆に
口縁部が茄子紺の紋様で・・見込みに白
その方が・・普通かもしれませんが
盛りつけてみれば・・これもあり
サラダを食べ終えると・・紋様がみえてきます
陶工は・・シャイなのです(笑)




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