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BBpinevalleyさんの許可を得て
ブログ「アメリカからニュージーランドへ」
2017/09/07からお借りした写真です

「この砂漠を真っすぐ歩いたら・・どこに行くの?」

1965年の冬・・初めての欧州の旅の最後
カイロ郊外のギゼーのピラミッドを訪ねた時
遥かなサハラ砂漠を見やりながら
現地のひとに・・そう訊ねた

その若者は・・素っ気なく英語でこう言った
「となりの国」
どれ位歩けばそこに行けるのか
そして
それは何という国なのか・・私には判らない
でも・・そう言うしかない壮大な広さと遠さ
それも「隣り」なんだと・・妙に納得した覚えがある

自分が今立っている・・その足元から
遥か彼方で・・道は空と交わり消えてゆく
そこを地平線といい・・消えた点を
バニシングポイント(消失点)という
そこまで歩けば・・その先にまた新たな
地平線とバニシングポイントが現れる
切りがないが・・歩けば歩ける
それが「道」なのだ

お借りした写真を見つめながら
ふと・・感じるものがある

近代化された都市空間の中でとなると
「我々が今歩いている道は・・道とは言えない」
ってことだ
限られた用途のための通路
利便と簡便が綾なす破線の通路
始終途切れ・曲がり・ぶつかる
そんな通路の角に立って
「これ真っすぐ歩いたら・・どこ?」
「そさな・・駅かな」
間違っても・・隣の国とは言うまい

かつてひとは・・空の星を頼りに
どこまでも真っすぐ歩いた
何度も地平線に達し・・次の消失点に向かった
それは通路ではなく・・道だった
強靭な体と心は・・道で培ったのじゃなかろうか
通路に立って歩きたいとは思わぬが
この道に立ったら・・きっと歩きたくなる
駅ではなく・・隣りの国まででも歩きたくなる

それにしても・・お借りした写真
キャプションによれば
この道は・・お隣りの農場への道とか
なんと素晴らしい道ではないか
決して通路ではない

バニシングポイントは
途中は人生の頂点であり・・最後は終点でもある
叶う間どこまでも・・いつまでも
真っすぐ歩き続けられたら・・なのだ




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昨日の朝のこと
たっぷりと大服に点てた茶が
喉越しに・・頭の靄を連れ去ってくれる
緞帳を引くように・・夜明けの幕開け
日に日に・・日暮れは早く夜明けは遅い
日の出を待ちながら・・ゆっくりと茶を点てる
このところ・・そんな朝が多くなって
個展の追作の日々に終わりがきたようだ

旧宅時代・・私は夜更かしだった
転居して早起きに替えた
旧い町並みから・・新しい町並み
夜更かしよりも早起きが似合う町に転居し
新しい家の暖かさに救われて
真冬でも・・夜明けが寒くないのだ

だから
このまま早起きを続けることにして
3時半から6時半の朝食までの3時間
かねてから密かにリベンジしたかった
読書時間の奪還に充てようと思う

頭の劣化・・目の劣化
はたまた・・根気の劣化に記憶の劣化
読書が縁遠くなって
昔を今にかえすよしもがな
最後のチャンスと決めて
しっかりとした本を・・しっかり読みたい

転居の折に無慮数千冊を処分したが
これはと思う数百を残したから
せめてこれには手をつけたいし
ついついその後に買い置きした分も
出来るだけ読破したいと思うのだ

近々に眼科でチェックして
白内障の手当が必須かもしれない
必要なら手術も受け
視野と視力を確保しなきゃとも思う

75歳からの最晩年
何と言って欲があるわけじゃない
せめてものリベンジが・・読書時間の奪還
可愛いもんだ

今5時になった
さっき火を入れた窯をチェックしながら
今朝も茶を点てることにしよう

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少し秋めいて・・だから
今朝はこの茶碗で




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盛名高い鎌倉市鎌倉山の・・その一角
寺ではないから・・正確にはどう言うのか
この山門(?)に迎えられた

旧い友人で企業人であり・・陶芸家でもある
稲生一平氏の自宅工房である


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一平氏の山の窯だから・・山平窯
そんなことだろうか
この地に相応しい窯名である

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主じの稲生一平氏に案内されて・・工房に

今を遡ること半世紀
同じ年だから・・20代半ばから後半にかけて
我々は・・銀座の真ん中で仕事したり遊んだりしていた
一平氏は・・誰もが知る名門名家の出
若いころから良いものを知っていたし
実に洗練されたライフスタイルが
仕事にも遊びにも現れていた

ふたりともメディアに深く関わって
テレビを媒体に仕事していた
私が大病でリタイアしたのが契機で絆が切れたが
長い時間を経て思いがけず復活したのは・・陶芸が縁だった

ふとしたことで・・ネットで彼を追ったら
若いころ同様・・見事にビジネスの先端にいて
その名は・・活躍を物語っていた
その隅に・・陶芸をするとあって
すぐに連絡をとったのが再会の始りだった


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昨日の訪問に・・ご一緒したのが
藤巻美也子さん
当時・・TBS会館の一階にあった
ジュエルショップのショップ・マネージャー
往年の青春スターたちも・・ここに出入りし
彼女を真ん中に・・いつも賑わっていた
私も稲生氏も・・そうした輪にいて
とりわけ一平氏は・・リーダーだった

藤巻さんとのつながりも
稲生氏同様・・大病で切れたが
その復活は・・こちらは何とこのブログだった

数年前・・突然彼女から手紙が届いた
「ハワイの親友が・・あなたのブログを読んでいて
その中のある記述が・・きっと美也子さんのこと
読んでごらんになれば・・」と知らされたとあった
間違いなく自分のことと確信して・・手紙をくださった

その日から・・彼女との失われた日々と
思いがけない活躍にふれてびっくりした

ウィンドサーフィンの日本選手権者で
世界選手権でも活躍してたこと
アメリカ人のご主人と日本・アメリカ本土を
行ったり来たりがあって
今は沖縄をベースにハワイと住み分けて悠々の日々
似たような年だが・・美貌は昔のまま
あの輪の真ん中にいたヒロインなのだ



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先日の私の個展にお二人で見えた折り
山平窯を訪ねる約束ができた
それが昨日だったのだ

彼の工房を訪ねることは
私にも興味津々・・楽しみにしていた

プロジェクトプランナーとして
まだ二つのフィールドを持っているから
プロ陶芸家一本の生き方ではないが
構えも作品も・・プロである


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板づくりは・・得意とするところで
私も手許にもっているが
姿形・サイズといい・・釉調といい
実に使い勝手がよく
見事に器の使命感が見えている

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年季の入った窯だ
最後に薪で還元をかけるようだが
山深いここならではのことかもしれない

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工房から見える・・相模湾
海が見えるってだけで・・嬉しくなる


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少し靄が解け・・江の島が目の前だ
工房の二階は・・彼曰く「宴会部屋」
ここでゆっくりと酒を飲みながら
ゆっくりと宴を楽しむ
彼もまた命がけの闘病から生還して
ゆっくりを覚えたに違いない

コンコルドでヨーロッパを駆け巡った彼の実年時代
乗り心地は良くなかったが・・速かったとか
やがて・・それが必要だった年代も過ぎ去り
今はゆっくりでも・・居心地の良い日々のようだ


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炭火で揚げをあぶり・・もろこしや椎茸を焼いて
自作の皿で勧めてくれる・・それが実に美味である
「何でもそうだけど・・食材はちょっと触るだけがいい
結局いじらない方が美味いのさ」
そういえば・・器も同じだ
 

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この大振りな椎茸の・・何と豊かな食感だろう
美味い椎茸を選ぶことが美食・・御意!である

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自ら流しに立つ・・これも持て成し
彼を知っていれば・・なおそう思う


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3時間の昼の宴は・・瞬く間に過ぎた
夕方までには所用で・・羽田に急ぐ藤巻さんに合わせ
道の細い鎌倉山を手慣れたタクシーに委ね
大船駅に急いだ

次回は・・私の工房だと仰る
さて・・どう持て成すことができようか

陶芸を始めて20数年
ブログを書いて・・10数年
不思議な絆で
50年の歳月が三人の手許に集まった
思えば・・やはり不思議な絆である



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私は・・ハンドル作りがあまり得意ではありません
もっと数をこなせばいいのですが
ついつい苦手意識が働くので
商品化に努力しないツケのような気がします


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そんなせいも手伝って
個展の折には・・ハンドルなしの
フリーカップ&ソーサーを展示したのですが
お馴染みのお客様からの追加は
ハンドルをつけてほしいというご注文でした
どうやら無事にできました


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糸抜きによる那須紺麦藁手のセットですが
案外気に入っています

掻き落としや象嵌でもできますが
糸抜きの良さで
すっきりとした感じが狙いです

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Cup&Saucerですが
 Coffee&Cakeでもあります
その日の気分で
カジュアルに使ってほしいと願っています



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幾つもの仕事を同時に遂行する力が
日に日に弱くなってゆくのを・・痛感する昨今
気がつくと目の前にコーナーが迫ってくる
車のレーサーみたいで
慌てふためくことしばしばなのです

個展の追作完遂に夢中でしたから
ふと顔を上げたら・・恒例の公募展
急いでハンドルを切っています

18面体にカットした口縁部は
うっかりすると角を壊すので
こうして円座を下敷きにして保護します

その上で
見込みの中心から外側の見切りまで
一本の糸を真っすぐに貼るので
器を回転させる必要があります
やや薄めの口を壊すのは・・大抵このとき

最後の数本で・・失敗などしようものなら
やはり落ち込みますから
ともかく細心の注意で器を動かします

たまたま・・長時間の仕事のためにと
自分の椅子で使い始めた円座
これのご利益で
少し安心して裏返すことができました

どうすれば安全にことを運べるか
作るとは・・そうした工夫のことなのでしょう
何しろ「作る」の反対語は・・「壊す」
ものづくりには・・タブーです



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今朝も仕事前に一服・・茶を点てました
でも
普通の茶ではありません
ご覧の色は・・茶の色と違うでしょ  


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旧房時代から・・少し涼しくなると
時々・・この点前をします
インスタントコーヒーの粉とミルク
用意するものは・・これだけ

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抹茶碗に
コーヒーの粉を茶さじ2杯ほどに・・ミルクをひとつ
その上に・・柄杓1杯程度の熱湯を注ぎます
そこからは茶筅を振るだけ・・茶と同じです
泡が立ってきますから
出来るだけ細かくなるまで茶筅を振ります

普通に湯を注げば・・やや粉っぽさの残るインスタントも
こうすると・・カプチーノみたいに円やかになります
試してみてください!


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今朝は自作のこの茶碗を使いました
「珈琲点前」私流・・でもお奨めです



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ついこの間までなら
そろそろ夜明けの気配だった早暁3時半も
雨の今朝は・・漆黒の闇
濡れそぼる空気を胸に深く吸って
工房に入った・・窯焚きの朝だ



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窯に火を入れて・・今朝も茶を点てた
茶の良さは・・準備に手間がかかること
それが・・こころを落ち着かせるのだろう

簡便は時に罪・・飽くなき利便の追求で
人間は・・多くを失ってきたような気がする


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夜明けの茶は・・たっぷりがいい
喉を伝って・・生気が走る


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近頃・・好んで作る黑茶碗
遠目に無地で・・寄れば細紋
茶だまりに鈍い金
これ不要だったかもしれない

大き目の作品を詰めた窯は
ゆっくりと走らせた方がいい
2時間で200度・・こんなもんだ

1時間に一度の温度版チェック
無慮千回を越えた窯焚きだけど
ずっと守ってきた掟
どんなに長時間だろうが
窯から離れることはない

千二百度の灼熱は・・いつでも怖いからだ





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  独りして一碗の茶や夏白し  哲郎
ひとりしていちわんのちゃやなつしろし


久しぶりに夏らしい夏日だった昨日
仕事前に独りで茶を点てた
曇りない白い朝・・自作の白の夏茶碗
気持ちの良い朝だった


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糸抜き麦藁手白茶碗  哲郎作


過日の個展で
黑茶碗の引き立て役を務めた白茶碗
抜けるように晴れ上がった真っ白な夏に
その光りを集めて輝いていた


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糸抜き線紋黑茶碗  哲郎作
                     柿傳展DMより




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# by touseigama696 | 2017-09-04 08:25 | ●俳句 | Comments(2)
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 柿の実をひとつつまんで墓詣で 哲郎
かきのみをひとつつまんではかもうで


我が家の墓所は・・車で10分足らず
旧宅時代より更に近くなった

かつて亡父母が存命の頃
彼岸になれば・・二人で参っていた墓だが
今は・・私と妻の番

車の運転のできなかった母親と違い
自分で気軽に出歩く妻は
必ずしも私の同伴が要るわけじゃない
近頃は・・普段の朝一などで
独り墓掃除に出かけたりしてる

それでも気が引けるから・・彼岸の折には
「一緒に行く?」・・でついて行く
大抵は・・
帰路にファストフードで定番の朝飯を食う

柿の実をひとつつまんで墓詣で
普段着のままで
実に日常のひとこまになってしまった

参る我々と・・中で参られる親族たちの
歳の差が・・ここではどんどん詰まってゆく




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# by touseigama696 | 2017-08-31 10:33 | ●俳句 | Comments(0)
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                  陶遊 153号 掲載引用



雑誌「陶遊」のバックナンバーを見ていて
この写真を見つけた
明代の景徳鎮で作られた染付の麦藁手
湯呑ほどの大きさの・・深向付のようだ
初めて見たデザインだが・・これでも麦藁手とある

見た途端に・・似たことしてたなである


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これは今年の正月頃に糸貼りしたもの
縦縞だけが麦藁手ではなく
横でも斜めでも麦藁のうちだとある

この茶碗・・茄子紺の顔料を掛けてあるので
焼けば染付同様
知らずに真似てたみたいだ

真似ることは真似(まな)ぶこと
気づかないで・・勉強させてもらった

「染付麦藁手茶碗」
何となくピンとこないか?



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